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スペイン戴冠 あぁやっぱり…そして終わってしまったぁ  Spain 4-0 Italy 1st July 2012

2012-07-03 | EURO Football

決勝戦はあっけなかった。あんなに点差が付くとは思わなかった。スペインは準決勝のポルトガル戦が山場だったのかもしれない。それでも Cristiana Ronaldo のワントップよりも勢いのあった Baloterri, Cassano の2トップのそして Andrea Pirlo のいるイタリアの方がスペインにとっては難敵だと思った。 

4年前と3週間前に対戦
両国はEURO2008 の準々決勝戦と3週間前の1次リーグで対戦している。 
スペインは今大会の1次リーグと同じスタメン。イタリアは3選手が入れ替わった。 Thiago Motta ( PSG ) Emmanuel Giaccherini ( Juventus ) そしてドイツとの準決勝戦が累積警告で出場停止だったCristian Maggio はこの試合もベンチスタートだった。そして Antonio Cassano  ( AC Milan )  Andrea Barzagli ( Juventus ) そして Ricaardo Montolivo ( Fiorentina ) の3選手がドイツ戦に続いてスタメンで起用され、Ignazio Abate ( AC Milan ) がFederico Balzaretti ( Palermo ) に替わって決勝戦ではスタメンに起用された。
4年前、スペインがイタリアをPK戦の末に破った激戦にはスペインは GK Casillas ( Real Madrid ) , Iniesta, Xabi Hernandez, Sergio Ramos そして Cesc Fabregas が出場していた。4年前はエースだった Ferrnad Torres ( Chelsea ) はこの試合もベンチスタート。 スペインのワントップにはポルトガル戦の Negredo に替わって Sesc Fabrigas が起用された。そしてワントップ以外はイタリアは GK Buffon , DF Chiellini ( 共に Juventus ) Cassano そして De Rossi ( AS Roma ) の4選手が4年前の経験者。 De Rossi, そしてこの日はベンチスタートだった Di Natale ( Udunese ) の2人が4年前はPKを失敗した。

過去の対戦、そして1次リーグではイタリアが Di Natale のゴールで先制し今大会スペインから唯一のゴールを奪っていることそして Balotelli が準決勝戦で爆発していることから今大会の出場国ではスペインに対して最も戦えるチームと考えていた。
ドイツよりもいい勝負をと期待したけど。

両者は1920年のアントワープ五輪で初対戦しておりこの時はスペインがイタリアを 2-0 で降している。

ワールドカップを4度制しているイタリアはともかく、EURO2008 から始まるスペイン王朝以前はReal Madrid ,  FC Barcelona こそサッカーの世界を圧巻していたが代表レベルとなるとフランコ総統下の1964年の欧州選手権での優勝と EURO1984での準優勝そしてバルセロナ五輪での金メダルくらいが目立った戦績。ワールドカップ1970、1974年大会そして EURO1992 は地区予選を突破できなかった。ここ4年の“急速な圧倒的強さ”は数十年間サッカーを見てきた者にとってはサプライズのひとつだ。というよりも EURO2008 以前のスペインの方が意外な見られ方をしているのか?

 

                             GK 1 Buffon ( Juventus )

           7 Abate      15 Barzagli     19 Bonucci     3 Chiellini 
         ( AC Milan )   ( Juventus )   ( Juventus )   ( Juventus )

                 8 Marchisio    21 Pirlo       16 De Rossi 
                ( Juventus )  ( Juventus )  ( AS Roma )

                                   18 Montolivo
                                   ( Fiorentina )

               9 Balotelli                             10 Cassano
           ( Manchester C. )                      ( AC Milan )

                                   10 Cesc ( Barça )

       6 Iniesta ( Barça )                                  21 David Silva
                                                             ( Manchester United )

                     14 Xabi Alonso                   8 Xavi
                       ( R. Madrid )                   ( Barça )

                                   16 Busquets ( Barça )

           18 J. Alba     15 S. Ramos      3 Pique           17 Arbeloa
           ( Valencia )    ( R. Madrid )      ( Barça )        ( R. Madrid )

                                    GK 1 Casillas ( R. Madrid )

 

 

スペイン先制 イタリアは疲れが….

