蕎麦前で憩う

お蕎麦屋さんで蕎麦前をいただきながら憩いの一時を過ごさせていただきました。

『蕎菜@横浜・伊勢佐木町』さんの「だるまいか」

2013-03-23 23:16:27 | 横浜市(中区)

休前日の仕事帰り、憩いの一時を求めて京浜急行電鉄・日ノ出町駅から徒歩10分程度の所にある『そば処・蕎菜』(きょうさい)さんへと向いました。

なお、口コミサイトの情報によると、お店の名前に使用している『蕎菜』という言葉は、中国語で「蕎麦と肴」という意味とのことで、美味しい蕎麦と蕎麦前(肴)が期待できそうです。

さて、花見客で混雑している大岡川を渡り、人通りの多い伊勢佐木モールを超えて静かに佇んでいるお店の前に立つと、ガラス扉から店内の様子を伺うことができ、幸いにも空いていてゆったり席に着けそうです。

早速扉を開けて店内に入ると、入り口からまっすぐ奥に向って延びている、厨房と向かい合っているカウンター席6席しか見えず、思っていた以上に狭いという印象です。(他に4人程度が座れるテーブル個室が1つあります。)

そして、常連さんらしいお客さん1人のみが座っているカウンター席に座り、メニューを広げます。
メニューは冊子とカードケースの2つで、日本酒とお勧め&季節料理がカードケースになっていて、定番料理が冊子になっているようです。

居酒屋の雰囲気が感じられる、達筆で書かれたお勧め料理のメニューを見ると、あれもこれも食べたいと思ってしまう品揃えで、どれにしようか悩んでしまいますが、今回はその中から口コミサイトでよく見かける「だるまいか」(さしみ)と、「浅蜊・ほうれん草芥子和え」と「あすぱら天」を瓶ビールと一緒にお願いします。


待つことも無く運ばれてきた瓶ビールは「赤星」で、これだけで十分気分が良いです。
そして、お通しは鯛の身(?)が入った小鉢で立派な一品です。

「赤星」とお通しの写真を撮っていると「浅蜊・ほうれん草芥子和え」がカウンタ越しに差し出され、続いて「だるまいか」が登場してしまいました。少々スピードを上げてビールと料理をいただき、「浅蜊・ほうれん草芥子和え」をいただいた時点で日本酒をお願いすることにしました。


お酒のメニューを見ると、飲んだことの無い日本酒ばかりで、料理同様どれにしようか迷ってしまいますが、個人的に馴染みの薄い九州(大分)の地酒「辛口純米・豊潤」をお願いします。

新鮮でねっとりした食感の「だるまいか」は、素材そのものの白さが美しく、盛り付けも綺麗で美味しいです。
見て良し食べて良しの一品ってとこでしょうか?。


写真を撮りながらのんびりいただいていることもあって「だるまいか」が食べ終わらないうちに「あすぱら天」が並んでしまいましたが、味が混ざらないように一品ずついただきたいので、「だるまいか」を食べ終えてから「あすぱら天」を荒塩でいただきます。

そして一緒にいただいた九州(大分)の地酒「辛口純米・豊潤」ですが、けして悪くはありませんが個人的な好みとは「ちょっと違う・・・。」という印象だったことからさっさと飲み干し、「あすぱら天」をいただいている途中で山形の地酒「純米・惣邑」(そうむら)に切り替えます。


お願いした料理が出尽くしたのにお酒が残っているという、食べ過ぎるパターンになりつつあることを認識しながら、気になって仕方の無かった「針魚(サヨリ)・のれそれ・ほたるいか盛り合わせ」を追加でお願いします。
爽やかな皿に盛り付けられた「針魚・のれそれ・ほたるいか盛り合わせ」は、「だるまいか」同様綺麗に盛り付けられていて、春らしい雰囲気の一品です。

なお、小さな器に盛り付けられている「のれそれ」ですが、早春の2月に最盛期を迎えるアナゴの稚魚のことで、高知で呼ばれている名前です。あまりいただく機会のない「のれそれ」ですが、透き通った葉っぱの形(?)をしていて、その容姿のごとく淡白ではありますが、粘膜状の食感と喉越しがなかなか良い感じです。


と、「針魚・のれそれ・ほたるいか盛り合わせ」をいただいている最中に「純米・惣邑」がなくなってしまいました。
今度は先程とは逆に、お酒が無くなったのに料理が残っているという、飲み過ぎるパターンに陥っていますが、「明日は休みだ!。」と自分自身に言い聞かせ、高知の地酒「特純・しらぎく」を追加でお願いします。
しかしきっと、今度は料理が足りなくなるだろうと思い、量が少なく軽い一品だろうと思われる「竹輪焼き」を一緒にお願いします。


3酒目でようやくしっくりきた日本酒と「竹輪焼き」をいただき、最後に「もりそば」をお願いすると、「うちの蕎麦は量が多いので、お酒を飲んだ方には小盛を勧めています。」とのこと。
まぁ、確かにいつもの倍の量を食べて飲んでいるので小盛で十分かな?と思い、お任せして待っているとしばらくして手元に蕎麦が運ばれてきました。

これで小盛?。どこからどう見ても大盛りです。

始めは少々きついかな?と思いましたが、しっかりした歯応えの細麺で、滑らかな喉越しが心地良く、何の迷いも無くガツガツ一気に食べることの出来る美味しい蕎麦でした。
また、蕎麦汁はカツオの出汁が効いていて、飽きの来ないとても美味しい蕎麦汁でした。

食べ終えた頃、ご主人に「足りたでしょ?。」と声を掛けられましたが、いや~、十分過ぎるくらい十分です。


今日、蕎麦前と蕎麦をいただいた『そば処・蕎菜』さんは、個人的には全体的に薄味という印象ではありましたが、一品料理の品数が多く、特に刺身のラインナップが充実していて、おまけにどれも良心的な価格に設定されているように思います。

また、お店はご主人とおばさんの二人で切り盛りしていましたが、料理を担当しているご主人の活気と丁寧な仕事振り、そしてフロアを担当しているおばさんの人当たりの良さと人柄が好印象で、そんな心地良い雰囲気に包まれながらついつい食べ過ぎ飲み過ぎてしまいますが、酒飲みのサラリーマンが仕事帰りに憩いの一時を過すことのできるお蕎麦屋さんではないかと思います。

またいつの日か、休前日の仕事帰りに、一人憩いの一時を求めて立ち寄ってみたいです。

ごちそうさまでした。腹一杯です。