Mr.コンティのRising JAPAN

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Barcelona 強し 地球上でどこのチームが…..

2011-06-01 | EURO Football
“あんなサッカーをされたらこの地球上で勝てるチームは無い….”
1994年5月18日 Athens Olympic Stadium で行われた UEFA Champions League 決勝戦後に Barcelona の Johan Curyff 監督が蒼白でこう語ったらしい。 
決勝戦は前年の Finalist AC Milan と前々年の王者 Barcelona 。試合前の予想では Barcelona が有利だった。しかも Milan は Baresi が怪我で出場出来なかった。 楽しみにしていた決勝戦、当時は今の様に日本でもテレビで生中継があるわけでもなく当然インターネットなど無い時代。もちろん日本のテレビニュースでは取り上げられない。試合翌々日の英字新聞で得られる結果が“速報”だった。 しかし仕事で英字新聞をかいそびれ約10日後くらいに発刊された専門誌でようやく結果を得られた。

そして AC Milan が 4-0 で Barcelona を降した事を知った…..

少なからずショックだった。約4か月前、その3年前からスペイン語の勉強を始めた家内を“スペイン旅行”を口実にバルセロナまで連れ出しクラシコ観戦に行った。 そして Romario Stoichkov, Koeman Bakero らを擁するバルサは Real Madrid を 5-0 で粉砕した。試合後カタルーニャ広場をはじめ街の至る所で繰り広げられたフィエスタは深夜まで続いた。
そのバルサがあっけなく粉砕されたのだった。
試合のあった日から数週間して放映された試合を見た。 バルサ自慢の Romario Stoichikov はDesailly をはじめ屈強な Milan の守備陣に子供扱いされ Milan の攻撃陣 Savicevic , Massaro は完全にバルサ守備陣を手玉に取っていた。
Capello 監督指揮下の Milan は90分間最前線と最後尾がコンパクトに保たれ常に数的優位を保ち、それでなくても1対1では全く引けを取らない選手が揃っていた。
バルサの Cruyff 監督の云う“あんなサッカーをされたら…” と云うコメントもわかり易い試合内容だった。
今年の UEFA Champions League で“敗戦の将”となってしまった Sir Alex Ferguson 監督はこの日のバルサのサッカーを見てどう思ったのだろう…. そして今バルサを率いるのは15年前 Milan に惨敗を喫した時のバルサのメンバーの1人 Josep Guardiola だった… 歴史は回っている気がした…



Giggs も朴智星もスタメン入り….
試合前、英国紙で話題になっていたのは Ryan Giggs と朴智星。 The Independent をはじめアジアを代表するそしてかつて愛する京都サンガでプレーをした朴智星の事を取り上げる英国紙があった。また 1992-2004 まで United に在籍し England 代表 Cap数 39 を誇る英雄 Nicholas Butt は “ 今シーズン驚くべき活躍をした朴智星こそスタメンで使われるべき選手。“とのコメントを残した。
そして Giggs 。The Sun 紙をはじめ英国タブロイド紙に28歳モデルの Imogen Thomas 嬢との交際をぶち抜きで掲載され彼女のコメントを総合すると“自分は彼が Manchester United の Ryan Giggs とは知らなかった。交際を始めて半年間で彼は奥さんと別れて私と結婚すると言っている。 ”
Thomas は 2003年に Miss Wales に輝いた美人モデルで2人が知り合ったのはある United の重要なアウェーゲームの前夜らしい。そして Thomas 嬢のコメントでは“あたしは彼が妻子持ちだと解っていて最初は交際に否定的だったんだけど….”
そこまで言っておきながら今は Twitter の中傷に“自殺も考えている”ほどおびえているとの事…



だが United の Sir Alex Ferguson 監督は彼をかばう立場をとる。 5月24日の記者会見では Giggs がどれだけ重要な選手かと質問した記者の質問に“全ての選手が重要だ。”と答え、Press Officer の Karen Schtbolt 氏に“彼を金曜の記者会見から締め出せ”と云ったのが Sky News のマイクに拾われてしまった事が Guardian をはじめ英国四大紙にも記事になって掲載されるほどに。また同日の練習を Giggs が休んだ事も報じられた。しかしこの日の練習には他にも GK van der Sar, Berbatov, Scholes そして Rafael らも最初の10分間は顔をださなかった。 そして当然の様に Giggs はスタメンに名を連ねた。

14人が2年前と同じスタメン…
2008-09 のChampions League Final で顔を合わせた両チームのスタメン。バルサは6人が今回も同じスタメン。2年前に最後の1分だけ出場した MF Pedro Rodriguez もスタメンに。 United は朴智星、Rooney を含めた8人がスタメン。前回は Cristiano Ronaldo は Real Madrid に去ったがバルサの David Villa は“Ronald 抜きの United に脅威を感じるコメントを。
”Ronald が いなくなったせいか United はよりボールを回す様になった。“ Dani Alves も “ Manchester United は Ronald 抜きでより予測出来ないチームになった。 バランスの構成がより良くなり年前よりも強くなった様だ。” とのコメントを。
Anders Iniesta は “ United はチームとして成長している。 England でずっと勝ち続けており Champions League でも戦い続けている。 Cristiano Ronaldo は去ったがそれでも彼らは大きな変化はなく常に強豪であると言える。” と語っていた。
今回は聖地 Wembley 。前回は負けているだけに今回 Manchester United がリベンジを…と思っていたんだけどなぁ…