スペインのキックオフで始まった試合は2分に左サイド Cassano からのパスを受けた Pirlo が中央からミドルを放つ。 イタリアが先制すれば面白いと誰もが思うところだろう。 5分には期待の Balotelli にボールが渡るがここは Sergio Ramos がマークに入る。
しかしそんな“期待”はすぐに霧散していく。左サイドを Sergio Ramos が突破しJordi Alba に繋いでクロスが上がる。ここはBonucci がCKに逃れ、そのCKに Ramos がヘッド強烈なヘッドを放つ。9分を過ぎるとスペインのパスが回りだしサポーターたちから“オーレ”に掛け声が上がる。4年前はレギュラー選手ではなかった David Silva そしてXavi 、Alvaro Arbeloa らががんがん攻め込んでくる。11分には Cesc からのクロスに Xavi が放ったショットがクロスバーをかすめる。

いずれもゴールネットには至らなかったがポルトガル戦と異なりスペインの“先制攻撃”を見せられイタリアの先制ゴールよりも“早い時間に失点してくれるなよ。”との願いに替わってくる。
だが14分 Iniesta が前に送るとXavi がやや右サイドからChiellini と競り合いながらも折り返しDavid Silva が放ったヘッドがBuffon の守るゴールにあっさりと突き刺さった。 

イタリアが勝つためには絶対に先制点、と思っていたのでこのゴールでも試合が決まってしまったと思った。
しかし16 分からはイタリアが反撃を再び試みる。Ballotelli がArbeloa に倒されてFK を得る。 Balotelli がまたいで Pirlo が直接狙ったFKは Xavi の背中に当たってCKに。再び Pirlo がゴール前に上げるとCasillas が指先に当たってDe Rossi に当たってゴールラインを割る。 Casillas の指先に当たらなかったらドンピシャで De Rossiのヘッドが決まっていただろう。

その直後にスローインを得ると Abate がゴール前の Balotelli にロングスローを入れるもマークに入った Busquets がヘッドでCKに。 Pirlo が右から入れたCKに Barzagli がヘッドでコースを替えるが Ramos がヘッドでコーナーに。今度は左から Pirlo が入れたCKに Chiellini が飛び込むがわずかに合わずにGK Casillas が弾き出す。この連続CKにイタリア同点ゴールの予感が芽生える。

しかし20分守備に戻った Chiellini が膝を抑えて動けない。スペインは攻撃を続けるが最後は Pirlo が Iniestaからボールを奪って外に蹴り出す。アイルランド戦で膝を痛め途中でベンチに下がり準々決勝のイングランド戦は欠場し準決勝のドイツ戦は出られないんじゃないかと思われていた Chiellini だが決勝戦は20分でベンチに下がり Bonucci が投入されることに。 Chiellini の負傷退場によりイタリアの勝利がかなり遠のいたことだろう。

試合前、最も懸念されたのはイタリア選手のコンディション。 決勝戦はスペインより1日短い中2日のインターバル。それだけでない、スペインは準々決勝、準決勝とドネツクで2試合行い約600kmの移動距離を経て決勝戦の地キエフに、1次リーグを終えてずっとウクライナに居座れたのに対しイタリアは準々決勝のイングランド戦をポズナンからキエフに移動し120分間+PK戦まで行う激戦の後国境を越えて中3日でワルシャワに戻りドイツ戦に臨み再び約770kmの移動を経て再びキエフに。 国境を越えた移動、移動距離そしてインターバル、イタリアにとって最大の懸念であった疲労が大きくのしかかっていたであろう。スペインのパスワークに対抗するためにはポルトガルが見せた様な運動量で早く詰め寄りスペースを与えないことと思っていた。この日のイタリア選手たちのコンディションを考えれば試合前から勝負はほぼ付いていたのかもしれない。もし1次リーグでスペインが2位通過であったなら優勝はどこになっていたかもわからなかったかもしれない。

それでもイタリアは同点ゴールを求めてスペインゴールにシュートを放つ。27分には Balzaretti が左サイドを突破しスペインゴール前に送り Balotello が頭で合わせるが惜しくも外れる。29分には Cassano のシュートは Casillas の正面に。 30分の Pirlo が狙った直接FKは右に外れ、33分 Cassano の 20m のショットはまたも Casillas がセーブ。 
アズーリ達のエネルギーが残っているうちに同点に….と思うが41分スペインはカウンター攻撃から最後は中央やや左の Jordi Albaへ Xavi が送り導き出されたシュートが Buffon の守るゴールの左下隅に突き刺さりスペインがあっさりと追加点を決めた。  Casillas のGKからの見事なカウンター攻撃だった。
この時点でスペインが3失点するとは考え難くイタリアの勝利はPK戦以外にないと思われた。

