バイデン米大統領の外交政策は、トランプ前大統領の真反対のもの=オバマ政権時のもの同じ、と予想されていましたが、バイデン色もあることが少しずつ明らかになってきました。
バイデン外交に関する最近の動向は:
・3月3日米国務省(日本の外務省に当たります)の長官が、中国とは、可能な時は(地球温暖化対応を指すと推測されている)協力的なるが、米国の世界システムを脅かす唯一国であることから、中国とは競争的、場合によっては敵対的になると、また、中国国内のウィグル族に対する反人道策と香港民主勢力に対する抑圧は見過ごせないものと 言明しました。
(注)米の対中政策は、地球温暖化政策の協調以外は敵対的なものとなる、とほぼトランプ氏の政策に同じもののようです。
・2月23日米国国防省の報道官が、尖閣の主権は日本を支持すると述べた直後に、米国の立場は従来と変わりはない、と日本の主権発言を取り消しました。つまり米国は「特定の立場はとらない」とするもので、尖閣の施政権は日本にあるものの、日本の主権が尖閣に及ぶとの見解はとらないとするもので、これはオバマ政権の政策踏襲となりました。
(注)国防省は、尖閣の主権は日本にありとする見解を修正しましたが、わざと間違え、従来の立場を将来修正する含みを持たせたのでは、とも推測されています。オバマ氏トランプ氏より若干日本サイドに立っているのではと推測されています。
・2月26日米国国家情報室が、サウジのムハンマド皇太子が、2018年に起きたサウジのジャーナリスト殺害に関与したとの報告書を公表し、米国財務省はこの殺害に関与したサウジの情報機関幹部らを制裁対象に指定しました。翌日イランの過激グループが、この米国の姿勢に呼応して、サウジにミサイルを発射しました。
(注)サウジの実質的な統治者はムハンマド皇太子ですので、トランプ氏が擁護したムハンマド皇太子をバイデンさんはとらないことが明らかになりました。このことからサウジと米国は親密な関係から中立的な関係に変わると推量されています。
総じていえば:
バイデン大統領は敵対的な関係にあっても制裁に “武力は行使しない” と言っていますので、対中関係は、米国の連盟国と強調して、経済制裁を科す というものになるでしょう。従って、中国は武力行使にリスクはないと考え、台湾・尖閣を急襲する可能性が出てきました。
(注)日本は、最悪、尖閣を取られ、米国の圧力で中国貿易に制限をかけざるをえなくなり、バイデン外交で割を食うことになりそうです。
イラン核合意にバイデン政権は力を注ぐ一方、サウジとの連携は薄くなるので、中東情勢は一層不安定なものとなり、中東に石油やガスを依存する日本は、この輸送路の確保に、恒常的に自衛隊を中東湾岸に派遣せざるを得なくなりそうです。
バイデン政権により日本はますますお金を使うことになりそうですね。