出張で東北へ出掛けたその帰り道、お蕎麦屋さんでビールでも飲んでから帰宅しようと思い、JR中央線・神田駅から徒歩4~5分のところにある、創業明治5年の老舗蕎麦屋『生蕎麦・浅野屋本店』さんへ立ち寄ってみることにしました。
お店に到着したのは19時前で、6卓ほどある4人掛けテーブル席にも空席はありましたが、一人ということもあり、入口近くの明るい5人掛けカウンター席に着くことにします。
席に着いて早速メニューを開いてみると、日本酒は「お酒」と「冷酒」のみで、ビールに大瓶が用意されているなど、どこにでも普通にある町のお蕎麦屋さんという感じです。
また、料理のページを開いてみると、派手さや華やかさは感じられませんが、「板わさ」「焼き海苔」「玉子焼」「やきとり」に始まり、「抜き」や「小田巻き」といったお蕎麦屋さんらしい料理が並んでいます。
そして、そんなメニューの中から、冷酒と一緒に「おしたし」と「鴨焼き」をお願いします。
いただいた冷酒は、東京都東村山市の地酒「純米酒・金婚」で、旨味がもう少しほしいかな?というおとなしい味わいではありますが、まぁ、全く問題ありません。
追って目の前に置かれた「おしたし」は、よく冷えたヒンヤリ感にサッパリした美味しさが感じられ、特別な物は何も無いごくごく普通のお浸しかもしれませんが、その普通さが何だかとっても嬉しいです。
次にいただいた「鴨焼き」は、葱の甘味と香ばしさの感じられる、焦げ目の苦味も美味しい「鴨焼き」でした。
心休まる優しく美味しい料理に気分もすっかり良くなり、何だか急に老舗の玉子焼が食べくなったことから、「玉子焼き」と冷酒のおかわりを追加でお願いします
いただいた「玉子焼き」は、酒の肴には甘いかな?という味わいではありましたが、甘い玉子焼を好む者にとっては嬉しい甘さで、美味しくいただきました。
さて、そろそろ引き上げようと思い、締めの「せいろ」をお願いします。
いただいた「せいろ」は、腰のある細麺で喉越しが良く、引き締まった旨味の感じられる蕎麦汁にしっかり付けて美味しくいただきました。
なお、通常、二八蕎麦は「蕎麦8:つなぎ2」の割合で打たれますが、こちらのお店では「外二八」という「蕎麦10:つなぎ2」の割合で打っているとのことです。
今日、蕎麦前と蕎麦をいただいた『生蕎麦・浅野屋本店』さんは、老舗蕎麦屋の若旦那達が集まる「木鉢会」に所属している創業明治5年の老舗のお蕎麦屋さんですが、老舗であることを感じさせない親しみ易さと、憩いの一時を過ごすことのできる安心感と、更には、花番さんの落ち着いた接客がとても好印象な、改めて「老舗のお蕎麦屋さんってやっぱり良いな」と感じた、町のお蕎麦屋さんでした。
ごちそうさまでした。