mukan's blog

つれづれなるままに ひぐらしPCにむかいて

ヘンな夢

2024-03-04 16:51:25 | 日記
 妙な夢を見た。走っている。その脚の片方は、パラリンピックの走者のような義足。ただ走っては何かをチェックして、装着している何かを変えている。それを何度も繰り返し、そうだね、ここがちょうどポイントだねというところで、出来上がったという心持ちになっている。へえ、何をしてるんだと、いつしかワタシはみているヒトになっている。
 場面が変わって、行こうかどうしようかと対岸をみている。向こうには建物があり、それは何やら物騒な雰囲気を讃えている。間にあるのは河ではない。間の渓は深い緑とゴツゴツした岩が突出している地域だが、渡るに渡れぬ国境地帯のようだ。その端境のところへ降りて行く岩場がある。
 おや、カミサンが渓筋を辿って何かのツアーに出かけている。滅多にないことらしく、物珍しそうに目を配りながら歩いている。いつしかワタシにはカミサンの目に映る光景が見えるようだ。ヘンなの。
 迷っていたワタシに戻る。国境の端境は渓に降り立つところまで。隣にいた誰かが「行こう。行きましょう」とワタシをうながす。降り始める。その時私の片脚が、義足であることに気づいた。滑りやすい岩場なのに、それほどの不安は感じない。ゆっくり慎重に、ときに腰を屈めて岩をつかみながらも前向きに降りてゆく。あと数メートル。
 下に降り立った。鎖が張ってあるわけではない。大きな岩の彫り物が左側にそそり立ち、右側は1メートルくらいの長さの鉄の棒が下降路に沿って広い間隔を置いて突っ立っている。かつてはかけていた鎖が取れてしまったようだ。触るとぐらりと動いて危なっかしい。なぜかワタシは、その渓には入れない。カミサンは無事に帰ってくるだろうかと思ったところで、目が覚めた。
 なんだ、これは。ひょっとすると対岸は、香港ではないかと、目が覚めてから思った。カミサンは探鳥の香港ツアーに声をかけられた。何年か前に同道したこともある私にもどうかと話はあったが、ワタシは断った。かつての香港はもうないよ、と。そうだ、一度行ったというのは、6年前。大騒ぎして街路を占拠した香港の雨傘デモがあった翌年だったか。ここがソコですよと案内の誰かが教えてくれた。二つのビルの何階かを渡している中空の回廊。街路を見下ろす中間のところから、そうだ、ここだ、この街路がヒトで埋め尽くされていたんだと感慨深く眺めたことを覚えている。その時私は、香港に住む鳥友たちに好意を抱いていた。この人たちの明るさがあれば、香港は大丈夫だ、と。
 その香港の様子がすっかり変わった。「愛国心」を強要し、政府批判を徹底的に取り締まっている。民主派というだけで逮捕拘留される香港が、どうして一国二制度なのかと、お隣の国の強権主義的統治に、どう向き合っていいのかワカラナイ。わからない内は香港にどの面下げて行けるというのかと思う。そう思うから、「行かない」と返事をした。そうだ、カナダに逃れた周庭に逮捕状が出されているという。それが出されている間は、ワタシは香港には行かない、と決めた。
 ソコまで思って始めて、そうだ、私の義足は、このワタシの決意だ。国境線のような渓の森は、私の心に習近平が引いた結界だ。ワタシの38度線だ。ぼんやりとそんなことを考えていて、目が覚めたら6時を過ぎていた。
 今日は赤城自然園へカミサンとその鳥友を送り迎えするアッシー君。PCを閉じて、出かけ、今帰ってきた。16時半。何だかわが身の裡からの声が夢になって現れて、この無意識の意味するところをちゃんと吟味しろと言っているように思えた。
 さあ、これからじっくり考えてみるか。

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