うちの奥さんと二人で出掛けることになった土曜日、JR横浜線・中山駅からちょっと広めの路地をほんの少し入ったところにある『石臼挽手打蕎麦・紫翠』さんで昼食を取りました。
お店に到着したのは開店5分前の11:25でしたが、少し早めに暖簾が掛かったのでほとんど待つことも無くお店に入る事が出来ました。
扉を開けて店内に入ると、目の前に8名程度が座れる大きなテーブルと美味しそうな日本酒が所狭しと並んでいるセラー(大型のガラス張り冷蔵庫)が目に止まりますが、テーブルの1つ1つが綺麗で広く、そして明るく清潔感の感じられる店内から漂う雰囲気はまるでイタリアンレストランのようです。
席に着いて差し出されたメニューを広げますが、今日は予めセットメニューをいただくことに決めていたので、セットメニューの有無を確認しただけで直ぐに一品料理と日本酒のページに目を向けます。
一品料理は「山形いなごの佃煮」や「山形ぜんまい煮」、そして「山形玉こんにゃく」といった「山形」という文字の付いた料理が多数あり、また東北を中心とした美味しい日本酒がたくさんあって、どちらかというと夜営業の開始時間に訪れ、素朴な料理と日本酒をじっくり美味しくいただきたい雰囲気です。
さて、メニューは後程じっくり見るとして、まずはエビスビールと「山形玉こんにゃく」、そして予め決めていた、「せいろ」と「サラダ」と「ぜんまい煮」と「香の物」と「甘味」がセットになった「御膳Bセット」(Aセットは甘味が付かない。)をお願いします。
ビールと料理をお願いすると、「メニューさげますね。」と言われてメニューが持って行かれてしまいました。
もちろん、言えばそのまま置いて行ってくれると思うし、言えば持って来てくれると思いますが、とりあえず手元からは無くなってしまいました。
注文してから料理が来るまでの間に一品料理とお酒の欄をじっくり見る事も楽しみの一つですが、そのメニューが無くなってしまったので、蕎麦茶と一緒に「揚げ蕎麦」をつまみながらビールを待ちます。
エビスビールを飲みながら山形名物の「玉こんにゃく」を待ち、運ばれてきたところで写真を撮っていると「御膳セット」の「ぜんまい煮」が続けて運ばれてきますが、まずは「玉こんにゃく」を先にいただきます。
一見ただの「玉こんにゃく」にしか見えませんが、どうやったらこんにゃくの中まで出汁がしっかり入るんだろうか?と思うほどしっかり味が染み込んでいて、辛子を付けると更に美味しさが増します。
続いて「ぜんまい煮」をいただいてみると、落ち着いた素朴な味わいで日本酒との相性が良さそうです。
そう思いながらお店の中に掲示されている「今週のおすすめ」という日本酒の一覧に目を向けると、秋田県の地酒「無濾過純米・天の戸」という美味しそうな文字に目が止まります。
ということで、「御膳セット」は料理が先に運ばれて来てから「せいろ」が登場するならば、次の「サラダ」&「香の物」が運ばれて来た時点でお酒をお願いしようと思い、ビールを空にして待っていると、「せいろ」と「サラダ」と「香の物」が一緒に運ばれてきてしまいました。
この時点で日本酒はあきらめ、後は大人しく蕎麦をいただくことになりました。
カリカリの蕎麦の実(かな?)が降りかかった「サラダ」をつまみながらいただいた「せいろ」は、硬めのやや太麺と出汁の効いたまろやかな蕎麦汁との組み合わせでした。
そして最後に甘味が運ばれてきました。
正確な正体は不明ですが、メニューに「そばがきの黒蜜きな粉」(?)みたいな甘味があったように思うので、その、「そばがきに、きな粉と黒蜜を掛けた物」ではないかと思います。
全ての料理を食べ終え、タップリ飲むことの出来る蕎麦湯を飲みながらホッと一息つきますが、自己責任ながら「無濾過純米・天の戸」を飲み逃がしてしまうなど、なんとなくリズムが合わない印象です。
日本酒は申し分の無い素晴らしいラインナップで、料理もどれにしようか迷ってしまう程のそそる品揃えなので、一度じっくり夜におじゃましてみたいと思う、そんなお蕎麦屋さんでした。
ごちそうさまでした。