世界一周タビスト、かじえいせいの『旅が人生の大切なことを教えてくれた』 

世界一周、2度の離婚、事業の失敗、大地震を乗り越え、コロナ禍でもしぶとく生き抜く『老春時代』の処世術

もう、待ちきれない

2010年07月11日 | 人生
                               可愛らしい桃の実



人は、生まれて死ぬまで待つことを宿命づけられている。




もともと忍耐強いほうではない、と思っていたが、


ここまで辛抱できないのか、と自分自身にあきれてしまった。




先日、雨の合間を縫って、

庭の桃の木から、桃の実ちぎりをした。



庭には、3本の花桃の木がある。

花桃だから、春には深紅の鮮やかな花を咲かせて楽しませてくれる。


だが、実をつけても決して大きくはならない。




そのうちの一本の木から、

籠いっぱいの桃の実が採れた。



見た目には、梅の実とさほど変わらない。


ならば、と梅酒ならぬ、桃酒を漬けてみた。



熟成させるには、

通常、3カ月以上は寝かせなければならない。



梅酒の経験はあっても、

桃酒を漬けるのは初めてだ。


さて3ヶ月後、どんな風味が楽しめるのだろうか。



毎日、悶々と眺める日々が続いた。


ときには、恨めしい横目で。

ときには、もう飲めるかもしれないと、流し眼を送りながら。



数日前、

一か月もたたないうちに、広口瓶の蓋を少し開けてみた。


ぷ~んと、甘~~イ香りが。


ン? 

これはまさに梅酒の香り。


桃も梅も同じ香りなのか?


どれどれ、お味は?

人差し指をそっと突っ込んで、なめてみる。



う、

うめ~~エ! 

突然、ボクの声がヤギ化した。



イヤ、これは梅酒でなく桃酒だから、

モ、モ~~ォ! と、いきなり今度は牛に変身。


そして、

モ~~ォ、いけるンじゃナ~イ!

と、舌舐めずりしながらたたみ掛ける。



とうとう我慢袋の緒が切れた。

イヤ、もともとゆるい状態だったのだが。




最近ハイボール用に使うグラスに氷を3個ころがし、

小さなレードルを、おもむろに広口瓶に入れる。


一杯、二杯、

どれどれ?



こうして、

自分の意志の弱さを隠すため、

味見と称しながら


毎晩、不敵な笑みを浮かべては

ヤギになったり牛になったりしている。