五里霧中

★ マンガなどの感想 ★

【お気に入り】 完結作品いろいろ

2012年02月21日 | ◆「お気に入り」  マンガ

昨年末~今年初めごろは、多忙のためにほとんど更新できずにいましたので、

まだ書いていなかった「お気に入り」作品を、まとめていろいろ紹介。

今回は、昨年読んだ完結作品など。

 

 

『はなまる幼稚園』11巻 (勇人 先生)

 Hanamaru_kindergarten_11_2 Hanamaru_kindergarten_11_p091_3

 「NO.1なごみ系コミックス 感動の最終巻」 (オビ文より)

 はなまる幼稚園を舞台に、駆けずり回る園児たち、そして先生たちを描いた作品が完結!

 最後は子供も大人も関係なく、それぞれ胸に秘めた想いをぶつける、

 そんな気持ちのよい流れに乗っかってのシメでありました。

 

 草野先生やさつきさん、そして杏ちゃんや山本先生、つっちーの想い。

 また、杏・柊・小梅3人の園児たちの友情などなど、

 各人の想いが交錯しながら、それでいて絡み合わず、整然と紡ぎ合わされる

 とてもキレイな形の物語になっているのが心地よいのです。

 私なんかには、草野先生や杏ちゃんの潔さに「く~ッ」とくるものがありましたよ!

 もちろん、山本先生の今一つ見えてこなかった心の動きもすばらしく、

 土田先生の想いと、それを後押しする園児たちの応援も、盛り上がった最終巻でしたね。

 

 本作品の読み心地は、まさに「なごみ系」。

 そのなごみをもたらしていたのは、登場人物たちの汚れなき純心だったように思います。

 よぶんな雑念を排し、純心さを極限まで高めたかのような園児たちの姿は、

 まさに“天使”であるのですが、それと同時に現実感に乏しい存在でもありました。

 しかし、それこそが純度の高い真心を演出し、大きな「なごみ」をもたらす要素であったと

 私は感じています。 山本先生もね、“女神”でしたね(^^;

 

 読んでいてまっさらに気持ちが良い“白さ”を感じさせてくれた本作品。

 アニメを観てからのコミックス購読だったので、終了が早い気がして残念無念。

 しかしながら、この無垢なセカイと人々の真心を、じんわり楽しませていただきましたー!

 

 

 

『マコトの王者(赤)&(青)』4巻 (福井あしび 先生)

 Real_deal_champion_04 Real_deal_champion_04_p2021

 「おもろなってきたな。」 「同感だ。」 (本編146ページより)

 ボクシング世界チャンピオンをかけた闘いで、人格が入れ替わってしまった2人のマコト。

 片や若き身体を手にしたベテラン・ボクサー。

 片やボロボロの身体になってしまった新人ボクサー。

 2人は再戦を誓い、ここにふたたび衝突! 運命はどちらを「マコトの王者」に選ぶのか!?

 

 ということで、今まで「赤」「青」2巻同時刊行できた本作品も、

 最後は2つ合わさっての完結となりました。 (4巻ですが、実質は7巻といってもよいかと)

 とうぜんの激戦となった2人のマコトの闘いは壮絶極まりなく、

 そうしたバトルが楽しさになっているのはもちろんなのですが、

 本作品の大きな魅力は、登場人物の個性にこそあったと私は感じます。

 

 若き身体を手にした冷静沈着・実力派なチャンピオンである天堂誠は、

 ストイックに己を高めてきた孤高の人物で、その大人の魅力はまさに漢(オトコ)!

 一方、天堂のボロボロの身体に入れ替わった無鉄砲な若きボクサー・大地真は、

 まっすぐ熱血な性格で、家族や周囲の人々を大切にする人望厚い好男子!

 この両者が、互いの家族や周りの人たちと交流する中で、

 それぞれの問題点や良さに気づいてゆくという流れの物語は、

 赤・青という確かなな色分けがしだいに混ざり合う、変化の心地よさを感じさせてくれました。

 

 若い体を手に入れ圧倒的な強さをほこる天堂(身体は大地)に、

 ボロボロの身体で挑んでゆく大地(身体は天堂)の心意気にも感じ入るものがあり、

 それがすばらしい高揚感を与えてくれたようにも思います。

 いや本当に面白かった! 私はとても好きな作品でしたよ!!

 

 

 

『地雷震 ディアブロ』3巻 (高橋ツトム 先生)

 Jiraishin_diablo_03 Jiraishin_diablo_03_p180

 「そんじゃ外交するか」 (本編124ページより)

 石川県天座島が“全滅”した謎の事件を解明すべく、よみがえった飯田響也。

 事件の裏にある国に見捨てられた者たちの怨念と、新たな国家の建設。

 そして“女王”の存在。 国家と“国家”の争いに、ついに終止符が打たれる!

 

 響也のバローマ王国に対する「外交」は、もちろん「戦争」を意味するわけで、

 そこから後戻りできない殺し合いが始まります。

 もはや警察官ではなくなった響也のクールな殺しっぷりは闇に満ち、

 朴との決戦になんのためらいもなく挑む彼の姿は、まさに悪魔か鬼か、その類のもの。

 彼らのやりとりに温もりはなく、ただ冷たさが残るだけ・・・

 ラスト近辺での響也の言葉からは、暗闇より引っ張り出され、

 光の下で生きねばならなくなった者の、大いなる悲哀を感じざるを得ませんでした。

 

 前作同様、どうしようもない殺し合いが繰り広げられる作品ではありましたが、

 そこにある闇を感じる人間にとっては、なにか奇妙な安らぎすら覚えてしまうことも・・・

 私は、そんな不思議な感覚が嫌いではないのです。

 「ディアブロ」は3巻での完結でしたが、シリーズとして今後も登場してくれるのでしょうかね。

 そのあたりに期待したいと思います。