Mr.コンティのRising JAPAN

マスコミの書かない&書きそうもない!スポーツ界の雑学・裏話を、サッカーを中心にコメントを掲載していきます。

5大会連続出場に王手 !! Malaysia U-23 0-4 Japan U-23 22nd Feb.

2012-02-29 | 五輪 U-20, U-17
2月25日、起床するや否やスマホで AFC のサイトをアクセスした。 約4時間ほど前に終了したはずのバーレーンの首都 Manama で行われた Bahrain U-23 と Syria U-23 の試合結果を調べる為だ。
そして私の目には Bahrain 2-1 Syria の文字が飛び込んで来た。

Bahrain は Mohamed Tayeb Al Alawi の2ゴールで Syria に2-1 で勝利を収めた。
Al Alawi は前半12分に先制ゴールを決め、86分にシリアの交替出場選手 FW Ahmad Aldouni のゴールで同点に追いついたが
終了直前再び Al Alawi のゴールで再びリードを奪い、勝点3を挙げ勝点でシリアと並んだと報道されていた。
この試合結果により最も恩恵を受けたのがマレーシアを 4-0 で破った日本でシリア、バーレーンに勝点で3上回り、しかも得失点差で大いに優位に立つ事となった、とも書かれていた….

この結果は本当に多くの日本人を安心させた事だろう。私も日本がマレーシアを破った後よりもこの試合結果を知った時の方が嬉しかったし、大きな安堵感を憶えた….まだ予選は終わっていないけど…



2月初旬シリア相手にショッキングな敗戦を喫した後、マスコミはこぞって“日本は崖っぷち。” “大量得点しかない。”ってな
見出しや“合言葉”が発信され続けた。 山崎、山田、清武らが怪我で離脱していく事でその危機感を煽ってばかりだった。
何点をもって大量得点とするのかは誰も定義しない。それよりも日本が“大量得点”を奪っても対抗馬であるシリアの最終戦は“ホーム”でのマレーシア戦。日本以上に得点を挙げられることも充分に考えられる。ならばなぜ同じ第5節で行われるバーレーン対シリア戦の事を誰も触れないのだろう? まだまだ真のスポーツジャーナリズムが根付くのは遠いと思ったし、その方が自分で色々調べる必要が生じて面白いだろうなぁ….と思うのである。

マレーシアの地と言えば90年代以降は日本サッカー界にとっては“縁起”の良い地であろう。28年振りに五輪出場を決めた最終予選が行われたのがKuala Lumpur のシャーアラーム競技場。 そして初めてワールドカップ出場を決定した地がジョホールのラルキン競技場だった。
マレーシアは一時日本よりも“サッカー先進国”。アジアの列強を招いて Merdeka Tournament が60年代から行われたり、競技場も Merdeka Stadium 、シャーアラーム競技場等日本の国立霞ヶ丘競技場クラスの立派な競技場が建てられていた。
そしてこの五輪予選で使われたBukit Jalil Stadium は 2007年のAsian Cup で使われたがここも周囲には公式の Field Hockey 競技場もある素晴らしい Sports Complex の中にある。
今、もしマレーシア代表チームが70年代の様に韓国も日本も打ち破るだけの実力を維持しておればこの国のサッカー人気は計り知れないものになっているのではないかなぁ…..いつも私はそうおもうのだけど。今はマレーシアでサッカーと云えば Premiership の話題ばかりだ。

注目のスタメンは

怪我人が“続出”する日本 U-23 は GK 権田、 DF ラインは前節シリア戦と同じスタメンであったが中盤から前は負傷者もありかなり替えた。山口蛍と組むボランチはシリア戦では途中出場だった扇原が11月のシリア戦以来2試合振りにスタメンに。ワントップは永井ではなく大迫。高温多湿で試合が進むにつれて相手の脚が止まって来た時に永井のスピードを生かすのではと思われた。2列目は左に原口元気がホームのマレーシア戦以来4試合振りに起用され、前節シリア戦では2列目右だった東がトップ下に。そして2列目右には斉藤が今大会初起用された。 
シリア戦のスタメンとはかなりメンバーが替ったが9月のマレーシア戦と比較すると斉藤と左 SB の比嘉以外の9選手がスタメン起用されていた。

ホームのマレーシアは前節バーレーンに敗れグループ2位以内の可能性も無くなった為かこの試合はメンバーを大きく替えて来た。
最終予選初登場でボランチに起用された Muhammad Nazmi Faiz は17歳。他にも3選手が前節ではスタメンで無かった選手だったがその3選手、 CB Mohammed Fadhli, MF Mohammad Faudi , FW Thamil Arasu は9月の日本戦に出場した選手達。他にも20歳のMF Wan Zaharu Inizan Zakaria をはじめ合計7人の選手が9月の日本戦経験者だった。
前節バーレーン戦で同点ゴールを決めた FW Ahmad Hazwan Bin Bakri はベンチにも入っていなかった。
注目は GK Khairul Fahmi Bin Che Mat. A代表でもゴールを守ることもしばしば。9月の試合でも日本に26本のシュートを浴びながら失点を2に抑えた。彼からはそう容易に大量得点は取れるとは思わなかったが... 
また今年から始まる AFC U-22 大会に向けて GK Khairul Fahmi 以外は20歳以下の選手を多く登用していたらしい。
この AFC U-22 は2016年リオ五輪以降はアジア地区の五輪予選も兼ねるらしく私は非常に楽しみにしている大会だ。

先制 !! そして追加点 !!

