石仏散歩

現代人の多くに無視される石仏たち。その石仏を愛でる少数派の、これは独り言です。

118スリランカの仏教遺跡巡り(3)ポロンナルワ(a石立像、図書館ほか)

2016-01-19 06:47:52 | 遺跡巡り

旅行3日目。

朝、アヌラーダプラからポロンナルワへ向かう。

旅行中、いつも車の助手席にいた。

行き交う景色を撮るにはいいのだが、予想外に疲れる。

原因は、犬。

道路上にごろんと寝ている。

かと思えば、突然起き上がって、のそのそと横切ったりする。

その度に思わず(ない)ブレーキを踏むから、気が休まらない。

インドでは、牛が同じような格好でいた。

ヒンズー教では、牛は神様だから理解できるが、スリランカの犬は神でもなんでもない。

ただの野良犬なのです。

では、なぜ、犬たちは平気で車が行き交う道路上で寝られるのか。

それはスリランカ人がみんな敬虔な仏教徒だからです。

仏教では、信者が守るべき5つの戒めがあります。

その一つが「不殺生」。

殺していけないのは人間だけではない。

動物も虫も生物すべての命を殺めてはいけません。

蚊に刺されても、叩き潰さない人がスリランカにはいると云われます。

野生の象に命を落とす人が年間100人はいるそうですが、毀された家屋や踏み荒らされた畑を修理するだけで、象を処分しようという話は決してでないのだとか。

交通の邪魔になるから犬を排除しようとは、誰も考えないのです。

こうした現実を目の当たりにすると、日本が、スリランカと同じ仏教の国であることが信じられません。

 

田んぼがある。

稲刈りをしてると思うと、田植えをしていたりする。

当たり前の景色のようだが、本来この辺りは乾燥地帯で、水田には不向きの土地柄だった。

稲作を可能にしたのは、紀元前5、6世紀、インドからもたらされた鉄器と灌漑技術でした。

当時の人工湖沼は今もそのまま現役で、今日の目的地ポロンナルワの繁栄は、巨大な貯水池パラークラマ・サムドラの水の恩恵によるもの、と云って差し支えないでしょう。

人工湖パラクラーマ・サムドラ左側にポロンナルワ遺蹟がある。

パラクラーマは、12世紀にこの灌漑用貯水池を造築した王、パラクラーマ・バーフ1世の名前。

ちなみに「サムドラ」は、海を意味して、その広さ2400ヘクタール、7500ヘクタールの水田耕作を可能にさせました。

パラクラーマ・バーフ1世王は、人工湖を作るとともに、そのほとりに仏教都市を構築し、上座部、大乗、密教の三派に別れ対立していた仏教界を上座部仏教に統一します。

その王の立像が、最初の目的地。

◇石立像

土の道を歩いているつもりだったが、気が付いたら広大な一枚岩の上を歩いていた。

振り返ると、岩だということがよくわかる。

正面に高さ3.6mの男の像が立っている。

どうやら足下の岩と岩質が違うようだ。

白っぽくて、柔らかそう。

この男性立像が、パラークラマ・バーフ1世だとする根拠は、スリランカの旧10ルピー紙幣に王として印刷されていたからです。

しかし、異論もある。

両手で胸の高さに掲げているのは、ヤシの葉に書かれた仏典。

だから王ではなく、学者だとする説も有力だそうで、見出しをあいまいな「石立像」としたのは、こうした事情によるものです。

◇最古の図書館

「石立像」からほんの100mほど南のレンガ遺蹟は、ポトグル・ビハーラ。

パラークラマ・バーフ王が建て、その妃が修繕したというスリランカ最古の図書館です。

よく見かける石段前のムーンストーンと両脇のガードストーンがない。

あって当然のものがないと、何故ないのか、その理由が気になってしまう。

石段を上がると正方形の基壇に円形のレンガ造りの建物。

崩れずに残った建物の一部に湾曲を見るだけですが。

ここには、ヤシの葉に文字を書いた経典が置かれていました。

サルを見るのは初めてではないが、ちょっと多いような気がする。

追っかけまわしたり、喧嘩したり、騒々しいから目立つだけなのかも知れないが・・・

 

 

 

 

 


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