Barça 先制 Rooney 同点弾
United のキックオフで始まった大一番。 立ち上がりは“地元”の大歓声を受けて United が攻勢に出る。 中盤を省略して Javier Hernadez と Rooney に直接当てて来る。 朴智星も対峙する David Villa, Xavi Hernandez に良く対応する。5分33秒には Messi に果敢にタックルを入れてボールを奪った。 6分51秒 Giggs から Hernadez からナイスミドルパスが入るがオフサイド。7分40秒には Rooney がゴール前に迫るがこれは GK vander Sar から直接受けたゴールキック。 何とか先制ゴールが入ると試合は面白くなる…と期待したのだけど、United の優位はここまでだった。
10分に Villa からボールを受けた Messi がUnited ゴールに迫ったのを機にBarçaが一気に攻勢に出だした。直後には今度は Messi からボールを受けた Villa がシュートに持ち込むが Ferdinand が身体を入れてゴール枠に入れさせなかった。 
15分には Villa , Xavi と繋いで Pedro Rodriguez が強烈なミドルを放つがポストの右に外れた。 
United はトップに残るにHernadezにボールを入れるが CB Pique Mascherona の2人ラインを高く上げ、フォローが遠いのでそれ以上繋げない。 24分を過ぎるともう Ferguson 監督がピッチサイドまで出て来て大声で指示を出す。Barçaが 71% のボール支配率と出た。こりゃ前半無失点で終えるのは厳しいかな…と思った29分中盤で Iniesta とVilla がボール交換をしてXavi にボールを出す。ゆっくりとボールを持って上がり United の選手を注意をひきつけるとさっと右サイドに走り込んだPedro に。 Pedro に Vidic がマークに入る前に放ったシュートはそのまま United ゴールに吸い込まれBarçaが先制ゴールを挙げた。 
あぁこんなに早く失点するなんて…. Manchester United をしてこれだけ翻弄されるのか…と思った。



しかし34分 United が同点に追い付く。Barçaのスローインを奪い Rooney に繋ぐとドリブルで上がって来る。そして対峙する Pique がマークに入ろうとした瞬間に右から上がった Giggs に浮球のパスを送り Giggs は腰でトラップし中に入れると走り込んだ Rooney が Alves がマークに入る前に放ったショットはBarçaゴールに突き刺さり試合を振り出しに戻した。 
大歓声とチームメイトの祝福の嵐の中表情を変えない Rooney が印象的。素晴らしいエースの同点ゴールだった。 



これで試合は…と思うも、再開後も試合を支配したのはBarça。37分には Xavi, 39分にはIniesta がシュートを放ち Iniesta のシュートは Van der Sar の正面に飛び、41分17秒に得たFK では Xavi が中央に送り Bousquez がゴール前に走り込んだ Busquets にダイレクトで送ると言うトリックプレーを見せたが僅かに合わず42分54秒には Messiが高速ドリブルを見せ中央突破 DF を引きつけ右に走り込んだ Villa に送り Villa が中央に折り返したところを Carrick と縺れながらゴール前に走り込んだ Messi には当たらず何とか凌ぎ同点のまま前半を終えた。 
Barçaのボール支配率は66% になっていた。シュートはBarça 8 に対して United 2 United の枠内シュートはRooney のゴールのみで結局これがこの試合 United の唯一の枠内シュートとなった。 

Barçaの猛攻。よく2点差で終わったなぁ...
両チームメンバー変更無しで Barça のキックオフで始まった後半もBarçaの攻勢が続く。
Iniesta , Xavi が連続してPA の外からシュートを放つ。 48分には Xavi から攻撃参加した Pique にクロスが上がるが Vidic が必死のクリアー。その直後に Rooney がドリブルでBarçaゴールに迫り Pique を振り切るが最後は Mascherano がクリアー。サポーター達からは “ United ! United ! “ の声が上がる。 United が次のゴールを奪う為にはベンチにいる誰かを投入した方が良いかな..と思う。 でもBerbatov はベンチにいない。上背のあるFWもいないか…. 頼れるのは Rooney のドリブルだけか….
52分 Alves が右サイドからドリブルシュートを放つが Van der Sar がスラィディングセーブでクリアー。こぼれ球を拾い Messi が撃つが Evra がヘッドでクリアー。 立ち上がりからこんなに United が猛攻に晒されるなんて…
と思った直後の 54分 Xavi, Villa とボールが渡正面やや右の Messi にボールが送られると Messi はドリブルで上がり Evra がマークに入る前にそのままエリア外からミドルを放つと低い弾道のシュートは Van der Sart の守るゴールに吸い込まれBarçaが再びリードを奪った。



