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山元一氏「九条論を開く─<平和主義と立憲主義の交錯>をめぐる一考察」

2016-09-25 | 天皇生前退位
投稿者:鈴木小太郎 投稿日:2016年 9月25日(日)22時13分24秒

>筆綾丸さん
>チャプルテペック
音の響きが妙に面白いですね。
「集団的自衛権」概念誕生の経緯については豊下楢彦氏(関西学院大学教授)の『集団的自衛権とは何か』(岩波新書、2007)にも相当詳しく出ているのに気づきましたが、若干政治的に偏っているように思える記述が多く、個人的には読みづらい本でした。

『集団的自衛権とは何か』

また、森肇志(もり・ただし)氏の「集団的自衛権の誕生─秩序と無秩序の間に」が面白かったので、同氏の名前で検索した論文等を少し読んでみました。
その中で、森氏と宍戸常寿・曽我部真裕・山本龍彦氏の座談会記録「憲法学と国際法学の対話に向けて」(『法律時報』87巻8・9・10号)は、政治とは少し距離を置いた若手憲法学者の動向を伺うことができて、なかなか興味深い内容でした。
四人の議論の中で山元一氏への言及が若干あり、そういえば去年、集団的自衛権を少しだけ勉強したときに山元氏の「九条論を開く─<平和主義と立憲主義の交錯>をめぐる一考察」(『シリーズ日本の安全保障3 立憲的ダイナミズム』所収、岩波書店、2014)は見落としていたなと思い、入手してみたところ、非常に優れた論文でした。
「立憲主義」の空騒ぎにうんざりしていた私にとって、山元氏の分析はとても役に立ったので、後で少し紹介してみようと思います。

『シリーズ日本の安全保障』全8巻

>墓田(ハカタ)氏
一瞬、ドキッとしますね。
私が最近見かけた珍しい名字は「横大道」です。
山元一氏「九条論を開く」で「横大道聡」氏の「平和主義・国際貢献・集団的自衛権」(『法律時報』86巻5号)が好意的に紹介されていたので読んでみたのですが、一番最後に「よこだいどう・さとし 鹿児島大学准教授」とあるのを確認するまでは、一体どこまでが名字なのかも分かりませんでした。

※筆綾丸さんの下記投稿へのレスです。

神と神楽と神業 2016/09/24(土) 15:08:50
アラビア語は正文ではないのですね。

https://en.wikipedia.org/wiki/Chapultepec
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%8A%E3%83%AF%E3%83%88%E3%83%AB%E8%AA%9E
チャプルテペックについては、ウィキに「The name "Chapultepec" means "at the grasshopper hill" in Nahuatl」とあり、ナワトル語で「イナゴ(バッタ)の丘で」という意味なんですね。アボカドやトマトがナワトル語起源とは知りませんでした。

http://bluebacks.kodansha.co.jp/intro/200/
安東正樹氏の『重力波とはなにか』は、難解な数式は理解できぬものの、とても面白い本ですね。

https://ja.wikipedia.org/wiki/KAGRA
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KAGRAという名は、神にささげる音楽や踊りである「神楽」に由来しています。通常の可視光による望遠鏡での観測が「目で観る」ということなら、重力波望遠鏡による観測は「耳で聴く」ことにたとえることができます。宇宙や連星が軽やかにくるくると円舞し(公転)、ときに激しく荒れ狂い(合体や爆発)ながら奏でる音楽(重力波)を、重力波望遠鏡で「聴く」というわけです。実際、レーザー干渉計の出力をスピーカーにつなぐと「重力波の音」を聞くことができます。公募で集まった600を超える候補の中から、作家の小川洋子さんを委員長とする選好委員会で選ばれたもので、日本の望遠鏡らしい、よい愛称だと思います。なお、KAGRAには、設置されている場所の地名である神岡(Kamioka)からとったKAと、重力波(Gravitational Wave)からとったGRAをつなげたもの、という意味合いも込められています。(156頁)
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宇宙船「神舟」やスパコン「神威」を引いて、中国共産党は神が好き、などと揶揄してきましたが、日本もなかなか神好きなんですね(今回の重力波の検出は神業です)。宇宙が神に奉納する音楽を、人類は盗聴する、と言って悪ければ、お相伴にあずかる、ということになりますか。『博士の愛した数式』の作者が選考委員長だったのですね。

「・・・日本が戦後、一度も海外で武力行使を行ってこなかったという事実(私は「憲法9条の貯金」と言っています)」(『ライブ講義 徹底分析! 集団的自衛権』46頁)というようなセンスの無い命名は、なんとかならないものか。

追記
http://www.chuko.co.jp/shinsho/2016/09/102394.html
http://researchmap.jp/read0208008/
「墓」を含む地名は中世の史料で何度か見ました。後世、墓田→塚田、平墓→平塚、犬墓→犬塚・・・となるのが一般であることから、墓はツカと訓んでいたのだろう、と思っていましたが、墓田(ハカタ)氏には、ちょっと驚きました。
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