五里霧中

★ マンガなどの感想 ★

◆ 「お気に入り」マンガ いろいろ

2012年09月06日 | ◆「お気に入り」  マンガ

最近(と言っても、ここ2~3ヵ月の間に)読んだ「お気に入り」なマンガ作品いろいろです。

たぶん抜けが多いです・・・ ちょっと忙しくて、きちんと整理できてませんもので(^^;

単巻作品1つ(続刊あり?)に、1巻作品3つ、完結作品(だいぶ前のですが)1つです。

 

 

 

『あさがおと加瀬さん。』 (高嶋ひろみ 先生)

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 「どうか加瀬さんが・・・ わたしのことを好きでありますように・・・!」 (本編20ページより)

 あさがおを植えた山田さんと、隣のクラスの加瀬さん。

 些細なことをきっかけに、加瀬さんのことが気になって仕方なくなった山田さんと、

 気さくで運動神経抜群でカッコイイ、人気者な加瀬さんとの交流が描かれたお話です。

 

 いわゆる百合系の作品。

 とりあえず、山田さんの片想い的状況ではありますが、

 普通に「2人の少女の仲良し物語」として読み進められるので、

 とくに百合好きであるかどうかに関係なく、楽しめる内容かと思われます。

 

 ドンくさいタイプの山田さんと、快活なタイプの加瀬さんのコンビは、よきコントラスト。

 この2人の交流は、純心そのもの、まさに「ピュア百合」。

 悩んだり、落ち込んだり、といったことはありますけども、

 決して暗いままでは終わらない安心感のある作品です。

 

 「女子だよ・・・? でも好き・・・ 大好き・・・・・・!」

 山田さんがひた隠す、そうした想いをベースに、百合的な空気を漂わせつつ、

 加瀬さんとの会話やふれあいが、やさしく心温まる楽しさにあふれた物語。

 1巻表記はありませんが、掲載誌『ひらり、』でつづいているらしいので、続刊に期待です!

 

 

 

『TARi TARi』1巻 (原作:EVERGREEN  作画:鍵空とみやき 先生

              キャラクター原案:tanu 先生  構成:尚村透 先生)

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 「悩んだり、迷ったり。 歌おうよ、合唱(みんな)で!」 (オビ文より)

 アニメ放映中の作品のコミカライズ版となります。

 歌をあきらめた少女の再生と、“合唱”の楽しさを知る物語。

 

 音楽の道をあきらめ、声楽科から普通科に転科した少女・坂井和奏。

 しかし、歌を楽しみたいとがんばる少女・来夏や、その友人・紗羽と出会い、

 自分は歌わないことを条件に、再び音楽にふれることに・・・

 そこから、合唱部の結成へ向けた活動や、バドミントン部の男子たちを巻き込みつつ、

 くりひろげられる青春ストーリーです。

 

 アニメ版が大好きなものでコミックス版も購入したのですが、こちらもよかった!

 絵柄の可愛らしさによって、来夏さんの魅力が何割か増しているように思えますね。

 彼女の存在が、和奏さんを音楽の道へ戻らせるきっかけとなっていることを考えると、

 これは素晴らしいこと。 序盤の主役は、来夏さんといっても過言ではなしですし・・・

 彼女の“おバカ”な前向きさが、私は好きです。

 

 真剣に何かに取り組むあまり、窮屈な思いをしてしまう、ということはありがち。

 一方で、自由に楽しく歌おうとする来夏さんのような人は、「真剣ではない」と言われがち。

 でも、来夏さんは本気で努力しているし、本気で楽しもうとしている。

 そんな所からスタートする「合唱部」の物語は、真剣さと楽しむことの両立の難しさと、

 それでもやっぱり楽しむことは大切であるということを、描いているように思えます。

 

 まだアニメは終わっていませんが、ここからどこへ着地してゆくのかと

 楽しみで仕方ない作品です。 そして、私は教頭先生が大好きです!(!?)

 カバー外すと、女子3人が水着姿なんですけどね・・・ 裏が教頭でね・・・

 おいくつでしたっけね、教頭先生・・・・・・ でもイイ(ぇ

 

 

 

『天の血脈』1巻 (安彦良和 先生)

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 「好太王碑」の研究を軸に展開する、歴史ロマン。

 日露戦争開戦前夜の満州。

 さえない学生・安積亮は、史跡調査隊一員としてやって来たものの、

 そこで馬賊に襲撃され、一大事に巻き込まれてゆくことに・・・ というお話。

 

 「好太王碑」の研究をおこなう嬉田講師。

 その研究には、ちょっとしたスポンサーがいて、それが日露戦争および、

 日本と朝鮮との関係について、いろいろ策動しているような人物で・・・

 と、裏があったりするわけですが、主人公の安積くんはそんなこと知る由もなく、

 ただただ、巻き込まれて災難にあってしまうという立場。

 

