HAVE A NICE DAY!

徒然なるままに特に音楽の話を中心にあーだこーだと書き連ねます。

A World Of Pandemoniumについて~2

2011年12月03日 | 細美武士/the HIATUS
今日まで何度くりかえし聴いただろうか。
聴けば聴く程全身に滲み渡る音楽だ。

もうツアーは始まっているんだね。
これらの曲が実際のステージではどんな風に
再現されるのだろう?なんて考えている。

私が行くのはまだまだ先だ。
運良く一般発売日に何度もエラーではねられて
なんども「ただ今混み合っています」で
表示されず、やっと画面が出て最後のところで
ボタンを押すとまたエラーになって
「the HIATUSに私は嫌われているんだろうか?」って
思った瞬間に奇跡が起ったんだ。
突然開いた画面。そしてまだ×じゃない△だ。
まだ行けるかもしれない。そしてそこで今度は
エラーになりませんようにって祈りながら
進んで行き、最後にボタンを押したら
完了!ホントうれしかった。
どうやら最後の最後で取れたようだ。
その後はまた繋がらなくて繋がったらもう×になっていた。

神様ありがとうって本当に思った。

で、私が行くのは新年1月の大阪だ。
超後ろだけれど、それでも構わない。
同じ場所でその生音を聴けるだけで。

それにこの間の京都のボロフェスタでは
すぐそばまで行けたんだから。

あんな近くも奇跡だけれどね。

そして新年のワンマンの前に
年末のRADIO CRAZYにも彼らは出るんだ。
そして見に行く!今年はなんと2days行くんだ。
すごいメンツだから、ほんとお菓子の家みたいだ。


さて、アルバムの話に戻すけれど

「Deerhounds」はフォークテイストのロックというのかな。
でも、アメリカのそれとは違ってやっぱりイギリスや
アイルランドのそれだと感じた。
あるいは北欧の空気感。
早朝に起きて戸外に出るとそこに霜のおりた草原が
広がって、そこで犬が走り回っている姿が見えるようだ。
息が白くなる。
なんだか温度とか皮膚感とか感じられる曲だなって
思った。オートミールがついている唇をなめるって
いうのがすごい描写だって思った。

アメリカのアーティストだけれどBRUCE HORNSBYって
いう人がいて(今もいると思うけれど)その人が
THE RANGEっていうバンドをひきつれて出した曲に
「THE WAY IT IS」っていうのがあるんだけれど
その曲の空気感をちょっと思い出した。

あるいはアイルランドのCORRSも思い出した。

そして時にKATE BUSHの空気感もこのアルバムには
漂っていた。

それにしてもPandemoniumっていう言葉
難しい言葉だよね。日常でそう当たり前みたいに
使わない言葉な気がする。細美さんの歌には
結構そういう単語が入っている。それは
どこから来るんだろう?それこそ降りて来た言葉の
音を綴るとそういう言葉になるのかな?
それとも彼が読んでいる本の中に出てくるのかな?

この詩もすごく心に滲みた。

「Superblock」はthe HIATUSらしい曲だと思った。

この歌詞はこの今の社会、原発やいろいろな事を
歌っているように感じた。

Where'd they go?
Where's we go?

まさにそうだよね。
細美さんはあまりメッセージとか考えないで
作ると以前聴いた気がするけれど
ここには今の彼のこの国あるいは世界に対する憂いを感じた。

私はまだ彼のインタビューとかを読んでいない。
読んでしまうと自分の第一印象が変わるかもしれないから
とりあえず、最初に感じたことをここに
こうして主観的ではあるけれど先に書き連ねることで
偽りのない自分の心の動きを残したいから。

「the Tower and The snake」
このタイトルだけ見るとまるでイギリスやヨーロッパの
どこかのお城にある塔やら石碑を思い浮かべてしまう。

この歌詞は
恐怖で安らかな夢を見れない人たちに
自分がそばで守ってあげるから
安心して眠ってっていうように
聴こえた。

きっとこれもこの曲を作った時の彼の思いなんだろうな。
彼のブログを見ると何度も「どうか眠れますように」
というような被災地への人に向けての言葉が
書かれているから。

今回のアルバムがすべて英語詩なのは
きっと英語の方がある意味ふんわりと
伝わるからなんだと私自身は感じたし
彼がいつも言うように今回は英語詩しか
降りてこなかったのかもしれない。
メロディが探したWORDSはすべて英語だったんだね。

もちろんこれらの曲がすべて東北へ向けてだけではなく
ある意味普遍的な世界中で苦しむ人たちへの
歌でもあることはわかっているつもりだ。

「Souls」
Jamie Blakeとのこの歌は本当に心に滲みる。
私は昔からこういう男性ボーカルと女性ボーカルの
かけあいというか歌が好きだ。
そして、このヨーロッパ的な感じが
特に好きだ。アイリッシュの香りがする感じも
ほんと大好きだ。

曲調は明るいのに歌詞はちょっと悲しい感じだけれど
それでもどこか光の見える歌だよね。

「Bittersweet/ Hatching Mayflies」と「Snowflakes」は
以前のCD発売の時に書いたのでここでは書かないことにする。

「Broccoli」
この曲もいつものthe HIATUSっぽい曲のような気がした。
なぜにブロッコリーというタイトルがついたのか?
それを考えてしまう。
ブロッコリーが彼のどこかの場所できっとなにか印象的な
思い出を残しているんだと思う。

This is sold outって何がだろう?
探している言葉なのか?
探している思いなのか?
それとも愛なのか?

