正月休みも残り2日となった土曜日、社会人ラグビー「トップリーグ」の試合を観戦するために東京・青山にある秩父宮ラグビー場へ出掛けました。
試合は12時キックオフなので、試合終了後にどこかのお蕎麦屋さんで2014年の「蕎麦前初め」を行なおうと思い、「1月4日に通し営業している」を条件にお店を検討し、ビジネス街なので正月休み中はお客さんが少ないだろうと思われる『蕎麦処・神田尾張屋本店』さんへ行ってみることにしました。
試合終了後、地下鉄で神田へ向い、階段を登って地上に出てみると・・・。
目の前に、人通りの少ない、神田とは思えない閑散とした風景が広がります。
そして14時過ぎ、東京メトロ・神田駅の真上にある、大正9年創業の「木鉢会」にも所属している『蕎麦処・神田尾張屋本店』さんに到着します。
暖簾を潜ってお店に入り、女将さんに1人であることを伝えると「上へどうぞ。」と案内されます。
こちらの『蕎麦処・神田尾張屋本店』さんは5階建ての立派なビルで、1階と2階がお店になっていますが、1階は更に小さな階段で半地下と半2階とに分かれている変則的な構造になっていて、「上へどうぞ。」というのは「半2階部分へどうぞ。」ということなので、数段の小さな階段を上がって4人席が4卓ほどあるこじんまりとした半2階フロアのテーブル席に着きます。
メニューは、一品料理&蕎麦のメニューとアルコールのメニューが別になっていて、お酒の品数は限られていますが、蕎麦と一品料理については充実した品揃えです。
今日は、温かい蕎麦を食べたい気分だったことから蕎麦前を軽くして、冷たい蕎麦と温かい蕎麦の両方をいただこうかと思いましたが、温かい蕎麦に「花巻」が無かったので、結局、「板わさ」と「厚焼玉子」と「かつ煮」を肴に瓶ビール(大瓶)をいただき、締めに「もりそば」をいただくことにしました。
まず運ばれて来た「板わさ」ですが、焼き蒲鉾でしょうか?。
食感が普通の蒲鉾とは少々異なるように思いますが、ビールとの相性が良い一品です。
続いて「厚焼玉子」。
優しい甘さの感じられる玉子焼ではありますが、甘過ぎることのない程好い甘さの美味しい玉子焼です。
お蕎麦屋さんでいただく玉子焼には多くの場合大根おろしが添えられていますが、『蕎麦処・神田尾張屋本店』さんの玉子焼は醤油を垂らした大根おろしと一緒にいただくと、更に美味しさが増すように思います。
最後に運ばれて来た「かつ煮」。
「カラッとしている」というより「カリカリっとした歯応え」という印象のカツで、思いのほか肉厚です。しかし、油っこくも無く、タレが甘過ぎることも無い、サッパリいただくことのできる「かつ煮」です。
さて、締めの「もりそば」ですが、まず蕎麦汁を舐めてみると、甘いのか辛いのかを明確に判別することの出来ない、「しっかり熟成された濃い口」という印象の美味しい蕎麦汁で、蕎麦をしっかり蕎麦汁に通していただいてみると辛いので、やはり辛口なのかもしれません。
なお、いただいた「もりそば」は500円という記憶に無い低価格で、控えめな量かもしれませんが、蕎麦前をいただいた後の蕎麦としては十分な量と思います。
今日は正月休み中ということで、いつもはビジネスマンの多い神田の町中も閑散としており、また、時間も14時過ぎの中途半端な時間であったことからお店も空いていて、花番を務める女の子も女将さんも手持ち無沙汰のようで、のんびりゆったりした緩い雰囲気が店内に漂っています。
また、半2階という工夫された席で蕎麦前と蕎麦をいただきましたが、狭さを感じることも無く、しっとり落ち着いた清潔感の漂う店内で、休日の昼からお酒をいただくには何とも心地良いお蕎麦屋さんでした。
そうそう、会計の際、「お年賀です。」と言われて「神田尾張屋」の屋号が入った大入袋をいただきました。
中にはお茶漬け海苔が2つ入っていましたが、東京の老舗蕎麦屋ということが感じられる、2014年の蕎麦前初めに相応しい出来事でした。
ごちそうさまでした。