蕎麦前で憩う

お蕎麦屋さんで蕎麦前をいただきながら憩いの一時を過ごさせていただきました。

『吉田@日本橋』さんのかぶりつきたい「にしん煮」

2014-02-16 23:14:57 | 東京23区(中央区)

東京には、創業が江戸時代に遡る老舗のお蕎麦屋さんや地元の方々に愛されている町のお蕎麦屋さんなど様々なお蕎麦屋さんが数多くあり、それら全てを合わせると星の数ほどあると言われています。
そのため、いつでもどこでもお蕎麦をいただくことが出来そうですが、都心になればなるほど日曜日休業のお店が多く、「日曜日営業&11時開店」と時間まで指定するとその数も限られてしまいます。

そして今回、東京・青山で行なわれるラグビーの試合(日本選手権)を観戦する前に蕎麦前と蕎麦をいただこうと思い、その条件に更に条件を加えた「日曜日営業&11時開店&東京メトロ銀座線沿い」という条件でお蕎麦屋さんを検討した結果、何軒かのお蕎麦屋さんが候補に上がり、その中から日本橋三越本店の真ん前にある『日本ばし・吉田』さんを訪れてみることにしました。

お店に到着したのは開店したばかりの11時数分過ぎということもあって、先客は年配のご夫婦1組のみと空いていましたが、これから混雑するかもしれないと遠慮して2人掛けのテーブル席に着きます。そして、花番さんに一品料理は昼でも大丈夫か確認してから瓶ビールと一緒に「にしん煮」と「玉子焼」をお願いします。

ビールを飲みながらメニューを眺めているとまず「にしん煮」が運ばれてきます。
鰊は、お店によっては大きな一切れだったり、包丁で一口サイズに切ってあったりしますが、こちらの鰊は半身に近い大きさの鰊がお皿にドン!と乗っています。その姿を見て、「そのままかじってしまおうか?。」と思いましたが、温かく柔らかい鰊だったので、箸で小さく崩しながら美味しくいただきました。


「にしん煮」をいただきながら店内を見渡すと、カウンター席の無い小奇麗な店内はテーブル席がギッシリ詰め込まれているという印象で、荷物を持ちながらテーブルの奥側に出入りするには少々狭いかな?という感じです。

そんなことを感じていると「玉子焼」が目の前に置かれます。
早速一切れいただいてみると、出汁の効いたやや甘めの玉子焼ではありますがくどくなく、ベタベタ感の残らない、まずまずの一品です。


さて、今日は一人ということもあって長居することなく軽く切り上げようと思い、蕎麦をお願いします。
当初は基本の「もり」をお願いしようと思っていましたが、「鴨せいろ」だけが写真付きの別メニューとなっていたことから、その「鴨せいろ」をいただくことにしました。


さほど時間が掛からず運ばれてきた「鴨せいろ」は、思いのほか鴨肉が多く、つくねも入っています。
そのため、蕎麦汁としては少々濃い目かと思いますが、鴨の旨みがしっかり出ているまろやかな味わいの鴨汁で、結構美味しいです。

また、鴨肉は硬くもなく柔らか過ぎることもない絶妙な歯応えで、鴨汁だけで酒の肴(いわゆる「鴨抜き」ですね。)に十分なる美味しい鴨汁でした。なお、蕎麦はやや柔らかめの食感で、普通という印象の蕎麦でした。


今日、蕎麦前と蕎麦をいただいた『日本ばし・吉田』さんは、場所柄、平日のお昼時はサラリーマンで賑わっているのではないかと思いますが、今日は日曜日ということでサラリーマンの姿は無く、代わりに日本橋で買い物を終えた品の良い年配のお客さんが、蕎麦を食べながら聞き上手な女将さんや花番さんと会話を楽しみ、そして笑顔でお店を出て行くという風景の見られるお蕎麦屋さんでした。

そして、そんな風景の中に「これぞ日本橋」という街風情を垣間見ることの出来るお蕎麦屋さんでもありました。

ごちそうさまでした。