朝顔

日々の見聞からトンガったことを探して、できるだけ丸く書いてみたいと思います。

「キャプテン・フィリップス」

2013-12-01 | 京都の文化(冬)
トム・ハンクスが主演するこの映画、11月29日(金)を見てきました。好天、紅葉まっさかりの京都の週末、暗い映画館に立てこもるとはなんと酔狂な。



アフリカ大陸の東海岸、ソマリア海域は現代の海賊が出現することでよく知られています。2009年に発生した実話に基づいて作られています。

米国籍の巨大なコンテナー船が、小舟に乗った4人のソマリア人武装海賊に乗っ取られます。一度は、操船技術による大波起こしと海賊舟のエンジン故障で撃退できたのですが、その翌日に再び襲来してきます。放水や信号弾発射で防御するのですが、長い鉄梯子を船腹に掛けられて、乗り込まれます。

商船には武器を乗せていないので、一旦、銃をもつ海賊に乗り込まれると対抗手段がありません。事前の訓練どおりに、船橋の船長と操縦士以外の船員は機関室の奥深くに隠れます。脅迫された船長は、金庫に有る3万ドルの現金を渡し、これで引き上げてくれと頼みますが、海賊のリーダー(ガリガリの痩せ型、ソマリア生まれ若手米国人俳優)はそんなはした金ではと言って妥協しません。自分たちのボスの命令だといいます。

いろいろなことがあって、遂にその海賊リーダーは隠れていた船員たちによって捕まえられるのです。しかし船長は別の海賊メンバーに捕まっているので、人質交換して3万ドルを手土産にして救命ボートで帰れと要求。リーダーをそれを受け入れるのですが、救命ボートの発射直前に船長を殴ってボートに押しこめます。つまり、これ以降、救命ボートで人質になった船長をいかに救出するかが、映画の見せ場となります。

襲撃を受けた時点で、船長は英国海軍と米国海軍に緊急連絡を入れているのですが、この時点の攻防には間に合いません。

しばらくすると米海軍の無人偵察機が現れ、その後に軍艦がようやく接近します。ITをフルに活用した画像撮影機材、音響収集装置などが登場します。最後は、米海軍の狙撃部隊SEALsが米本土から急遽派遣されます。軍艦の内部の描写や軍人のてきぱきした動きも見どころでした。

2009年頃には海賊被害が多発していたのにこの商船には放水と信号弾以外に自衛手段をもっていませんでした。せめて、催涙ガス弾、麻酔銃位は装備していても不思議ではないと思いました。日本船籍の船は現在どうしているのでしょうか。

映画の海賊リーダーのセリフや海軍での情報分析で、ギリシャ船の乗っ取り成功で600万ドルを得たとか、海賊の母船は台湾漁船を獲得したものと説明があります。

また、悲惨なソマリアの海岸住民の映像も少しだけ写されています。海賊をしないと生きていけないソマリアの政治状況、無政府状態が根本的な問題です。その原因の一つにかつての米国の軍事介入があるようです。

数年前、米国で乗ったタクシー運転手が運転席に小さな国旗を掲げていてソマリア出身だと言っていたことを思いましました。その時はアフリカのどのあたりの国は全く知識がなかったのですが。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする