▽真言宗智山派・無量山竜谷院西音寺(中十条3-27-10)
旧岩槻街道に面してある。
工事用の車が門の真ん前に停車していて、撮影しにくい。
門前左は、宝篋印塔と地蔵菩薩立像。
宝篋印塔には、延享五年(1748)武州豊嶋郡十條村とある。
お地蔵さんの台石には、「延命地蔵尊」と彫られている。
門の右側にも2基の石造物。
六面憧上部には阿弥陀三尊。
阿弥陀如来と脇侍の観音菩薩と勢至菩薩が。
下部には、六地蔵が配される立派なもの。
台石に盃状の穴が開いている。
江戸時代か明治の頃か、子どもたちが石を片手にカンカンと穿つ姿が想像される。
もう1基は、弘法大師と刻んだ自然石。
豊島八十八札所と第三十番が、弘法大師の両側に刻されている。
本堂へ参るには、山門を入らなければならないが、なぜか、呼び鈴を押さなければならない。
本堂の写真は、山門から撮ったもの。
都内には、開放的でない寺院は珍しくないが、「ここもか」とがっくりと踵を返す。
▽十条八雲神社(中十条3-33-11)
旧岩槻街道が環七とぶつかる左側に神社はある。
石造物は、庚申塔が1基、社殿右奥にひっそりと立っている。
文字庚申塔で、中央に「庚申塔」。
右に「天明四甲辰十一月吉日」
左に「是より左り い多者し道」
下に「武州十條村講中」。
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▽とげぬき地蔵(東十条2-14-9)
どこかで聞いたことのあるお地蔵さんだな、と思ったら、やっぱり、そうだった。
巣鴨のとげぬき地蔵から分祠したものという。
巣鴨と同じように、4の日の縁日には、露店も並ぶ賑わいだったらしい。
お堂は銭湯の一画をえぐるように、建てられていて、銭湯の名前は「地蔵湯」というのだから、「なるほど」と納得するしかない。
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▽見守り地蔵(東十条3-15-6)
とげぬき地蔵から北西に商店街を行くと、ここも又、ビルに組み込まれて地蔵堂がある。
看板には「見守り地蔵 東十条商店街」。
商店街が管理しているお地蔵さんです。
堂内の由緒によれば、敗戦後の昭和23年、戦死者の慰霊と平和祈願のため、寛永寺から譲り受けたお地蔵さんだとのこと。
お地蔵さんの頭上には、仏賛歌が掲げられています。
また、堂内あちこちに歌手の名前の提灯がずらり並んでいるのは、すぐ近くにレコード店があるため。
新曲キャンペーンに来店した歌手たちが、名入りの提灯を奉納したもの。
守備範囲の広いお地蔵様だが、芸能関係にまで手を広げたとは知らなかった。
御利益はあったのだろうか。