京浜急行電鉄空港線・糀谷駅から徒歩6~7分程度の所にある『蕎肆・浅野屋』(きょうし・あさのや)さん。
ぜひ一度訪れたいと思っていたにも関わらず、なかなか訪れる機会を作ることができなかったお蕎麦屋さんですが、一人で夕食を取ることになった土曜日の夜、たまたま近くまで行く所用が生まれたことから立ち寄ってみることにしました。
お店に到着したのが18時過ぎだったことから、席が空いているだろうか?と少々心配でしたが、洋楽が静かに流れる店内は閑散としており、誰もいないカウンター席に着いて早速メニューを開きます。
開いたメニューをパラパラめくってみると、一品料理が「蕎麦屋の肴」と「馳走」に分かれているなど、料理にしても蕎麦にしても充実した品揃えです。
そして、そんなメニューを眺めながらあれこれどうしようか悩んだ結果、瓶ビールと一緒にまず「葉わさび漬け(山口)」と「だし巻き」をいただくことにします。
最初にいただいた「葉わさび漬け(山口)」は、切れの良いシャープな辛さとシャキシャキっとした歯応えに新鮮さが感じられ、なかなか美味しいです。
続いていただいた「だし巻き」は、甘過ぎない甘さ加減が程良く、フンワリふっくらした美味い玉子焼でした。
そんな美味しい料理をいただきながら改めて店内を眺めてみると、「もう少し明るくても良いかな?」と思ってしまう暗めのライティングですが、その暗さがお酒を美味しくいただくことの出来る落ち着いた雰囲気を作っていて、何だかとっても居心地が良いです。
ということで、混雑具合もそれ程ではないのでもう少しのんびりさせていただこうと思い、「燻り豆腐(岐阜)」と和歌山県の地酒「純米吟醸・雑賀」(さいか)を追加でお願いします。
追加でいただいた「燻り豆腐(岐阜)」は、硬めのネットリした食感(?)かつ薄味ですが、辛口でありながら旨味の感じられる「純米吟醸・雑賀」との相性も良く、まずまずの馳走でした。
いつもなら蕎麦をいただくタイミングですが、心をくすぐる料理も多く、更にはいただいている和歌山県の地酒「純米吟醸・雑賀」がなかなか美味しいことから、「なすの土佐煮」を肴に「純米吟醸・雑賀」をもう一杯(一合?)いただくことにします。
いただいた「なすの土佐煮」は、主役の茄子が柔らか過ぎること無くしっかりした食感で、柚子の香りが心地良い上品で美味しい土佐煮でした。
さて、居心地が良いのでもう少し飲みたい気分ではありますが、そろそろ蕎麦をいただくことにします。
いただいたのは「せいろ」で、しっかり冷やされているのか、冷たく食べ易い蕎麦でした。また、蕎麦汁はキリリと辛い濃い口で、ほんのり甘い蕎麦湯を注いでも味が崩れることは無く、今日の蕎麦前と蕎麦を美味しく締めくくってくれました。
今日、蕎麦前と蕎麦をいただいた『蕎肆・浅野屋』さんは、お洒落で特徴ある外観から受けるイメージとは異なる温かみの感じられる雰囲気と接客がとても好印象な、一人で訪れるお客さんも、家族で訪れるお客さんも心地良い一時を過ごすことのできるアットホームなお蕎麦屋さんでした。
そして、料理もお酒も蕎麦も美味しく、メニューに書かれている「微醺なる瞬間」(びくんなるとき)という言葉が似合う、「もっと早く訪れれば良かった。」と思わせてくれた居心地の良いお蕎麦屋さんでした。
ちなみに、「微醺」という言葉をインターネットで調べてみると、「ほんのりと酒に酔うこと。ほろよい。微酔。」とのことでした。
ごちそうさまでした。