蕎麦前で憩う

お蕎麦屋さんで蕎麦前をいただきながら憩いの一時を過ごさせていただきました。

『日本ばし・やぶ久』さんの看板メニュー「カレー南ばん」

2014-09-06 14:10:00 | 東京23区(中央区)

東京・青山で行われる社会人ラグビーの試合を観戦する前に、日本橋にある創業明治35年(1902年)の『日本ばし・やぶ久』さんへ立ち寄って遅い昼食を取ることにしました。

お店に到着したのは午後14時過ぎで、「空いているといいな。」と思いながら扉を開けてみると、2人掛けテーブル席が3つと4人掛けテーブル席が2つという、けして広くは無いフロアに先客は男性1名のみで、昼下がりの閑散とした風景が広がります。

そして、小奇麗で清潔感漂うテーブル席に着いてメニューを広げると、蕎麦はもちろんのこと、一品料理や丼物など豊富な品揃えで、蕎麦を楽しみたいお客さん、ガッツリ満腹になりたいお客さん、蕎麦前を楽しんでから軽く蕎麦で締めたいお客さんなど、どんなお客さんにも対応できるメニューになっています。

今回は、そんな充実したメニューの中から、あれば外せない「玉子焼き」と、あれこれ迷った結果、「揚げなすのそば味噌田楽」をいただくことにします。


まずいただいた「揚げなすのそば味噌田楽」は、「初めから冷酒でも良かったかな?。」と思ってしまうほど日本酒との相性が良さそうな一品で、お通しでいただいたトロトロに柔らかくピリ辛味の「蕎麦味噌」とダブってしまいましたが、「(ダブって)失敗した!。」と思うことの無い美味しい蕎麦味噌料理でした。


続いていただいた「玉子焼き」は、明確な甘さの感じられる玉子焼でした。

なお、1階はフロアの中央にレジがあってご主人らしき花番さんが座っていますが、店内は少々狭く空いているということもあって、見られている訳では無いと思いますがついつい気になってしまいます。


さて、時間もあるし、お店も空いているので、料理と冷えた日本酒を追加してもう少しのんびりしたいところではありますが、今日は蕎麦前ではなく蕎麦が目的(本来それが正しい?)であることから、料理もお酒も追加せず、「寒」(冷たい蕎麦)の中から「もり」をお願いします。


運ばれて来た「もり」の蕎麦汁をまずなめてみると、キリッと引き締まった辛口ではありますが、穏やかな出汁の旨みが感じられ美味しいです。また、細めの蕎麦は水分が多い印象ですが、蕎麦を食べているということが感じられるしっかりした蕎麦でした。


「もり」を食べ終えたところで『日本ばし・やぶ久』さんの看板メニュー「カレー南ばん」をお願いします。
「カレー南ばん」は普通の辛さと辛口とがあり、そして鶏肉か豚肉かを選べる形になっていて、鶏肉だと長葱、豚肉だと玉葱が使われています。

で、その「カレー南ばん」を「普通の辛さ」&「鶏肉」でいただいてみると、蕎麦は柔らかいという印象ですが、ご飯に掛けることも出来そうなほどトロミのあるカレー汁がとても美味しいです。


辛さについては「普通の辛さ」を選択したもののそこそこ辛く、アツアツの熱さと併せて汗がダラダラと流れ落ちてきますが、食べ始めると止めることの出来ない美味しさで、汗を拭いながら、そしてカレー汁が服に飛び散らないよう注意しながら、カレー汁を残すこともなく綺麗に完食です。


「カレー南ばん」を食べ終えてから、「もり」の蕎麦汁で蕎麦湯をいただきましたが、口の中がカレー味で染まっているため蕎麦湯の味を正しく味わうことが出来きなかったように思います。しかし、それでもしっかりした風味の感じられる美味しい蕎麦湯で、「カレー南ばん」の前にいただけば良かったかな?と少々後悔です。

今日、蕎麦前と蕎麦をいただいた『日本ばし・やぶ久』さんは、「カレー南ばん」が評判のお蕎麦屋さんということで「カレー南ばん」をいただくお客さんが多いかもしれませんが、他の蕎麦も十分に美味しく、もし、最後にあと一品何か食べるとするならば、一品料理ではなく「花巻」を選ぶかな?と思ってしまうほど、蕎麦に対して良い印象を抱いたお蕎麦屋さんでした。

そして、清潔感漂うお店の雰囲気も、ご主人らしき花番さんの自然な接客も好印象で、心地良い空間の中で伝統の味を楽しむことができ、満足度の高い一時を過ごすことができました。

ごちそうさまでした。