小林恵のNY通信

NY在住47年、2011年より東京谷中に居住。創造力をのばすためのエッセンス、スパイスをいれた私の暮らしの手帖です。

「樹の顔・セントラルパーク散歩」

2009-07-20 11:11:12 | ニューヨーク暮らしの日々

樹にも性格がある。
まっすぐに空に向かって伸びる樹。枝を張る樹。人に話かける樹。手
入れ通りに形を変えていく樹。同じ年輪でも成長の仕方に性格がある。
うっかりすると見過ごしてしまう散歩道もよく見て歩くといろいろのもの
を発見する。

いくつもの顔を持つ樹もある。 右の横顔は話しかけられているよう
な・・・フレンドリーな顔。”こんにちわ”と挨拶する私の友だち。
私のバスルームの大理石のブロックにはたくさんの顔がある。美人
だったり、泣いていたり、お化けだったりする。石も生きていて語り
かけているから、人間が自然の神様を祀ったのも理解できる。

翁のような顔。          思い切り手を伸ばして喜んでいる樹。

ゴシック建築の雨水落としのような呻き声が聞えてきそうな怪物。
メトロポリタン美術館でフランシス・ベーコンの奇怪な 絵を見た帰り
パークを横切っての帰り道、彼の絵にそっくりな脳味噌が飛び出た
顔をもつ樹に巡り合った。後で写真を撮りにいったが、どこだったか
わからなくなった。彼の精神錯誤に影響された幻影だったのかも知
れない。