五感で観る

「生き甲斐の心理学」教育普及活動中。五感を通して観えてくるものを書き綴っています。

時々語る源氏物語

2009年01月14日 | 悔いのない人生とは?
寝込んだおかげで、瀬戸内寂聴訳・源氏物語を堪能しました。

日本に生まれ、日本のアイデンティティで育まれた人であれば、なおいっそう、源氏物語に表現される登場人物の「思考と感情と行動」、つまり性格や傾向に感情移入して読むことができると思います。

世界の名作と云われる所以も、日本人だけでなく、人間の持つ生身の感情に迫るからゆえではないでしょうか。

光源氏だけにターゲットを絞りながら読むわけにはいかなくなる源氏物語。

光源氏から織り成される人間関係、皇族という狭まった相関図の中から生まれる人間模様が、想像以上の壮大な物語を作り上げていきます。

そして、紫式部が描く、登場人物、それぞれの個性。

この個性が、ひとつの個性として、まるで現代に蘇ったかのように思えるほど、リアルに身近に描かれています。

たかだか千年くらいで、人の湧き立つ感情の種類に変化はありません。

シェークスピアは、人の喜怒哀楽をとことんまで突き詰めた作家だとは思います。でも、生きながらえて、死の淵まで人の内面を刻々と語りつくすことまでは、出来なかったのではないでしょうか。ところが、源氏物語は違います。紫式部の人間に対する洞察力と一つの個性を描き切る想像力に並はずれた才能を感じます。

学生時代に源氏物語を読まなかったことにはわけがあります。
その頃の私には意味がなかったからです。

その代り、シェークスピアの戯曲の中にある日本人の感性を貪るように探しました。探して繋げる。。。その繰り返しをして「私」との対話をしてきたように思います。

何のことはない。。。自分の中にある縛りを解したとたんに見えてきたものは、結局は千年の時を経ても変わらずある身近な物語だったのです。

素直になって損することは無し。。。


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