散歩から探検へ~個人・住民・市民

副題を「政治を動かすもの」から「個人・住民・市民」へと変更、地域住民/世界市民として複眼的思考で政治的事象を捉える。

裏の川崎市長選挙、松沢前県知事圧勝~阿部市政の陰、秀嶋候補に反映

2013年11月01日 | 政治
今回の川崎市長選挙に関して、マスメデイアは「三党相乗り=気の緩み」を秀嶋氏敗北の主たる原因としているようだ。確かにその面はあるだろうが、気の緩みとは具体的に何であるのか、説明はない。

先の記事で、過去の人になる市長が選挙戦を自らの政策評価と位置づけ、「秀嶋後継」を強く打ち出し、相乗り「3党」の存在感を打ち消したことが、敗北の大きな要因とした。これでは3党の市議を動かすことはできないからだ。
 『川崎市長選・自民党、二重の敗北~阿部市長後継が「3党相乗り」を潰す』

その段階において、本人(松沢、阿部)及び候補者達が意識したのか、それは別として、裏の戦い「松沢対阿部」の構図を持つようになった。それまでは、「とことん市民対3党相乗り」の空中戦であり、「とことん市民」には県知事を務め、知名度抜群の人物、松沢参院議員が表で常に寄り添っていた。

松沢議員は、裏でも激烈な選挙活動を繰り広げていたに違いない。結果からみて、福田善戦は両方の陣営共に中盤には認識があったに違いない。秀嶋サイドで最もショックを受けたのは阿部市長のはずだ。自らの仕事に対する評価が含まれているからだ。それに比べれば、個々の議員には他人事である。却って「結局、勝つのだから」と考えれば、活動は鈍るかも知れない。

それに、阿部市長は12年前に松沢議員に引っ張り出され、当選したのであり、その力を良く知っている。従って、市長は発言だけでなく、秀嶋氏の応援演説もするようになった。おそらく裏で支持母体にも働きかけたはずだ。

開票結果が出た後、28日に、報道陣の質問に阿部市長は興味深い答をしている。

秀嶋氏落選には「非常に残念。知名度が不足していた」と分析。
推薦した3党には「各党が自分たちの党をまとめる力がない」とばっさり。
松沢議員の官僚市長批判には「矛盾している。あの辺が人間として信用できない。選挙に勝てば何でもありというのは、道義的な問題だ」と非難。
約6割が秀嶋氏以外に入れたことには「有権者は、私がやってきたことに対するマイナス部分の評価を大きくした」。

阿部市長の心境を良く表していると共に、松沢氏に対する批判が極めて強く、逆に氏に対して強い警戒心を持っており、一方、3党議員の心理と行動を見透かした発言になっている。

松沢氏の地元、麻生区での得票数は、福田2.3万票、秀嶋1.5万票、その差は8千票、福田氏の地元、宮前区では、福田2.5万票、秀嶋1.9万票、その差は6千票。松沢氏の地元の方が、有権者数は少なく、その差は大きい。

両者の差は3千票であったから、麻生区で決まったとも云え、また、他の6区においても松沢氏によって積み上げられた票は多いと推察できる。逆に阿部市長は政策の陰の部分が、秀嶋氏の足を引っ張ったことを認めることで、自己のプライドを保つ以外にはなかったようだ。

なお、筆者の関心は川崎市長選に関する記事の最初に示したように、世代別の投票率である。前回の結果は、こちらにあるように、20代は20%を切っている。これが20%以上になり、かつ、得票率も福田新市長が圧倒していれば、今回の氏の選挙運動は成功とみて良い。
 『20代「18%」と60代「53%」との間に~川崎市長選挙、前回投票率131004』
現状は読売新聞の出口調査で、20-30代 福田44.8%、秀嶋29.8% 君嶋21.9%の結果が示されているだけだ。選管の報告を待つ以外にない。

      

最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。