mukan's blog

つれづれなるままに ひぐらしPCにむかいて

カミサンを出し抜くにはどうするか

2014-11-06 17:06:14 | 日記

 血圧の薬をもらいにご近所のかかりつけ医に行く。この内科医は循環器系の専門医らしい。「らしい」というのは、別の消化器系の病院で健康診断をしてもらったとき、心臓の再検査をすることになってそちらの近所の医師への紹介状をもらった。それをもって行ったら、「主治医」を書き込む欄があり、それに私のかかりつけ医を書きこんでおいたら、「ああ、この先生は循環器の専門医だから、そちらの先生に診てもらってください」と言われ、紹介状と一緒に渡されたレントゲン写真をもたされたことがあった。ふだんはそんなことを知らないから、「内科医」としか思わなかった。

 

 それ以来、その医師に私の心臓の冠動脈に弱点があり、痛みが生じたときは診てもらうことにしていたのだが、先月の長兄の突然死のことが頭をよぎって「私は大丈夫か」と相談を持ち掛けた。検査をしましょうということになり、尿と血液検査のほかに、心電図を取りながら血圧を測る検査も実施した。検査時間はほんの10分くらいじゃなかったか。その結果、左右の腕と足の血圧値がわかり、それとともに、血管の硬さとか足の血管の詰まり具合というのがわかるらしい。医師はそれをみながら、血管の硬さは「(同年齢と比べて)標準範囲内」、腰から足首までの血管の詰まり具合は「正常範囲にあります」とご託宣をもらった。驚いたのはカミサン。てっきり私の方が欠陥は詰まり気味、血管の硬さも硬い方に違いないと思っていたからだ。酒を飲むは暴食するわ、間違いなく私の方が悪い値が出るものと思っていたらしい。「長生きするかもよ」と私を脅かしにかかっている。

 

 昨日は、その長兄の月命日。早いもので、ひと月が経った。お線香をあげに、カミサンと弟嫁さんに声をかけて、一緒に長兄の嫁さんを訪ねた。彼女はすでにゲラの出ている本があったのだが、それの出版を少し伸ばしてもらうほど、慌ただしく過ごしてきたという。葬儀のときの弔問客はもちろんのこと、後から知って訪れる方、花やお線香などを送ってくださる方、どうしているかと心配して何度も電話を掛けてくださる方、お手紙をくださる方と、応対に忙しなく過ごしてきた。亡くなった長兄の名義で契約していたことごとの変更や振込手続きの改定など、事務的な手続きもわんさとあるようだ。何よりも、49日が過ぎたらその報告とそれに伴うお返しなどの儀礼的なことが、これまた弔問者の数に応じて、たくさんある。

 

 長兄の嫁さんがつい最近まで現役で仕事をしていたから、まだその元気と勢いが暮らしの中に残っていて、投げ出さないで、根気よく一つ一つ片づけている。その辛抱強さと処理能力の達者さには、敬服する。何よりも、落ち着いた佇まいをしっかり保ちながら、始末にとりかかっている様子は、みごとであった。

 

 とは言え、「折々訪れる悲しさと辛さに、昼はワイン、夜は焼酎で対応しています」と聞くと、声のかけようがなく、ワインを差し入れるくらいしか能がない。まあ、49日には一緒にお相伴でもしようかと思っている次第。

 

 長生きしたいとは思わないが、残される方は大変だなあと、他人事ならず思う。元気に死ぬためにカミサンとこれから競わなければならない。出し抜くにはどうするか、衰える身体を抱えて、思案する日々が続きそうだ。