横須賀から葉山へと向う山の中の道路沿いには意外とお蕎麦屋さんがあって、交通の便が必ずしも良くはありませんが、中にはいつ行っても混雑している(らしい)お店もあります。
そして桜の花がポツポツと開き始めた穏やかな日曜日、うちの奥さんと二人で田園風景が広がる葉山の山里にある『手打そば・和か菜』さんへ行ってみました。
訪れた方々の訪問記などを事前にインターネットで調べてみると、「いつ行っても混雑している。」、「待たずに入れることが無い。」という声が目に付いたことから早目に家を出て、開店25分前の11:05に到着しましたが、駐車場で車の誘導をしてくれているおじさんに名前と人数と席の希望(テーブル/座敷)を伝えると3番目でした。
開店までは少し時間があるためお店の裏手に広がる棚田を眺めたり、付近に咲いている梅を眺めたりと、山里の風景を楽しみながら時間をつぶしていると、開店5分前に名前が呼ばれ、キビキビと動いている女性の店員さんに案内され、2人席に着きます。
■裏手に広がる棚田。左端の建屋が『和か菜』さんです。■
『手打そば・和か菜』さんは、「胡麻豆腐」と季節の変わり蕎麦「柚子切り」、そして「せいろ」と「芥子切り」と「茶そば」がセットになった「三色(そば)」に人気が集まっているようですが、今日は天ぷらが食べたかったことから「天ぷら盛り合わせ」と「三色(そば)」をいただくことにし、うちの奥さんは「鴨せいろ」をいただくことにしました。
なお、今日は車で来店したことからノンアルコールですが、メニューを見ると、「限定純米吟醸・東北泉」や「純米吟醸冷酒・独楽蔵」といったこだわりの感じられる日本酒が並んでいます。
また、一品料理の欄が「酒友」という名前だったりと、酒飲みの心を揺さぶるメニューではありますが、ほとんどのお客さんが車で来店しているということもあってかノンアルコールのお客さんが多く、蕎麦前を楽しむお蕎麦屋さんというより、純粋に蕎麦を楽しむお蕎麦屋さんという雰囲気です。また、窓からは裏手に広がる棚田を眺めることができ、お蕎麦を食べるための山里のお蕎麦屋さんという感じです。
そんなことを感じながら清潔感の漂う落ち着いた店内を見渡すと、開放感のある高い天井には和の雰囲気が感じられるライトとシーリングファンが取り付けられていてなかなかお洒落です。
そしてしばらくすると「天ぷら盛り合わせ」が運ばれてきました。
和食器に丁寧かつ綺麗に盛り付けられている「天ぷら盛り合わせ」は、ししとう、しいたけ、レンコン、海老、蟹、イカなど具材の種類も多く、食べる前に目で楽しむことの出来る一品で、ほんのり感じられる胡麻油の香りがとても良いアクセントになっていて美味しいです。
追って運ばれてきた「三色(そば)」は、「せいろ」と抹茶の味わいがしっかり感じられる「茶そば」と「芥子切り」の山が並んだ蕎麦で、食べ応えのある蕎麦です。なお、蕎麦汁は少々濃い目ですがスッキリした蕎麦汁でした。
お蕎麦屋さんを訪れる時の多くは、まず料理とお酒を蕎麦前でいただき、最後に蕎麦で締めるという流れですが、今日はお酒をいただいていないということもあり、蕎麦をいただいた後に「そば団子」をいただくことにしました。
「そば団子」は、田舎あんをそばがきでくるみ、その上に黄粉をまぶした団子で、柔らかいのにしっかりとした歯応えのある、甘さ控えめの団子でした。
最後にほうじ茶をいただきながらホッと一息ついていると、順番を待っているお客さんがお店の中だけではなく屋外の庭にもたくさんいることに気付きました。さすがに待っているお客さんがたくさんいるとなるといつまでものんびりしている訳にもいかないため、慌ただしく席を立ちました。
「噂通り混雑がすごいや!。」なんて思いながら帰路に着きましたが、駐車場を出る際にも続々と車がやってくる状況で、あまり時間を掛けずに蕎麦を食べて帰宅する方には良いですが、棚田の広がる山里の風景を眺めながらお酒と料理と蕎麦をのんびり楽しみたい方には、残念ながらもしかしたら不向きなお店かもしれません。
ごちそうさまでした。