小林恵のNY通信

NY在住47年、2011年より東京谷中に居住。創造力をのばすためのエッセンス、スパイスをいれた私の暮らしの手帖です。

「何でもありの日本にない食べ物」

2008-02-22 06:55:57 | 

パストロミ・サンドイッチ

 
食品も世界中の有名ブランドは日本のどこかにあり、グルメ日本に
ないものはないと思う人が多い。
しかし、多くの国の代表的食品が集まるのはニューヨークだ。
 
人種の坩堝がそうさせたのだろう。面白いことは特別地区に行かな
くても、人々が散らばって住むようになると、何処のスーパーでもお目
見えするようになる。その食品が人気を持つと調理法も紹介され、一
般化して次第に混血食品が出回るようになる。必要を満たすビジネス
が、介入すると国際的になってくる。御寿司しかり。ブラウンライスに
ニンジンとアバカド、エビカマと卵ののり巻き寿司など、本物御寿司
を知らない人が、「私は日本の寿司のファン!」などととのたまうと淋
しい思いをするのは何処の国にでも当てはまることなのだろう。

 時々日本に帰ると日本食の純血は素晴らしいとも思う。
それを育んできた人たちの伝統は素晴らしいと唸る。そして京都人
が心の中で「あなたたちに分かるものですか」と一元さんを相手にし
ないのも理解出来る。「こちら一元でも二元でも馬鹿にされても平気、
あなたたちのファンです。京料理の素晴らしさ。どうぞ自信を持って
威張っていてください。そして伝統を壊さないで下さい」と願う。

 国際化はいいのか。インターナショナルはいいのかと考えさせられ
るこの頃である。勿論イエス!そしてノーとも答える複雑さがある。
「恵さんの考え方はアメリカナイズされている」と日本で言われれば
反論はしないけれど、島国的アイデアだなーと思う。
複雑な世の中。そしてPCの交流と同じく何がなんだか分からなくな
る。
パストロミとは?
 
冷蔵が発明される前、貯蔵用肉が作られた。ブリスケットといわれ
る牛の胸肉をスパイス入り塩水につけ、コーンビーフが作られた。
その肉を燻製にしたものをパストロミという。ユダヤ系デリ、またはレ
ストランで食べられる。パストロミは日本ではお眼にかからなかった。
ニューヨーカーのお袋の味代表である。
 7番街のカーネギーデリでは、「たとえ値段は変わっても量を減らし
たり、伝統的サービスは変えません」と昔ながらの山盛りサービス
を保持している。サンドイッチを2人前(写真は一人前)
食べれた人
は2個目は無料になる。昔から変わらないカーネギーデリの伝統だ。
マスタードをたっぷりつけて食べる。
 日本女性には4分一の分量でお手上げの量である。残すと頼まな
いのにウエイターは「ドッギーバッグほしいですか?」と聞く。持って
きた袋に「それは犬用でないことは知ってるぜ」と恨めしい眼をした
犬が言っていた。