書名 「カラフト流民系譜」
著者 関口弘治 出版社 無明舎出版 出版年 1981
このところ気になっているヤクーツクとサハリン。前に読んだ『トナカイ王』の参考文献に出ていたので購入。著者はサハリン(樺太)で生まれ育ち、終戦後反ソ宣伝の罪でシベリアに抑留された。父が警察官ということもあり、サハリン各地を転々としているので、その少年時代の思い出が中心になっている。サハリンが流刑地であり、その後日本とロシアが北緯50度で国境を画することになるが、北方民族の居住民の他に、日本からも流れ者が集まってできた独特の場所であることがよくわかる。その意味で貴重な記録になっている。敗戦の年ソ連の侵攻による悲劇を、著者の妻の体験として語られているが、流れ者たちが、無残にも国家の戦争の犠牲として踏みにじられる、その様を描いている。
満足度★★★
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/58/6a/d10bea6274d6eab43b14d6e5ad445868.png)
著者 関口弘治 出版社 無明舎出版 出版年 1981
このところ気になっているヤクーツクとサハリン。前に読んだ『トナカイ王』の参考文献に出ていたので購入。著者はサハリン(樺太)で生まれ育ち、終戦後反ソ宣伝の罪でシベリアに抑留された。父が警察官ということもあり、サハリン各地を転々としているので、その少年時代の思い出が中心になっている。サハリンが流刑地であり、その後日本とロシアが北緯50度で国境を画することになるが、北方民族の居住民の他に、日本からも流れ者が集まってできた独特の場所であることがよくわかる。その意味で貴重な記録になっている。敗戦の年ソ連の侵攻による悲劇を、著者の妻の体験として語られているが、流れ者たちが、無残にも国家の戦争の犠牲として踏みにじられる、その様を描いている。
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