喜びを爆発させる Messi 。これで Champions League 12得点目で Van Nistelrooij に並んだ。これでももうこの試合の興味は勝敗よりも Messi に新記録となる次のゴールが生まれるかどうかに絞られた気がした。
63分には中盤 Iniesta から左を上がった Pedro に送られ再び Iniesta に戻されゴール前の Ferdinand を背にしたMessi に。 Messi は上手く Ferdinand を抑えてドリブルシュートを放つが Van der Sart が意地のストップ。 同じオランダ人 FW の記録を死守したかったか…. Van der Sart は65分にも Xavi のミドルを素晴らしいセーブでストップした。



チャンスを創ろうとRooney が左右に動くがボールを持ってもBarça MF, DF 陣の包囲網に次にボールが出せない。朴智星もピッチを駆け回るが簡単にボールを散らされて奪えない。



選手個々の技術が高くパスの精度そしてポジショニングが早く優れている。全ての指導者が目指すサッカーをしているのではないだろうかと思った。それを Manchester United 相手に演じるのだから…..
Barçaは面白い様にUnited ゴール前に雪崩込みチャンスを創る。 そして69分 Messi が右サイドからドリブルで中央に切れ込む。一旦は United DF に止められるがこぼれ球を拾った Pique が中央に戻し Villa が Ferdinand が当たりに来る前にゴール右上隅を狙ったシュートを放つと試合を決定付けるゴールが決まった。
 
意地のファインセーブを連発する van der Sart も3点目を喫した。 Van der Sart が3回もゴールを破られるなんて2008年の FIFA Club World Cup のガンバ大阪戦以来何回あったのだろう…

3失点目を喫した United はその直後に Giggs からのパスを受けた Rooney がループ気味にシュートを放つが僅かにクロスバーを越えた。これが最後に United サポーター達が沸いたシーンだった。 画像では成す術なしと云った表情の Ferguson 監督と United サポーター達の表情が映し出される。
77分36歳ベテラン Paul Scholes が投入される。Giggs と並んで1998-99 のシーズン大逆転で Manchester United が Champions League で優勝した時の中心選手だ。ただ Scholes はBayern München との決勝戦は準決勝戦の Juventus 戦で受けたイエローカードの為に出場出来なかった。  Giggs も Scholes もこれが United のユニフォームでのChampions League Final になるのだろうか…
残り10数分間 Iniesta のシュート等 Barça の攻撃が続くもスコアーは動かず 3-1 でBarçaが完勝を収め2シーズン振りの欧州王者に輝いた。 

聖地 Wembley は F.A. にとってどういう舞台なのだろう。 1953年11月22日 Magic Magyar ( 3-6 ) 戦, 1973年10月17日 西ドイツワールドカップ予選の Poland 戦 ( 1-1 この引分けで England は初めてワールドカップ予選落ち ) …。
まぁここをホームする England のチームが敗れた時にクローズアップされるのだろうけど….
Manchester United がここで Barcelona に敗れた事も Wembley と云う舞台が主役になることもあるだろう。


1992年5月20日。 European Cup の決勝戦を生れてはじめて生放送で見る機会に恵まれた。商用でポーランドにいた。あの決勝戦。舞台は Wembley そして優勝したのも Barcelona 。European Cup が始まって36年間、ライバルの Real Madrid が既に6度勝得たタイトルに無縁だった Barça が延長戦で Koeman の 30m FK で遂に欧州王者の称号を手に入れた試合だった。
その事を思い出した。

 


2年前は商用で欧州滞在中にこの決勝戦をテレビ観戦した。その前にも何度か…競技場で生観戦出来るか機会があれば一番いいんだけどこの試合がある時は少なくとも“地元欧州”に居たいなぁ….

それにしてもBarcelona の圧勝だった。 Manchester United の戦力を持ってしてもこれだけ差をつけられた。
“今Barçaに勝てるチームはこの地球上にあるのだろうか….” 誰か云わないだろうか….. この6シーズンで3回目の欧州王者。
Barça黄金期を終わらせるチームが出てくるのが次の楽しみかもしれない。



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2 コメント

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とおりすがりですが… (GKコーチ)
2011-06-07 14:02:55
ファンデルサールの1失点目だけは彼らしくないプレイだったと思います。

ファーサイドへのシュートを読んでいたのか、逆を突かれて動けなかったですよね。

あの場面、確か味方DFが1枚カバーリングに来ようとしていたので、ファーサイドへのシュートはブロックされる可能性があったはず。

ファンデルサールは長年に渡る経験のある偉大なGKだと思いますが、だからこそニアへのシュートの可能性を全く放棄したかのような挙動には違和感が残りました。

経験から来る瞬時の状況判断をファンデルサールには発揮して欲しかったです。

とは言え、たとえニアへのシュートに飛び付いていたとしてもあのゴールは防げなかったかも知れませんが(^^;)
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ファンデルサール (Mr. コンティ)
2011-06-19 18:42:18
GKコーチ様

コメント有難うございます。そして返事が遅くなり申し訳ございません。
ファンデルサールも好セーブを連発して奮闘していましたが ”最後”は飾れませんでしたね。
でもなるほどBarçaの先制ゴールに就いてはそういう見方も出来るのですね。メッシのゴールでもう試合は決まった様にも思えました。

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