五感で観る

「生き甲斐の心理学」教育普及活動中。五感を通して観えてくるものを書き綴っています。

掛け軸

2007年01月24日 | 第2章 五感と体感
そろそろ友人に頼まれた作品を掛け軸に仕立てなくてはなりません。

他の仕事を全て放棄し、呼吸を整え、背筋を伸ばし、集中する。
この条件を整えないと、必ず大きな失敗を招きます。

自分自身を整えることが、最低の条件です。

作品を囲む裂地を選びは、自分の感性を信じるしかなく、一つ決めるのに、かなりの時間を費やします。
一幅は、海松(ミル)色。緑藻に灰色を混ぜたような色、もう一幅は、黄茶色(黄色味を帯びた茶色)を主体に選びました。
作品を生かし、雅な可能性を表わすことがひっそりとできれば、それで良しです。

私は、まだまだ未熟で職人の仕事に及ぶ技術はありませんが、そこに職人の密かな喜びが隠されてるように思います。未熟であっても、喜びだけは想像できます。
作品から与えられ、感じた五感を表装に仕立てる感覚は、月が出る夜、砂浜に立ち、打ち寄せる波音と引いてゆく波音をどちらも平等に聴くような、そんな感じです。


惹かれ合うことと引かれ合うことが、感性の高みで響き合ったときに、きっと、文句無しの作品が仕上がるのでしょう。

さあ、まずは丸包丁をしっかり砥いでから始めよう・・・・・。

 
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コメント (2)
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