日本のキックオフで始まった試合は地元のサポーターの歓声も高くその声援に押される様に開始80秒、左 SB ④Muhammad Zurib からのロングフィードが FW ⑭ Ahmed Shakir に入る。オフサイドの笛はならずあわやのシーンであったがシュートまでは撃たれなず事な気を得た。もしここで決められていればけっこうパニックが起こったのではないか….
その後も柔らかいピッチに脚を取られてか3分4秒には原口から大迫へのスルーパスは長すぎてGK Fahmi が難なくキャッチ。4分46秒には斉藤から送られたパスが大きく跳ねて大迫の足元に収まらない。 キックオフ時の気温が 28.9度、湿度 72% 。“極寒”の日本からやって来た選手達(酒井も寒いドイツから)には堪える気候だっただろう。だから相手が主導権を握る前にペースを掴んで欲しいと願った。 
立ち上がりはマレーシアの守備陣の頑張りが目立った。守護神 Fahmi は7分44秒、山口が放ったシュートが相手DFに当たりこぼれ球を斉藤が拾い放ったショットを左に飛んでナイスキャッチ。16分28秒にも酒井のシュートをファインセーブで防げば、8分14秒東からボールを受けた原口に ③Zurid, CB ⑮Mohammed Amer がマークに入りCKに逃れ得点を防ぐ。 11分32秒には大迫がスローインを受けた扇原が入れたクロスに ③Zurib, ④Fadhli と競りながら放ったヘッドでゴールを狙うが僅かに外れる。
11分32秒には今度はマレーシアが攻撃に転じ ⑰Mohamad Faudi からボールを受けた FW ⑯Thamil Arasu がポスト役になり走り込んで来た 17歳のボランチ ⑫Nazmi Faiz に戻しシュートを引き出すがゴールの右に外れて行った。 
マレーシア選手が日本ゴールに近づくと大歓声が沸く。そして開始から“マレーシア! マレーシア!”と声援が絶えない。マナマでのバーレーン戦よりも観客のボルテージは高いのではないかと思った。



しかし18分マレーシアにアクシデントが起こる。 右 SB ⑤Mahalli Bin Jasulが倒れて起き上れない。 結局 ⑬ Affize Faisal Bin Mamat と交替せねばならなかった。 この交替はマレーシアベンチにとっては想定外だっただろう。 以降は地力に勝る日本が優勢に試合を進める。しかし大迫のループ気味の正面からのミドルシュートが外れる等マレーシアゴールネットが遠い。 そんな中23分には酒井の権田へのバックパスが弱くそれを追い掛ける ⑯ Arasu が最後はスライディングで迫り権田と交錯しそうになる。 立ち上がりにも似た様なシーンが見られへんな形で失点しないか時間が経つにつれて少し心配になった。
34分、右サイドMF⑧ Zaharulnizam Zakaria からパスを受けた ⑫ Nazmi Faiz が中にロブを送ったところを酒井がヘッドでクリアーすると大迫が更にヘッドで落とし斉藤が拾う。そして中央を上がった東にボールが渡り、前線に走り込んだ原口にスルーパスが通る。⑮ Amer がマークに入りボールが原口の足元を離れ右に流れたところを走り込んだ酒井がマレーシアゴールに蹴り込み待望の先制ゴールを挙げた。 GK Fahmi は原口がシュートを放つと予測していた様だった。そしてようやく決まった先制ゴールだった。



しかしシリアがアウェーのマレーシア戦では 2-0 で勝利している。 1-0 でまだ不充分だと思った。ただマレーシアもゴールを上げないとはこの時点では言えなかったけど。
36分22秒には原口からボールを受けた東が放ったショットがポストの右に外れるとその2分後今度はの ⑦ Mohad Irfan のスルーパスを酒井が追い付かずに ⑯ Arasu に通る。しかしここは権田がストップ。40分4秒には酒井が ⑭ Shakir へのチャージにイエローが出されFKが与えられる。FK はともかくイエローは厳しいなぁとこの日のUAE人の Mohamed Ismail Alzarooni主審 に対して思った。そのFKは ⑭ Shakir がゴール前の ⑯ Arasu を狙って入れるが鈴木がマークに付いてシュートを撃たせずそのままGK権田が掴んだ。それでもマレーシアが攻撃を始めると大歓声が後押しをする。
何とか先に次のゴールをと思っていた43分27秒、酒井への ③ Zurib のチャージがファールにとられFKを得る。その FK に大迫が ④ Fahdi のマークを受けながら放ったヘッドがマレーシアゴールに突き刺さり貴重な追加点が決まった。 しかも前半終了間際の良い時間帯であった。 これでバーレーン戦から4試合連続で前半終了間際にゴールが決まった。それがこのチームの強さかもしれない。 そして大迫はこの五輪予選初ゴール。 それも意味のあるゴールだった。

早い時間に追加点。しかしもう1点取れ無かったかなぁ….

