蕎麦前で憩う

お蕎麦屋さんで蕎麦前をいただきながら憩いの一時を過ごさせていただきました。

『神田松竹庵ます川@神田』さんの「天麩羅コース」

2017-09-29 18:20:00 | 東京23区(千代田区)

出張先の仙台から東京へ戻ってきたその足で、JR中央線・神田駅から徒歩10分程度のところにある『手打ち蕎麦・神田松竹庵ます川』さんへと向かってみました。

お店に到着し、扉のガラス越しに店内の様子を覗いてみるとお客さんの姿は無く、いかにも「仕込み中」といった様子ではありますが、間も無く18時半という時間でもあるため準備中ということも無いだろうと思い扉を開けて一人であることを告げると・・・。

コースのみですが良いですか?と問われ、了解するとどこでも好きな席にどうぞ!とのこと。
しかし、さすがに厨房正面の中央席は落ち着かないので、入口近くのカウンター左端に近い席に着き、考えることも無く「天麩羅コース」と生ビールをお願いします。


生ビールをいただきながら料理を待っていると、ガラスの皿に料理が盛りつけられた先付「季節八寸」が差し出され、早速中央にある「江戸前コハダ」をいただいてみると、酸味も程良くもう少し食べたいかな?と感じる美味しいコハダです。


先付の「季節八寸」をじっくり味わっていると、料理の進み具合に合わせて次の料理を準備しているようで、先付を食べ終え丁度良いタイミングで前菜の「お造り」が目の前に置かれます。

「お造り」は、山口の甘鯛、江戸前のカマス、長崎のノドグロとのことでしたが、いずれの魚も新鮮さの感じられる「お造り」でした。


「お造り」を食べ始めたところで生ビールが空になったので、宮城県の地酒「純米吟醸・日高見」をお願いしましたが、今更語るまでも無く、旨味とサッパリ感のバランスが良く、とても美味しいです。


「お造り」の次はメイン料理となる「天麩羅」ですが、目の前で揚げた揚げたての天婦羅を一品づつ目の前に置いてくれます。

最初の天婦羅は「活車海老」で、まず紙の上に軽い食感の頭が置かれ、続いて同じく頭が天汁の中に置かれ、そして最後に車海老の身の部分が差し出されます。


次にいただいたのは、初体験の沖縄のピーマン。


続いて天草の鱧。


そして茗荷とズッキーニ。


更に、熊本の赤茄子と続きましたが、この赤茄子、フワフワトロトロの食感かつジューシーな味わいで、「なんだこれ?」と思ってしまう程じつに美味しい赤茄子でした。


美味しい赤茄子で旬野菜の天婦羅が締めくくられ、初物の北海道昆布森のカキが差し出されます。

これがまた・・・。う~ん、美味しいです!。

こんなにたくさんの、そのうえ初めて口にする食材もあり、なかなかの満足感です。


そんな満足感の高い天婦羅に気分も良く、最後に差し出されたサクサクした車海老のかき揚げを肴に「純米吟醸・日高見」をもう一合いただき、メイン料理の「天麩羅」が終了となりました。


「天麩羅」のあとは御食事の「石臼挽き十割せいろ」ですが、田舎か江戸前かの選択となっており、江戸前をいただくことにします。

いただいた江戸前の蕎麦は、摩周の新蕎麦で打った喉越しの良い細麺で、キリリとした口当たりでありながら穏やかな味わいの蕎麦汁と一緒に美味しくいただきました。


そして、最後に季節のデザート「酒粕のコンフォートといちじく」(だったかな?)をいただき、今日の蕎麦前と蕎麦を締めくくりました。


今日、蕎麦前と蕎麦をいただいた『手打ち蕎麦・神田松竹庵ます川』さんは、入店した時、「かしこまったお店なのかな?」と感じてしまいましたが、いざ席に着いてみると堅苦しさを感じることも無く、時間が過ぎるのを忘れさせてくれるとても居心地の良いお蕎麦屋さんでした。

また、にこやかな笑顔を振りまきながらも真剣な眼差しで天婦羅を揚げているご主人(?)の姿はプロの職人さんそのもので、天婦羅を乗せる紙が汚れたら何気なくスッと変えてくれたり、お客さんの料理の進み具合に合わせて次の料理を出してくれたりするその接客に、職人さんの料理と名店の接客を堪能させていただいたと言ったところでしょうか?。

なお、伺ったところによると天婦羅は昼でも1品ずつ揚げてくれるとのことなので、今度はぜひ、平日の昼下がりに夫婦で訪れ、揚げたての天婦羅をいただきながらのんびりと過ごしてみたいです。

ごちそうさまでした。