「愛されると優しくなる」
リンカーンセンターの広場でニューハンプシャー州から来ている手
作り毛糸の人が羊毛から毛糸を作るまでのデモをやっていた。
「羊も愛されている事が分かると信用しておとなしくなります」と集ま
った人たちの前で羊をしばらく撫でてあげる。日本のキレル子供たち
のお母さんに見せてあげたいと思う。
羊はおとなしくしている。
お好きなようにどうぞとばかり,動かしたほうに体をゆだねている。
「はい,刈り終わりました!」この間10分ぐらい。まるで縫いぐるみ
を動かすように羊の体を動かし、刈り終ると羊は本当にうれしそうに
甘えている。「アメリカの開拓時代の人たちは皆こうやって動物と共
存していたのです。生活の知恵は皆おばあちゃんから習ったんです」
と説明すると、見ていた子供が ”おばあちゃん、知ってる?”と叫ん
だ。向かい側にいたおばあちゃんは「今はじめてみたのよ」と答え、
皆スマイル。
羊毛を洗って毛糸になるまでのデモで学んだことは,ウールへの感
謝と手の優しさが皆をも優しくすること。「手にハート」の世界にふれ
忘れていた事を改めて考えさせられた、すがすがしい日曜の午後で
あった。