悪夢の様な Motta の負傷退場。

後半からイタリアベンチは Cassano を下げて1次リーグスペイン戦でゴールを決めた Di Natale を投入するが、何故 Cassano を下げたのだろう。大会最後の試合、攻撃選手を華麗に並べて捨て身で一縷の可能性に掛けるというのは日本のジャーナリスト諸氏が嫌う体育会的と批判を浴びるか?だけどジャーナリスト諸氏達の何人がスポーツに汗を流したのだろう?
Di Natale は後半開始早々に早速ヘッドを放つがわずかにクロスバーを越える。 51分にも Di Natale が Montolivo の左からのセンタリングに合わせて10mの至近距離からシュートに持ち込むが Casillas がはじき出し、こぼれダマが Di Natale の足元に転がり Baloteeli に送りヘッドを放つがここも Casillas がストップ。 なかなか Casillas の牙城を崩せない。
57分イタリアベンチは最後の交代選手 Motta を Montolivo を投入する。しかし4分後 Motta は脚を押さえてうずくまる。ハムストリングを傷めて結局担架に乗せられて運ばれてしまった。 既に交代枠を使い切りしかも最後の交代選手が Motta だった。 プランデリッツ監督の心境は…



59分に先制ゴールを決めた Silva が下がり Pedro Rodriguez ( Barça ) が投入された。試合開始から何度か Iniesta が右サイドに入り事があったけどこれで Pedro が左に入り Iniesta が右に張りつく事になると思った。
64分 Balotelli が倒されてFKを得る。 Pirlo がファーサイドの Bonucci に送るが Busquets のマークがきつくてシュートに持ち込めない。 この日は Pirlo が中盤で厳しくマークされ頼みの Balotelli もボールが渡っても幾重に取り囲まれ思うように動けない。 一人少なくなったイタリア選手達の脚もだんだん止まってくる。中2日の疲れがのしかかっているのだろう。
そして75分ついに Fernando Torres がCesc Fabregas に替って投入されトップに入る。フランス戦以来2試合振りの出場。投入目的もフランス戦同様相手の攻撃を“カウンター攻撃”で抑える為だろう。 それでなくてももう試合はイタリア陣内でしかボールは回っていなかった。 そして85分ついに Xabi のスルーパスを受けた Torress がBuffon の守るゴールに蹴り込み3-0 とした。このゴールを喜んだのは Chelsea の首脳陣だろう。欧州選手権の決勝戦で2大会連続でゴールを決めた選手は過去誰がいただろう?欧州選手権で3点差が付いたのは 1972年の欧州選手権決勝戦の西ドイツ 3-0 ソ連以来。ワールトカップではフランス大会の決勝戦がフランス 3-0 ブラジルだった。

そしてその“記録”が塗り替えられる。 88分に Iniesta が下がり Juan Manuel Mata が投入される。これで Chelsea の選手が2人ピッチに立つ事に。 Mata はUEFA Champions League 決勝戦ではトップ下。準決勝戦と準々決勝戦では2列目右で起用されたけどこの試合は…と思っていたら Arbeloa のスルーパスを受けたTorres がお膳立てしたチャンスからイタリアゴールに押し込んで4点差とした。 欧州クラブ王者の FW でさえ6試合目にして初めて残り3分になって出場機会が回ってくるとはそれはスペインの選手層の厚さか? Torres は得点王を狙ってシュートを撃つという選択肢は持っていなかったか?しかし今大会から?設定された出場時間を考慮するという規定も知っていたのかなぁ?

ロスタイムが3分と表示される。あとはスペインが5点目を入れるかどうか…と思う。その反面、早くイタリアの為に笛を吹いてやってるれと Pedro Proenca 主審に願ってしまう。 そしてようやく終了の笛が吹かれスペインのゴールフィエスタも終わりこの4年間でスペインが3度目のビッグタイトルを手に入れた事となった。 

決勝戦が行われた Olimpiysky National  Sports Complex , もう20年以上前商用でキエフを訪れた時にあこがれのこの競技場に来た事がある。あの時は共産圏の雰囲気いっぱいであったが2008年に大改修され今はどんな雰囲気なのだろう?

4年前はカエサルスペイン国王夫妻が競技場にお見えになっていたけど今回はフェリペ皇太子がキエフに来ておられたとか。
レテシェ皇太子妃も同行したのかな?
今回はテレビ画面を通してみた決勝戦そして試合後のフィエスタを見ながらそんな事を考えていた。

そして思った。 FIFA Confederations Cup で日本はスペインと対戦するのだろうか? そして4年後の2016年、俺はフランスに渡って EURO を楽しめるのだろうか……





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