後半に入り気温、湿度は下がったのだろうか…と気になる。今年の日本の冬は寒かったからなぁ….
46分大迫が⑮ Amer と空中戦で競り合った後に頭部を地面に叩きつけてしまった。 その後大迫は数度プレー中に座り込むシーンがあり 59分に永井と替ってベンチに下がった。 
49分に酒井が ③ Zurib ⑰ Fandi をかわして中央の東にパスを通し更に折り返したところは GK Fahmi にキャッチされた。DFラインは簡単にかわせても GK Fahmi を破るのはやはり容易ではない。 しかし55分、3点目が決まる。右サイドから酒井が上げたクロスにファーサイドから飛び込んだ原口がボレーを叩きこんだ。 “謹慎明け”の原口にとっては嬉しいゴールだっただろう。
中央でダミーとなって飛び込んだ大迫が CB ⑮ Amer と GK Fahmi を引き付け原口を楽な態勢でシュートを撃たせた。
更に5分後の60分には比嘉からのパスを受けた扇原のシュートをGK Fahmi が一旦は弾いたがこぼれ球を斉藤が押し込み遂に4点差となった。 4失点目を喫した GK Fahmi の悔しそうな表情が印象的だった。ここまで必死に孤独のゴールを守って来たのだけど….



後半に入って日本は斉藤が中に入って来る様になった。そして酒井が何度も上がって来る様になった。 そしてこの試合ではトップ下に起用された東が何度も攻撃に絡んだ。 シリア戦では右サイドで起用され対峙する Omar Al Suma, Mohammed Fares の攻撃の前に前線に出て来る機会がそれほどでもなかった。 またボランチ扇原も守備から攻撃に転じる時の起点に何度もなっていた。前の試合で起用されなかった選手がしっかりと結果を出していた。
マレーシアイレブンの脚は4失点目を境にがっくりと止まってしまった。 55分に MF ⑧ Zakaria が怪我で下がった事も影響したと思われるが個人能力からしても攻撃時は数的優位を保たねばならないのに前線とDFラインが間延びしてしまい攻撃に転じてもシュートに持ち込めずゴールはますます遠のくばかりであった。 
選手のポジションも時間が右サイドの選手が中央や左サイドに出て来る事もだんだん増えて来たがそれは時間が経つにつれて能力の高い選手の個人能力に頼る傾向となった為の様であった。同じ選手ばかりが特に攻撃時に絡んでいた様だった…



日本は予選突破も考えるとまだまだ追加点が欲しいところであった。濱田のヘッドはクロスバーを越え、東のシュートはサイドネットを直撃。 頑張っていたDF陣も最後のマークが徐々にずれて来た。 85分には5点目の決定的なチャンスを迎えた。
右サイド酒井から永井に縦パスが通るそして⑦ Infan を振り切り入れたクロスに交替出場の杉本がヘッドで合わせる。 GK Fahmi を破るがゴールに戻った CB Amer がクリアーし5点目は阻止された。

終了間際にはマレーシアも意地を見せ86分46秒には交替出場の⑪ Syhrul Azwari Bin Ibrahim がドリブルで長躯右サイドを上がるが最後はボランチ山口がマークに付きクリアー。 91分32秒には CK から ④ Fadhli がフリーでヘッドを放つがゴール枠を捉えられない。
そしてMohamed Ismail Alzarooni主審の試合終了のホイッスルが鳴り響いた。 



日本が快勝だったと思えたのは翌日のバーレン対シリア戦の結果を知ってからであった。 むしろ終了直前の決定機を逃した事の方が気になった。 シリアならホームで(とはいってもヨルダンで行われるのだろうけど)ならマレーシア相手に4点くらい取りそうだなぁ..と思い続けていた。
4年前も第4戦、アウェーのカタール戦で終了直前のPKで敗れた次のベトナムとのアウェー戦で 4-0 で勝利を収め最終戦のサウジアラビア戦を引分け北京五輪出場を決めた。

次節、国立競技場でのバーレーン戦で五輪出場を決めてくれる事を願う。

その頃にはもう暖かくなっているだろう。それにしても今年の冬は強烈な寒さだ。 

もう地球温暖化の妄言を吐く専門家も見当たらなくなって来たなぁ… 今日は雪が降って来たぞよ。




最新の画像もっと見る

コメントを投稿