東京都心での仕事を終え、時計を見ると間も無く18時。
週末金曜日ということもあり、出遅れてしまったかな?という時間ではありましたが、銀座界隈のお蕎麦屋さんで蕎麦前と蕎麦をいただいてから帰宅しようと思い、東京メトロ・有楽町線新富町駅から徒歩数分のところにある『蕎麦和食・はたり』さんに立ち寄ってみることにしました。
お店は地下にあり、外から見えるのは地下へおりていく入口のみという、その、ビルの谷間にひっそりと浮かび上がる、まるで隠れ家へと向かうような入口の何とも言えない静まり返った佇まいに緊張感が高まります。
そして、暖簾を潜り階段を下りて店内に入り、案内された小さなカウンター席に着いて早速メニューを開いてみると、定番料理が並んだ「一品料理」と「おすすめ」に加えて手書きの「本日のおすすめ」まであり、充実した品揃えです。
その充実した品揃えに、ビールはパスして初めから日本酒をいただこうかな?と感じたので、秋の限定酒、青森県の地酒「特別純米ひやおろし・陸奥 八仙」をまずお願いし、その後、改めて何をいただこうかあれこれ悩んだ結果、「蛸とワカメの酢の物」と「香梅水晶」と「出し巻玉子焼」をお願いすることにします。
ちなみに、玉子焼には「出し巻玉子焼」と「江戸前玉子焼」とがあり、それぞれ普通サイズと小サイズが用意されていて、好みに応じて味わいの異なる玉子焼をいただくことができるようです。
おずずめメニューから選んだ、京都・千鳥酢を使用した「蛸とワカメの酢の物」は、酸っぱさを感じることも無く、旨味すら感じられる穏やかな味わいで美味しいです。
続いて本日のおすすめメニューからいただいた「香梅水晶」は、コリコリとした硬めの歯応えですが、サッパリ感が感じられまずまずです。
また、チェイサーと共に運ばれてきた「特別純米ひやおろし・陸奥 八仙」は、華やかでありながら落ち着いた深みのある旨味が美味しく、満足感が感じられます。
「黄身の甘さが美味しい魔法の卵」と言われている磨宝卵(まほうらん)を使用した「出し巻玉子焼(小)」は、甘さの抑えられたアッサリした味わいではありましたが、出汁の旨味がしっかり感じられ、美味しい、美味しいと一気にいただいてしまいました。
美味しい料理をあれこれいただきましたが、もう少し料理とお酒をいただこうと思い、愛媛県の地酒「無濾過純米・槽搾り 石鎚」と一緒に「鴨焼き(バルバリー種)」をお願いします。
いただいた「鴨焼き(バルバリー種)」は、思ったよりも硬めの食感ではありましたが、「肉を食べている」ということが感じられる、美味しく肉々しい「鴨焼き」でした。
19時を過ぎ、店内は仕事を終えた老若男女で賑やかとなり、また空腹も満たされたことから〆の「もりそば」をいただきましたが、やや辛口の蕎麦汁がなかなか美味しく、喉越しの良い蕎麦にタップリ付けて美味しくいただきました。
今日、蕎麦前と蕎麦をいただいた『蕎麦和食・はたり』さんは、ビジネス街の地下にある、仕事を終えたビジネスマンが三々五々集まり思い思いの一時を過ごすことのできる、ゆったりした大人の空間という印象のお蕎麦屋さんでした。
そして、静かに憩いの一時を過ごしながら仕事の疲れを洗い流すことのできるお蕎麦屋さんというよりは、明るく楽しい雰囲気の中、明日に向けて元気になれるお蕎麦屋さんでした。
ごちそうさまでした。