デラシネ日誌

私の本業の仕事ぶりと、日々感じたことをデイリーで紹介します。
毎日に近いかたちで更新をしていくつもりです。

山本光洋ソロライブ かかしになるために

2009-02-21 18:52:27 | 観覧雑記帳
公演名 「山本光洋ソロライブ planB連続公演 かかしになるために④」第2回
作・演出・出演 山本光洋
会場 PlanB
観覧日 2009年2月20日(金)午後7時半(公演時間 80分)
このところゲネばかりだったが、やはり本番を見ないと。ということで今日はひとつひとつの感想を。
1.カラスのようなもの
前回のかたつむりのようなものに引き続きの動物真似だが、よく観察している。パントマイムの基本は観察力とロシアのクラウンの友人が言っていたが、首を上下させるフリや、通行人が来てもちょっととぼけて横を向くようなしぐさはそっくりだった。
2.花ビンとワクのDance
挿していた指が花瓶からとれなくなったというネタと身体が通り抜けるくらいの大きさのワクをつかってのダンス。動きが軽快、ネタも明快、小気味良かった。
3.チヨちゃん
一人二人羽織と本人が言っていたが、奥村チヨの「恋の奴隷」の曲に乗り、手と口が別人のものという設定で、マヨネーズをつけたキュウリを食べさせられるという、ズレというクラウンニングの基本を自分の身体を犠牲にした究極を見せつける。マヨネーズにまみれながら奮戦する様がおかしい。
4.穴を縫う
出かける直前に服に穴があいているのに気付き、それを縫おうという老人の姿を描く。つまらないミス、それに怒る、これを繰り返し増幅させていくというクラウニングの王道をきっちりと演じる。
5.ドキドキする私
今回のプログラムの中では、この作品が一番の注目作だったろう。花束を持って好きな人を待つ男、胸がドキドキするうちに、音楽がドキドキというリズムを刻み、そして身体がコマ送りの動作をするのだが、胸のドキドキからコマ送りの動作へ移るところは、鳥肌がたってきそうだった。そしてそのコマ送りの動きのシャープさに見とれてしまった。
6.愛の挨拶
傘を巨大な乳房に見立て、それに魅了され翻弄される男の夢の世界を、描くのだが、前のネタがこま送りの動きで、しかも振られてしまうのに対して、こっちの男が半ば思いを達し、まるで夢うつつの状態で踊るような動き。傘を萎めるところで、立派な乳房が萎んでしまうように見せるところがおかしかった。なんとなく男の願望が叶えられたようで、ちょっとうれしくなったりしてしまった。
トークがここで入った。
7.遠くの海に来ています
これはちょっとした問題作だったかも。ゲネで見た時は、えっこれだけというのが正直な印象だったのだが、こうして本番で見ると、逆にこれだけというのが妙に余韻が残って良かったかもしれないという気になったのも事実。あまり動かず、海辺にボーっと立つ男が、砂に埋めておいた携帯をまた掘り出して、確か「戻ろうか」とつぶやき終わり忌野清四郎の「500マイル」が流れる。これになにか動作を加えるというのも変かもしれない。
8.チャーリー山本
西部劇の仕立て、一番可笑しかったのはバーのドアを開けるところだった。馬に乗ってのダーツ。
今回はひとつひとつの演目の間に、片付けたり、次の準備をしたりと間が空くのだが、これを早くしなくちゃということで焦っていたと思う。チャーリーの準備もしなくちゃいけないし・・・大変だろうと思う。ただこれを焦らずゆっくりやってみたらどうだろう。気持ち的には早くしたいところなのだが、それを逆にゆったりと見せていくと、また全体の感じもまた違ってくるのではないだろうか。
全体的には、これだけさまざまな動きを見せ、しかもきっちりクラウニングを取り入れ、成熟さを感じた舞台であった。

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