さんぽ道から

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アジサイ

2023-06-14 11:19:55 | ダイアリー


下記のロイターニュースの評論の重要なところを抜き出すとしたら次の三カ所でしょう;
「デカップリング(切り離し)」に代わって「デリスク(リスク低減)」という言葉をが頻繁になってきているのは、<中国の事情に詳しい元米外交官は「全てが疑われ、流動的になっていて、誰もがお互いの依存度を最小化しようとしている」と付け加えた。>
<この数カ月に限ると、西側諸国は対中強硬姿勢を緩めて、中国との経済的な関係を全面的に断つという考えを否定。貿易を続けつつも軍事技術など重要な分野を守るという、より微妙な色彩を帯びたアプローチを志向している。つまり「狭い範囲の壁を高くする(スモールヤード・アンド・ハイフェンス)」と呼ばれる手法だ。>
<もっとも、中国側は既に疑心暗鬼になっている。国営通信の新華社はこのようなデリスク戦略について「姿を変えたデカップリング」に過ぎないと一蹴。外交政策に関わる高官は、デリスクが中国を国際的な産業や特に重要分野におけるサプライチェーン(供給網)から排除するものであるなら、対抗していくと話す。>

纏めると、この評論は、西側は「軍事技術などの防衛を図る(だけ)」としているのに対し、中国は「西側は中国の国際的な産業の排除を図っている」としていて この認識のズレが問題 としています。

ビジネス界に限っての「デリスク」は、この評論通りでしょうが、中国と西側との齟齬は、その奥底は、イデオロギーの違いによるもののような気がします。 西側は、自由、人権、民主政権を基本に国づくりをしているに対し、中国は中華思想(漢民族が第一で、他国は野蛮で、領土拡大で野蛮国を中国の文化で教化しなくてはならないとするもの)で、相容れないものです。 習政権は日本をはじめ西側諸国に「中国のウイグル族、チベット、香港、軍拡などの問題に口を挟むな、内政干渉をするな」と強く打って出ていますが、中国の中華思想そのもの(黙って俺に従え)が他国の内政干渉・内政踏破ものですので、矛盾です。

「黙って俺に従え」はプーチン・ロシアの考えでもありますので、中露の接近は同士としてのものでしょう。 中国との距離は、今はデリスク状態かも知れませんが、そのうちデカップリング(切り離し)に戻るような気がします。


QTE: 『アングル:「デリスク」に揺れる西側企業、中国事業さらに複雑化』
[12日 ロイター] - 西側諸国は対中国政策を巡り、「デカップリング(切り離し)」に代わって「デリスク(リスク低減)」という言葉を頻繁に発信しつつある。一方の中国政府は、両者に本質的な違いがあるのか疑いの目を向けている。双方の狭間に置かれた企業にしてみれば、デカップリングかデリスクかを論じること自体に大した意味はない。
実際に中国事業を完全に切り分けるか、あるいはもう少し小幅な軌道修正にとどめるかは、事業の実態や中国とのかかわりが直接的か間接的かといった要素に左右されるためだと、ロイターが取材した複数の企業関係者は言う。
先端技術からロシアや台湾を巡る外交問題に至るまで、数々の対立を経て西側と中国の緊張が高まるとともに、中国事業を手がける各企業は緊急対応計画をどう策定するかという不安にさいなまれ、さまざまな規制の「地雷」を踏まないよう緊張しながら日々活動している。
国連児童基金(ユニセフ)前事務局長で幾つかの大手企業の取締役を務めてきたヘンリエッタ・フォア氏は「中国側、米国側ともに途方もなく大きな疑念がある。最高経営責任者(CEO)の90%は、この事態に正しく対応する方針をまとめることに時間を費やされていると言いたい」と語った。
中国の事情に詳しい元米外交官は「全てが疑われ、流動的になっていて、誰もがお互いの依存度を最小化しようとしている」と付け加えた。
先週にはベンチャーキャピタル(VC)大手セコイア・キャピタルが、中国事業とインド事業、欧米事業に会社を3分割すると発表。「分散化されたグローバル投資事業の運営は複雑さを増す一方になっている」と説明し、企業がより切迫した状況に陥っている様子がうかがえる。この複雑さを形成する要素の1つが米中対立など地政学問題にある、との声が複数の関係者から聞かれる。
しかし、セコイアのような事業切り離しは難しい企業も多い。ここ数週間ではJPモルガン・チェースのジェイミー・ダイモン最高経営責任者(CEO)やシティグループのジェーン・フレーザーCEO、テスラのイーロン・マスクCEOをはじめ、米企業トップが中国を訪れ、現地の従業員や顧客、当局者らと精力的に面会して今後の対応に生かそうとしたとみられる。
今年中国を訪問したある金融サービス会社のCEOは、足元の環境によって生まれた不確実性に対処しなければならない現地スタッフを支援し、中国当局には撤退しない意思をはっきり示す目的があったと明かした。
もっとも、台湾情勢などで緊張状態が極度に高まった際の行動を計画しているかと質問したところ、このCEOはどう答えて良いか分からないと正直に述べ、戦争が起きれば経済的なダメージは計り知れず、結局そうした事態はあり得ないと考えるしかなくなると説明した。
<デリスクには限界>
この数カ月に限ると、西側諸国は対中強硬姿勢を緩めて、中国との経済的な関係を全面的に断つという考えを否定。貿易を続けつつも軍事技術など重要な分野を守るという、より微妙な色彩を帯びたアプローチを志向している。つまり「狭い範囲の壁を高くする(スモールヤード・アンド・ハイフェンス)」と呼ばれる手法だ。
もっとも、中国側は既に疑心暗鬼になっている。国営通信の新華社はこのようなデリスク戦略について「姿を変えたデカップリング」に過ぎないと一蹴。外交政策に関わる高官は、デリスクが中国を国際的な産業や特に重要分野におけるサプライチェーン(供給網)から排除するものであるなら、対抗していくと話す。
こうした中で各企業が懸念するのは、中国であらゆるルールに従いながら利益を稼ぎ続けるにはどうすれば良いかという問題だ。特に国家安全保障問題に関するルールは厄介で、法令が完全に明文化されているわけではない。
例えば中国でこのほど改正された反スパイ法に基づくと、米企業は競合他社の分析や地理空間情報を入手する作業を自前でやるのはあまりに危険なので外注を余儀なくされる、と先の元米外交官は指摘する。
また企業側は情報技術システムの再編にも取り組んでおり、重要なデータが中国から出て行くのを防ぐため、グローバルと中国の運用を分離しているケースもある。
ただ、デリスクには限界もある。複数の幹部によると、各企業はサプライチェーンを再構築し、どこか一カ所で障害が起きると全体に影響が及ぶのを避けようとしているが、中国に対する依存度があまりに高いため、全面的に撤退するのは不可能だ。
企業によっては別の国・地域の施設で中国のサプライヤーと提携しているし、生産拠点を移すとなればコストはもっと増大する割に、製品の品質は保てない。
金融サービス会社のCEOは、西側諸国が打ち出したデリスク戦略の代償という部分にはまだ十分に焦点が当てられていないと強調する。また米中両国が発したメッセージがたとえ当初は相手とのバランスを取る意図だったとしても、結局は制御が難しい展開をもたらすのではないかと心配している。(Paritosh Bansal記者) :UNQTE

以上



2023・6・13

下のローターニュースは、中国の近代化兵器や航空機パイロット訓練企業に米国企業が輸出やサービスを提供する場合は、米国政府の許可が必要となる(輸出管理対象企業となる)という記事です。

日本は対中貿易に何かするのでしょうか?
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