蕎麦前で憩う

お蕎麦屋さんで蕎麦前をいただきながら憩いの一時を過ごさせていただきました。

『よし田@銀座』さんのコロッケ料理「コロッケ抜き」

2014-08-09 13:55:00 | 東京23区(中央区)

東京都内で開催されていたイベントを覘いたその帰り道、久しぶりに銀座のお蕎麦屋さんへ行ってみようと思い、地下鉄に乗って銀座へと向かいます。

訪れたのは、木鉢会に所属している銀座7丁目の『そば所・よし田』さんで、創業が明治18年(1885年)ということから、かれこれ130年近く蕎麦を打っている老舗のお蕎麦屋さんです。

老舗の佇まいが感じられるお店に到着して早速暖簾を潜ると、昼時を過ぎた14時ということもあってか店内はさほど混雑しておらず、花番さんの案内に従って店内端の席に着いてとりあえず瓶ビールをお願すると、箸とお通しと一緒に葱のみの薬味皿が置かれます。

この、葱だけの薬味皿ですが、最初に蕎麦の薬味を出してしまうのかと思いましたがそうでは無く、結局それが何であるかは最後まで分かりませんでしたが、お通しの一つなのかもしれません。

そんなことをあれこれ考えながら、テーブルの上に置かれているお蕎麦屋さんらしいメニューをじっくり眺めますが、そう、このメニュー価格が書いてないんです。

そのメニューを見て、「驚くような価格だったりして・・・。」なんて思いもよぎりましたが、町のお蕎麦屋さんらしい親しみやすい風情を色濃く残しているお店なので、銀座とはいえ、おそらく驚く価格ではないだろうと予想し、深く考えることも無く「にしん棒煮」と「やきとり」をお願いします。


ここ『そば所・よし田』さんの名物は、創業当時から親しまれている「コロッケそば」ですが、コロッケといってもジャガイモで作ったコロッケでは無く、鶏肉、卵、山芋を混ぜて揚げたつくねのようなもので、これをかけ蕎麦の上に乗せている蕎麦です。

その、名物「コロッケ」ですが、料理として提供されていないかメニューを確認しましたが、コロッケの料理はありませんでした。しかし、料理の注文を取りに来ていた花番さんにコロッケは蕎麦だけか確認してみたところ、単品もできますとのこと。「それって、抜きに出来るってことですか?。」と聞いてみると、当たり前のように即答で「できますよ。」との回答。ということで、一緒に「コロッケ抜き」をお願いします。

料理の注文を終えたところで冷えたビールをいただきながら改めて店内を見渡してみると、銀座という言葉から描く高級なイメージとは異なる庶民的な雰囲気が感じられます。そして、混雑しているというほど席は埋まっていないものの、1組帰っては1組来店するといった状況で、5名体制で接客に当たっている親しみやすい花番さんのテキパキとした動きと併せて活気と賑わいが感じられます。


そんな、肩肘張らない親しみやすさと活気のある雰囲気を感じていると、「にしん棒煮」が運ばれてきたので早速いただいてみると、柔らかくて美味しいです。


続いて、蓋の付いた小さな器(丼?)で「コロッケ抜き」が登場したので、蓋を開けてまず汁をすすってみると、やや濃い目ではありますが出汁が効いていてとても美味しいです。また、主役のコロッケはつくねに近い食感で、冬の寒い日に心身ともに温まれる一品ではないかと思います。


次に運ばれてきた「やきとり」は、甘いタレの掛かっていないサッパリした焼鳥でしたが、肉の柔らかさと、所々にあるコゲのカリッとした食感がとても美味しい焼鳥でした。


なお、「やきとり」を食べ始めたところで冷えたお酒をいただこうと思いメニューを確認しますが、メニューにお酒は書かれていません。そのため、おばちゃんの花番さんに冷酒があるか確認してみると、「300ml瓶の菊正宗だけど良いか?。」と確認されましたが、何ら問題は無いのでお願いしますが・・・。

帰宅後、口コミサイトを確認するとお酒のメニュー(写真)がアップされており、その写真を見ると・・・。
「今日はエビス2本だったかな?。」と思わず思ってしまう冷酒でしたが、でもまぁ、久しぶりに飲む生貯蔵酒の「菊正宗」で、冷え具合も良く、美味しくいただくことが出来たので良かったです。

また、最初に料理をお願いした時、玉子焼があることに気付きませんでしたが、メニューに手書きで追記されていることに気付いたため、冷酒と一緒に名物「玉子やき」をお願いします。

良く冷えた冷酒を飲みながらいただいた名物「玉子やき」は、甘さも出汁の味わいもあまり感じられませんでしたが、大根おろしを乗せていただけば十分な酒の肴となり、これはこれで良いように思います。


さて、今日はいつもより多く料理をいただいていることから既に腹具合は満腹に近い状態ではありますが、蕎麦はいただきたいので、最後に「もり」をお願いします。


それにしても600円は安いように思いますが、おもいっきり少ないのかな?。
なんて思いながら蕎麦を待っていると目の前に「もり」が置かれますが、少ないという印象は無く、良心的な価格設定ということのようです。そして、いつものように箸で蕎麦をつまんで持ち上げますが・・・。

んっ?。つまんだ量が多かったのか持ち上げ切れなかったので、持ち上げた蕎麦を一旦降ろし、つまむ量を少なくして再度持ち上げますが、やはり蕎麦の端が出てきません。

そのため、長いのかな?と思いながら蒸篭の上で蕎麦を寄せて、寄せた固まりを箸でつまんでいただきましたが、少々食べ難い長さかな?という印象の蕎麦でした。


今日、蕎麦前と蕎麦をいただいた『そば所・よし田』さんは、130年近く蕎麦を打っている老舗のお蕎麦屋さんではありますが、難しいことを考えず、肩肘張らずにフラッと気軽に立ち寄ることの出来る、「町のお蕎麦屋」という印象のお蕎麦屋さんでした。

そして、遠くからでも小さく手を上げれば「はい、はい。」みたいな感じでササッときてくれる花番さん達も気さくな人柄の方ばかりで、お蕎麦のお客さんにも、お酒のお客さんにも、どちらのお客さんにも手馴れた接客でそつ無く対応しており、「好みによって評価が大きく分かれるお蕎麦屋さん」かもしれませんが、個人的にはとても落ち着く、仕事帰りにちょくちょく立ち寄りたいお蕎麦屋さんでした。

なお、価格表示の無い一品料理ですが、いつもより1品多く、冷酒が少々高いという2点を踏まえるならば支払いは驚くほどの高額では無く、確認はしていませんが、蕎麦屋を飲み歩いている者の感覚からすればごくごく普通の価格だったのではないかと思います。

ごちそうさまでした。



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