 この巻では、そんな様子が描かれていて、歴史上の人物も登場しつつ、

 物語の舞台が整えられてゆく内容となっています。

 日露戦争前夜という不穏な時期、国家間の謀略がつきない満州にて、

 ただの一学生がどのような運命をたどるのか、「好太王碑」の研究に秘められた思惑とは、

 いろいろと注目の作品です。

 

 

 

『うみねこのく頃に EP8 Twilight of the golden witch』1巻

 (原作・監修:竜騎士07 先生  作画:夏海ケイ 先生)

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 「・・・事実よりもっと大切な どうしても伝えたいことがあるからだ」 (本編119ページより)

 1986年の孤島で起きた不幸な出来事、その真実をこえた物語の最終エピソード!

 12年後の世界で1人残された縁寿は、真実を知りたがっている。

 兄・戦人は、そんな妹のために「あの日の六軒島」へと彼女を導くことに・・・

 そこで縁寿がみたものは、自分が思い描いた真実とは異なる世界だった!?

 

 解答編のラストエピソードとなる本作では、縁寿が真実を探る行動が中心となり、

 やがて意外な展開をみせつつ、ついに物語に幕が下りることになります。

 エピソード7までを見ていれば、あらましはつかめているでしょうから、

 あとは残された12年後の物語が〆を迎えることになるわけで、

 それこそが1つの終着点となることは、間違いありません。

 

 私は原作ゲームクリア済ですが、正直、密室トリックに関しては、わからないこと多いです。

 このEP8でくりひろげられる戦人や縁寿、魔女たちの戦いを見ていると、

 なんとなくヒントとなるものがあるので、そのあたりから推理していくとわかりそうですが・・・

 

 「愛がなければ視えない」

 欺瞞とも思える光景が目の前で展開する中、縁寿の心はどこへ向かうのか?

 これは彼女の心の物語であると同時に、

 ある人物の葛藤の物語でもあったのかと、私は感じているのですが・・・ はてさて。

 

 真実とは何か? 愛とは何か? そして、魔法とは・・・?

 EP1、EP3と描かれてきた夏海先生ほど、最終エピソードにふさわしい作家先生はなし。

 ぜひとも、最高のエンディングをご覧あれ。

 物語の完結は寂しいのですが、それでもその終着点を見てみたいものです!

 

 

 

『満潮!ツモクラテス』5巻 (片山まさゆき 先生)

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 「麻雀は哲学である。 その果てに何が見えた!?」 (オビ文より)

 麻雀という哲学について語られた物語。

 プロ雀士であり、「満潮」を見定める打ち手である積倉手数(つもくら てす)。

 彼を追って、麻雀プロの世界に足を踏み入れた富良東(ふらとん)。

 2人の打ち手を通じて、その世界でしのぎを削り合う人々の姿が描かれます。

 

 前作『打姫オバカミーコ』からの人物も加えてくりひろげられる、麻雀という舞台での戦い。

 最後は、風王位決勝戦が描かれます。

 はじめ、人を見下す打ち手であった富良東も、長い戦いの中で人格が磨かれてゆき、

 ついに目指した男・積倉と対峙することに・・・ その戦いが非常に熱い!

 地味な積み重ねで「潮」が満ちるのを待ち、ここぞというタイミングで一気に勝負をかける。

 そんな打ち手である積倉の強さはハンパなく、これに成長した富良がどう対応するのか、

 また、わきの2人も強者であり、4人の戦いは一瞬の油断も許さぬ勝負となります。

 

 私は本作品がかなり好きでして、近年の片山先生作品の中では、

 おそらく一番好きだったんじゃないかと思います。

 なので、5巻で終了というのは残念無念。 もったいないな~と感じています。

 名作『ノーマーク爆牌党』に迫るレベルになるのでは? と期待していたもので・・・

 

 基本的に、麻雀を知らないと詳しくはわからないかもしれませんが、

 それでも、そこで語られる「哲学」であったり、しのぎを削り合う人間模様だったりが、

 なかなか面白い内容でもありますし、麻雀好きでない方でも読める・・・かも?

 『咲-Saki-』あたりで麻雀に興味を持った方であれば、

 前作『打姫オバカミーコ』あたりから読むと、楽しめるかと思われます。

 そして、ゆくゆくは「爆牌党」で感動していただければ・・・ なんて期待したり。

 

 などなど、私は大好きだった作品。

 麻雀というと遠巻きになってしまう方でも、健全に楽しめるゲームとして、

 認識いただければいいな~と考えておりますので、その第一歩に、ぜひ・・・