所用で休暇を取得した金曜日の昼過ぎ、小田急電鉄・千歳船橋駅から徒歩3分程度のところにある『そば・一仁』さんの暖簾を潜ってみました。
平日の昼過ぎなのでそれ程混雑はしていないだろうと思いながら扉を開けてみると、12名程度が席に着くことのできるテーブル席は年配の方々で全て埋まっています。しかし、運良く席を立ったお客さんがおり、空席になるのを待つこともなく2人掛けテーブル席に着くことができました。
ラストオーダーまでの時間が限られていることから、ホッと一息つく前に早速メニューを広げますが、周りの方々はその多くがランチ(セットとコースがあるようです)をいただいているようです。そのため、料理は昼でも大丈夫か一応確認すると、笑顔で大丈夫とのこと。
そして、料理のメニュー持ってきますね!と言いながら「本日のお品書き」というメニューを取りに行ってくれましたが、定番メニューの中に「くじらのたれ」といういただいたことの無い料理があったことから、生ビール(小)と一緒に初体験の「くじらのたれ」と空腹を満たしてくれるであろう「鴨焼き」をお願いします。
まずいただいた「くじらのたれ」は、「醤油ベースのタレにつけた鯨の赤身部分を、干してあぶった千葉県安房地方の特産品」とのことで、「あたりめ」を柔らかくしたような食感の、ビールより熱燗が似合う料理でした。
次にいただいた京都産の鴨肉を使用した「鴨焼き」は、一見、キラキラした輝きに脂っこさが感じられなくもありませんが、いただいてみると脂っこさは感じられず、クニュっとした柔かな食感と甘味すら感じられる旨味がとても美味しいです。
また、いただいた山廃純米山田錦無濾過生原酒「岩の井」は、ほんのり甘口かな?と感じる口当りでしたが、酸味と旨味のバランスが良く、添え書き通りの後味の良い日本酒でした。
美味しい蕎麦前をいただきながらくつろいでいると、ラストオーダーの時間となり、花番さんがお客さんにラストオーダーの注文を聞きはじめたことから、蕎麦のメニューを眺め、「野菜天せいろ」をお願いします。
いただいた「野菜天せいろ」ですが、まず、食べ応えのありそうな蕎麦の量に驚きです。
そして一口いただいてみると、食感で細さが感じられるほどの細麺でしたが、穀物感の感じられるとても美味しい蕎麦でした。また、蕎麦汁は雑味の感じられないクリアな味わいでしたが、それでいてしっかりした旨味が感じられ、蕎麦同様なかなか美味しいです。
なお、カラッと揚がった天婦羅は素材の良さが生かされた見事な出来栄えで、時間が無かったこともあり、千葉県の地酒「岩の井」をあれこれいただきながらじっくり味わえなかったことがとても残念に感じられた、満足感の高い天婦羅でした。
今日、蕎麦前と蕎麦をいただいた『そば・一仁』さんは、ササっと蕎麦のみをいただいてお店を出て行くにはもったいない、平日の昼下がりに、清潔感の感じられる心地良い雰囲気の中で腰を据えて美味しい蕎麦前と蕎麦をじっくり楽しみたいお蕎麦屋さんでした。
ごちそうさまでした。