五感で観る

「生き甲斐の心理学」教育普及活動中。五感を通して観えてくるものを書き綴っています。

少年は空を見上げる

2022年08月16日 | 第5章 和解と平和


少年は空を見上げる   2022年8月16日

実家の父は、終戦記念日とは言わず、「敗戦した日」と、
言っています。
あと三日で89歳になる父が、
東京都大田区大森に住んでいた頃の
昭和19年の思い出を語りました。
その頃、戦闘機の雑誌を購読していて、
空を飛ぶ戦闘機を食い入るように眺める日々だったそうです。
その頃、B29ではなく、B25が飛んでいて、
航空母艦から飛ぶ戦闘機を見ながら、
日本は太刀打ちできないな、と思っていたそうです。
その時父は11歳。
京浜東北線が桜木町まで走っていて、
普通に銀座や日本橋、歌舞伎座通いをしていたとのこと。

その昭和19年の夏に伊東の別荘に疎開しますが、
疎開してすぐに伊東の駅舎が爆撃され、
直前の空襲警報で登校途中の父は、自分より背の小さい同級生の二年生の弟を
咄嗟におぶって防空壕に逃げ込んだのだそうです。

優雅?な祖父は、絵を描く事を止める事もなく、
南から伊豆半島を抜け、箱根の上空で東側に進路を変え
東京方面に向かう戦闘機を毎日眺めていたある日、
家の真上に戦闘機が飛んだそうです。
その時、上半身裸で、イーゼルに向かって
絵筆を握っていた祖父。
父曰く、「戦闘機を操縦しているパイロットの顔が見えたくらいだから、
こんなさ中に絵を描いている呑気な絵描きの姿を見て、
何を思っただろうね。。。」と。

つねに社会を社会として眺める俯瞰的な見方は、
今仕上がった性格ではないと、自分のDNAにどこか誇りも感じます。

絵描き仲間の情報網もかなりの正確性があったようで、
不要不急の職業であっても、従軍画家として戦地に赴いていた人も居り、
一般庶民の人よりも情報を持っていたようです。

そんな話を聞いた8月15日。

奇しくも、その頃、葉山に住んでいた小学低学年の
心理学の我が師匠。
一色海岸で、B29に向けて悪ふざけをしていたら、
威嚇射撃をされたそうです。
その時も、しっかりと操縦かんを握っていたパイロットの顔が
見えたそうな。

「少年は空を見上げる。」
そんな言葉がふと浮かんできた終戦、敗戦の日でありました。

戦前生まれがとうとう人口の2パーセントを切ったそうです。

抑圧的な経験を
他者に伝えるには、
かなりの時間を要するようです。

戦争は、人間の欲から芽生える情動であって、
戦う事ばかりに焦点を当てすぎていると
知性と非知性のコントロールが効かなくなります。
もっと武器を頂戴!というお願いごとに応え続ける事が
果たして知性的な事なのか。
人間の持つ抑制的な知性力が試される時期でも
あるように私は思うのです。

銃弾ではなく、花びらを。

知恵の無いまま巻き込まれてはなりません。


増上寺

講座スケジュール

目黒カルチャースクール
アンセルモ教室
第1金曜日
2022年9月2日
13:00~15:00


目黒カルチャースクール
アンセルモ教室
第3金曜日
2022年 8月19日
13:00~15:00


あやの会「生き甲斐の心理学」
場所:篠原地区センター
時間:12時~15時
日程:2022年10月11日(第2火曜日)
(綾子塾は、限定メンバー制)


○○○○

ユースフルライフ研究所
通信講座生対象;
生き甲斐の心理学
場所:アトリエK 講師 越 綾子
(公開講座)定員に達し受付は終了しました。
時間:12時45分~15時45分
日程:第4木曜日2022年8月25日(木)

★植村先生の講座

1町田修道院
日程:
2022年第一週9月6日㈫

2小金井植村勉強会
日程:2022年9月20日火曜日

◎◎
町田勉強会
10月7~9日




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