五感で観る

「生き甲斐の心理学」教育普及活動中。五感を通して観えてくるものを書き綴っています。

相手の気持になってみる

2013年01月23日 | 第2章 五感と体感
アルジェリアで大きな事件がありました。

それに対する私の個人的な気持は、高度成長期に育ってきた自分の生育史に深く関わっています。
日本の国が高度成長を突き進んでいたさ中、同じくアジアの国のインフラ整備にも日本は大きく関わっていました。
私が小学生の頃の6年間、父はタイに単身赴任していました。ベトナム戦争真っただ中、メコン川を通るとベトナムから泳いで逃げてくる人を頻繁に見かけたそうです。同時に国の整備は着々と進み、優秀な人材が日本の大学で学び、日本の企業戦士が、国家成長を担うアジアの若者の面倒を見て家族のようにお付き合いしていた、と言う話は、我が家に限っての話ではなかったと記憶しています。

小学5年生の時、父がタイで交通事故に遭いました。車に同乗していた方が亡くなり、運転していた方も数年後に癌で亡くなりました。父は奇跡的に助かったのです。
何しろ、インフラ整備のための単身赴任なわけですから、簡単に飛行機に乗って行けるわけでは無く、日本に残されている家族は悶々とした見えない不安感を大きくつのらせながら情報を待つしかありませんでした。

会社からの情報はとても切なかったように記憶しています。子供達は母の状態を通して知ることしかできず、今から考えるとこの時のストレスは、抑圧的なものだったと思います。学校では話題にも出さず普通に振る舞いながらも、何か皆と乖離したような気持になっていく孤独感に苛まれたのは、きっとこのことが原因だったのだと思います。

でも、口に出して、あれこれと大騒ぎされるよりも、そっとしてくれていたからこそ、自分の精神衛生は保てていたのだと思うのです。

この経験が、数十年先に体験する某さんの辛い事故に繋がるのです。

天が落ちてきたような大変な悲しみの事実にうろたえながらも心無いマスコミの襲撃や知人からのお伺いのような電話を少なくとも私を含めた親しい人々は、全て無言でシャットアウトしたのです。ご家族の方々への、今できる精いっぱいの心思いやりでした。同時に悲しみが深すぎて私自身も口に出せませんでした。
他者に一切情報や思いを口にしなかったことは、今後の私達の友情にも繋がっています。これで良かったのだと思います。
「名前を公表しない」ということは、その意味で心から賛成です。

「亡くなられた方々の魂をアルジェリアに置き去りにするわけにはいかない」という御家族のお気持ちをお察しします。
そして、私も心の中で祈っています。


告知:
「江戸表具を愛する会」本日から地下鉄銀座線「銀座駅」近くの地下通路で開催中。

銀座三越の地下から東銀座にかけての地下通路のショーウィンドーです。
作家の常駐はありません。作品のみの展示です。

期間:2013年1月13日から2月9日まで、銀座プロムナードギャラリー(銀座三越下~東銀座までの地下通路・歌舞伎座の手前)

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