蕎麦前で憩う

お蕎麦屋さんで蕎麦前をいただきながら憩いの一時を過ごさせていただきました。

『馥や@日本橋・小伝馬町』さんの「はもの焼板わさ」

2016-06-24 13:15:00 | 東京23区(中央区)

日本橋・小伝馬町の、車通りの多い賑やかな江戸通りから一本内側に入った、とても静かな所にそっと佇んでいる『石臼挽き手打そば・馥や』(ふくや)さん。

こちらのお蕎麦屋さんは、以前一度訪れたことがりますが、その時は蕎麦が切れてしまい蕎麦をいただくことができませんでした。そのような経験があることから、「駄目だったらどうしようかな?。」なんて駄目だった場合のことを頭の片隅で考えながら引き戸を開けてみると・・・。

入口近くから見える店内奥の4人掛けテーブル席には年配の女性が2人で楽しそうに会話を交わしながら蕎麦をいただいていて、さらに奥から別の話し声が聞こえてくるので、やはり今回も混雑しているようです。しかし、平日13時過ぎということでビジネスマンの昼食時が終っていたこともあってか、待つことも無く2人掛けテーブル席に着くことができました。

席に着きながら1階フロア(2階にも席があるようです)をグルリと眺めてみると、けして広いフロアではありませんが、4人掛けテーブル席2卓と2人掛けテーブル席1卓がゆったりと配置されていて、平日の昼下がりをマッタリと過ごせそうな静かで落ち着いた空間が広がっています。

そして、2人掛けテーブル席に着くと、まず水にするかお茶にするか聞かれましたが、「ビールいただいても良いですか?」と尋ねると、笑顔でどうぞどうぞ!との嬉しい反応です。また、上着を脱いでいると若い花番さんがフロアに用意されているハンガー掛けに上着を掛けてくれるなど、席に着いただけですが、何だかとっても心地良い満足感が感じられます。


薄っすらかいた汗を拭い、ホッと一息ついたところで「酒肴」のメニューを眺めると、美味しそうな料理が並んでいて、昼は無いこともあるがどれも大丈夫とのことなので、サッパリしていそうな「蕗の梅肉土佐和え」と、ビールとの相性が良さそうな「はもの焼板わさ」をお願いします


まずいただいた「蕗の梅肉土佐和え」は、スッパ過ぎることも無く、蕗の歯応えと梅の旨味がしっかり感じられる美味しい一品でした。


続いていただいた「はもの焼板わさ」は、添えられている山葵が青々しく爽やかで、酒の肴になる美味しい山葵でした。また、蒲鉾には力強い弾力と旨味が感じられ、とても美味しい蒲鉾でした。


ビールが残り少なくなったところで日本酒をいただこうと思いますが・・・。
1階フロアは既に貸切状態になっていて、時間は大丈夫なはずですが何となく気まずい雰囲気なので、隣のテーブル席で片付けをしていた花番さんに時間は大丈夫か確認すると、「全然大丈夫です。ランチが終わったところですので。(だから静かなんです。)」とのこと。

ということで、個性豊かな美味しそうな日本酒が並ぶメニューの中から、好きな「生原酒」という文字が付いた長野県の地酒「中取り無ろ過生原酒・豊賀」をいただくことにします。


いただいた「中取り無ろ過生原酒・豊賀」は、やや甘口にも感じられるまろやかな味わいですが、口の中がベタつくことも無く、スッキリしたほのかな甘さがなかなか美味しい日本酒でした。

ちなみに、お酒はドッシリした重い片口で提供されますが、持ち上げた時に感じられる重厚感も良く、詳しくは分かりませんが、温くならない素材で出来ている魔法の片口なら我が家にも欲しいところです。


さて、充実した蕎麦前に気分も良く、お酒をもう一杯いただこうかな?という思いが頭をよぎりましたが、蕎麦前の追加は行わず蕎麦をいただくことにします。

メニューを見ると、蕎麦は太打ち粗引きの外一と外二の2種類があり、その隣に手打ちうどんが並んでいて、さらに外一、外二、うどんの中から2種類を選択することのできる「二色蕎麦」があります。

う~ん・・・。
迷うメニューではありませんが、「手打ちうどん」の「手打ち」がとても気になってしまい、まだまだ腹には余裕があったことから外二&うどんの組み合わせによる「二色蕎麦」と外一を単品でいただこうかな?とあれこれ迷ってしまいましたが、結局、オーソドックスに外一太打ち粗挽き蕎麦&外二蕎麦の組み合わせによる「二色蕎麦」をいただくことにしました。


いただいた「二色蕎麦」は、外一も外二もどちらも引き締まった腰のある美味しい蕎麦でした。
また、蕎麦汁は、次元の違う質の高い蕎麦汁と思っている、「布恒更科」さんの蕎麦汁と同じく旨味と深い味わいのある蕎麦汁で、旨い旨いとチビチビ味わっていたら蕎麦湯でいただく分が無くなってしまいました。

まぁ、そのままをじっくり味わいたい蕎麦汁なので、蕎麦湯でいただくことが出来なくても残念ではありませんが、やはり、猪口に少なめ1杯しかいただけないのは、正直、少々残念かなって思ってしまいます。


今日、蕎麦前と蕎麦をいただいた『石臼挽き手打そば・馥や』さんは、昼食を求めて集まるビジネスマンで賑わうお蕎麦屋さんというイメージでしたが、昼時を外せば、先客も後客もみな年配の女性だったという点からも感じられるように、女性が一人で気兼ね無く美味しい蕎麦をいただくことの出来る、清潔感と安心感の感じられる上品で落ち着いたお蕎麦屋さんでした。

そして、若い花番さんの「ゆっくり飲んで行ってくださいね!。」的な親しみ易い自然な接客がとても好印象で、いつまで一人静かに飲んでいたいと思ってしまう、とても居心地の良いお蕎麦屋さんでした。

ごちそうさまでした。



最新の画像もっと見る