わかんないけれど感じる何かがそこにあった。

「Flyleaf」
この曲を最初聴いたときスティングを思い浮かべた。
スティングが好きそうな曲だなって。

このタイトルをつける人は絶対に読書家だと思う。
本読まない人には思いつかないと思うから。

本の最初と最後の何も書かれてない白紙のことを
Flyleafって言う。

偶然なんだけれど先日SEKAI NO OWARIの
藤崎さんのブログのタイトルが「Flyleaf」だった。
これにはいろんな深い意味があるんだね。

実はこの歌詞を読んだ時に思い出した絵本がある。
アンドレ・ダーハンの『Camilla's Dream』という絵本だ。
残念ながら日本語訳は出てないと思うし、英語版も
なかなか手に入らないような気もする。

それこそ手紙が飛んで行くんだけれどね。
ものすごくあったかい絵に溢れた本なんだ。
手紙がウサギのように長い耳を持って自転車で
運んだりして。思わず笑顔になってしまうような。

この歌にある
I wanna see a smile back on your face.

という言葉は彼のすべての辛い思いをしている人への
願いなんだね。

付け加えるなら私もそうだし、そして細美さん自身の笑顔も
ずっと見ていたいと思っている。

「Shimmer」

とても静かなトーンのメロディから入ってくる曲だけど
そこにある言葉たちはあきらかに原発事故などの
人間が起こすいろいろな事に対する警鈴というか
彼のメッセージだと感じた。

英語で歌うことでこれは日本だけじゃなく
いろいろな国にも伝わると思う。

彼の凄いところはいかにもっていう直接的な言葉で
何かに対して反なになにを言うのではなくて
それを彼自身の言葉で伝えることで
多くの人が感じれるというところだ。

そこには彼の人間的な温かさがあると思う。
直で攻撃することは時として多くの人をも
傷つけるし、悪がすべて悪ばかりで固まっていると
いうわけではなく、善であっても悪にいつの間にか
とりこまれて気がついて絶望することもあるんだから。

そういうことも考えた上で彼は歌う。
だから素晴らしいと思う。

「On Your Way Home」
ラストのこの曲はとても明るい感じで
ジミーイートワールド風な感じで
すがすがしい気分になれる。
とても好きな曲だ。


1曲1曲の感想を書くなんてばかげてるって
思う人もいるだろう。確かにそうかもしれない。
でもなんか書きたいんだ。

1曲目が早朝のイメージでラストも朝のイメージ。
なんだか一日がこの歌に詰まっている気がした。
当たり前の一日が一番大切なんだって
なんか感じさせてくれる気がした。

このアルバム全体を通して
くりかえしフレーズを歌うところが多い気がした。
いつもそうだったっけ?
今まではあまり気にしてなかったけれど
今回はそれが残って行った。

Licking my lips

Licking my lips

I'm looking up to common skies
I'm looking up to common skies

We're racing fast to overtake
We're racing fast to overtake

など、とにかくすべての歌に
同じフレーズがくりかえされる。

これらが彼の伝えたい言葉たちなのかな?って

あるいはよく出てくる単語は

again
soul
day
night
come
wake up
call
mind
echo
you
me

もちろんそれらはよく使われる言葉なのかもしれない。
でも、今回はこれらの言葉が印象に残ったんだ。

彼の今一番願っていることなのかもしれない。

そして本に関係するbookとかflyleafとか
なんだか震災後に彼が読んでいたdonation(寄付金)や
チャリティの本のことを思い出した。
彼がどれだけいろんな本を読んで震災後に
自分がどのように動けばいいのかを悩んで考えたのかが
想像できる。

今回のこのアルバムは全体的に優しい。
音ひとつひとつにこういう言葉は嫌われるかもしれないけれど
慈愛っていうのが溢れている気がした。

それが嘘っぽくないところがthe HIATUSの音楽力なんだと思う。

細美さんだけじゃなくて他のメンバーそれぞれの音自体も
同じ場所を見ているというか共有し共鳴しているから
このようなサウンドや歌が生まれたんだと思う。

なんてこんなこと長々書いていても
実際のインタビュー読んだら違ったりするんだよね(笑)

だからこそ、自分はこう感じたってことだけを
いわゆる覚え書きしてるので
読まれた方は「あっそう。」ぐらいに流して下さい。

こういう感じ方のやつもいるぐらいに。













コメント (4)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする