Mr.コンティのRising JAPAN

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Olyroos 史上初の五輪地区予選落ち…..

2012-03-18 | 五輪 U-20, U-17
日本列島が5大会連続の男子サッカー五輪出場を決めた3月14日。 オーストラリア Gosford の Central Coast Stadium で行われたアジア地区最終予選B組の最終節、オーストラリア対イラク戦はスコアレスドローに終わりオーストラリア五輪チームこと Olyroos は最終予選を4分2敗。無得点で全日程を終了した。オーストラリアの男子サッカーが地区予選を突破出来なかったのは史上初めて。

“この日はGK, 4人のDF人そして中盤の真ん中の選手達らの力強いパフォーマンスが見られた。この厳しい環境の中で Chris Harold はよくやってくれた。決して楽な試合では無かった。 この最終戦に向けては一緒に練習する時間が限られた中で我々は高貴な仕事をこなしたと思う。”

全日程を終えた Olyroos のAurel Vidmar 監督はこの様に語った…..
他にUAEとウズベキスタンが入ったB 組は同日タシュケントで行われたウズベキスタン対UAE戦でアウェーの UAE が終了直前に Haboush=Salbookh の決勝ゴールで勝利を収め同組1位となり1990年ワールドカップイタリア大会以来の“メジャー大会”出場を決めた。2位になったウズベキスタンは3月25日からベトナムのハノイで開催される“アジア地区プレーオフ出場決定戦”に回る事となった。

2006年ワールドカップドイツ大会で Socceroos がベスト16に進出しオーストラリア大陸でも football と言えば “ Soccer “ と認知され始めて来たがこの五輪予選敗退、そして近年見られる A-League のチーム消滅が今後のこの大陸での football の立ち位置に影響しないか….と勝手に1人で懸念している。

今回の五輪予選は FIFA  International Match Day に試合日程が組まれておらず欧州組みを召集出来なかった事が敗退の最大の原因とされている。それにシーズン中の A-League から各チームからの召集選手が3人迄と決められていた事も苦戦の原因となった….

彼らはどの様に闘って来たのだろう…..

遠のくロンドンの灯 Uzbekistan 2-0 Australia 5th February

日本U-22 がシリア U-22 に痛恨の敗戦を喫した数時間前、Olyroosことオーストラリア U-22 は極寒の Tashkent でウズベキスタン U-22 に敗れいよいよ1988年ソウル五輪から続いて来たオリンピックの連続出場が厳しくなってきた。

Olyroos' London shot all but on ice

2月5日日曜日の夜にタシュケントで Olyroos がウズベキスタン U-22 に敗れた事によりオーストラリアは28年振りに五輪にサッカーチームを送る事が出来ないと言う危機が持ち上がって来た。メルボルン五輪(この時は1回戦で日本を 2-0 で破っている。)以降ロス五輪までの24年間7大会に亘り五輪予選にすらチームを送らなかったオーストラリアは1988年ソウル五輪以降, 毎回地区予選を突破しサッカー競技にチームを送っていた。しかし今回は既に女子代表チーム Matildas はアジア地区予選で敗退している。

ウズベキスタン戦の敗戦によりウズベキスタンは勝点を8まで伸ばしグループの首位に立ち、オーストラリアは勝点3のままグループの最下位に沈み予選突破にはとてつもない危機に瀕する事となった。
先制ゴールを決めたのは27分、ウズベキスタン FW Kenja Turaev のロングシュート。更に終了5分前に MF Oleg Zoteev が強烈なボレーをオーストラリアゴールに叩きこみ試合を決めた。
この試合のキックオフはタシュケントを襲った寒波の為に気温が急激に下がった為に午後8時の予定時刻から午後3時に変更された。それでも気温は既にマイナス12度にまで下がっていた。
雪で覆われたピッチは凍結しパスやボールタッチを難しくした。そしてそれは決して自由なボールの流れやテクニカルなゲームでは無くなっていた。
Olyroos の立ち上がりは悪くなく Mate Dugandzic, Oliver Bozanic のシュートがウズベキスタンゴールを襲った。 
しかしウズベキスタンは27分に Oybek Kilichev からボールを受けた Kenja Turaev のロングシュートが Olyroos ゴールを襲うも GK Mat Ryan は止める事が出来なかった。
その直後 Jason Hoffman のシュートがウズベキスタンゴールネットを揺すったがこれはオフサイドポジションからのショットであった。
後半に入り両チームともチャンスは創ったがビルドアップやラストパスはピッチコンディションの影響で容易なものでは無くなっていた。
60分には Mitch Nichols のシュートがウズベキスタンゴールに決まり同点ゴール…と思われたがシュートの前のプレーが反則に取られ、またもゴールは取り消された。
86分に Oleg Zoteev のPA外から放たれたボレーシュートがクロスバーの内側に当たってオーストラリアゴールに突き刺さり試合を決めてしまった。
この時間の後に行われた試合で UAE がアウェー(と言っても第三国のカタールで行われた)でイラクを 1-0 で破った事で少しロンドン五輪に向けて希望が出て来た。




3試合連続無得点無失点の Olyroos はスタメンを3人替えてタシュケントでのウズベキスタン戦に臨んだ。
FWには Visconte Rocco Joseph が初めて起用されたが注目の FW Kerem Burutはベンチスタートだった。 
1点ビハインドの76分に Visconte Rocco に替って Burut が投入されたが同点ゴールは生まれずにその約10分後に Zoteev にボレーシュートを決められてしまった。



これで首位を行くウズベキスタンとは勝点差5となり、Olyroos は残り2試合を勝ってもウズベキスタンが残り2試合で1勝を挙げれば勝点で追い付けなくなってしまい、3月25日から29日までベトナムのハノイで開催される各組2位の3カ国で行われるプレーオフに回らねばならなくなる。(ただし2位で日程を終えられれば。)
現状、1位通過出来る可能性は限りなくゼロに近く。最低でも2位に入り込む事を考えねばならない。
しかし3月25日は A-League の最終週に入りその後には Final Series に入る。 所属チームの中心選手となっている五輪代表チーム Olyroos 達を所属クラブが離してくれるだろうか….
オーストラリア協会FFA は再び欧州組Aaron Mooy (St Mirren), Tommy Oar (FC Utrecht) and Mathew Leckie (Borussia Moenchengladbach) らを次の UAE 戦に召集する為に各所属先チームに打診をする事としたが試合はまたも FIFA Match day に行われるのでは無いので召集出来る保証はどこにも無かった。



そして更にオーストラリアに追い打ちを掛ける様なニュースが飛び込んで来た。

Iraq sanctioned for ineligible player イラク資格の無い選手を起用した為に制裁

2月8日。FIFA は11月27日ドバイの International Stadium で行われた試合を 3-0 で UAE の勝利とし UAE に勝点3を加えると発表した。この試合ではイラクが 2-0 でUAEを破っていたが、本来この試合は出場停止で起用出来ないはずのDF Jasim Faisal をスタメンで起用した為。 Jasim Faisal は前のオーストラリア戦では終了直前に警告を受けたが2次予選のイラン戦でも警告を受けており累積2枚の警告を既に受けていた。
そしてイラク協会は FIFA から制裁金 SFR7,000 ( 約 US$7,600 約57万円 ) が果たされる事となった。

そしてこの結果 UAE の勝点は8となり勝点でウズベキスタンと並んだ。そしてイラクの勝点は1になりグループ首位の可能性が無くなり、2位になる可能性も極めて低くなった。
また残りの日程を見ると次節でオーストラリアが UAEを降してもまだ2勝点及ばずオーストラリアが2位に入る可能性も非常に低くなってしまった。
この査定がこの組の最終結果を大きく左右事になった…..

Nichols and Ryall out of U23s squad
Qantas Australian U23s Head Coach Aurelio Vidmar は次節 UAE戦に向けてメンバーチェンジを行った。
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ウズベキスタン戦で警告を受け累積警告の為にUAE戦が出場停止となった FW Mitch Nichols そしてハムストリングを負傷した DF Sebastian Ryall がオーストラリアに帰国となり替りに Gold Coast United の Dylan McGowan が召集された。
UAE 戦に向けて当地で合宿を張る Olyroos は2月16日にフィリピン代表チームを招いて Al Nasr Stadium にて親善試合を行う。 
22日の UAE戦に向けての最終メンバーは下記の通りとなった。

GK
Mark Birighitti (GK : Adelaide United ) Mathew Ryan (GK: Central Coast Mariners )

DF
Oliver Bozanic ( Central Coast Mariners ), Aziz Behich ( Melbourne Heart ), Antony Golec ( Adelaide United ), Dylan McGowan ( Gold Coast United ), Daniel Mullen ( Adelaide United )

MF
Mate Dugandzic ( Melbourne Heart ), Ben Kantarovski ( Newcastle Jets ), Dimitrios Petratos ( Sydney FC ), Matthew Foschini ( Melbourne Victory ), Isaka Cernak ( Melbourne Victory )

FW
Mustafa Amini ( Central Coast Mariners ), Kerem Bulut ( FK Mlada Bolesav, Czech Republic )
Diogo Ferreira ( Melbourne Victory ), Jason Hoffman ( Melbourne Heart ), Matthew Jurman ( Brisbane Roar ), Adam Taggart ( Perth Glory ), Rocco Visconte ( Brisbane Roar )

19人のメンバーの中で FW 登録の選手が7人も含まれている。果たしてゴールは挙げられるのであろうか…

Qantas Australian Under 23s defeat Azkals Friday, 17 February

極寒のタシュケントからドバイに戻った Olyroos は2月16日、当地にフィリピン代表こと Azkals を呼んで勝たねばならない UAE 戦に向けて“練習試合”を行い 11分にJason Hoffman が挙げたゴールで先制。
その後も攻勢を続けた Olyroos だが Dimitri Petratos の決定的なショットを Fulham 所属のNeil Etheridgeがファインセーブでストップする等追加点は生まれすそのまま 1-0 で試合は終わった。

しかし UAE の地でわざわざ練習試合を行い相手に手の内を見せる様な事は必要だったのだろうか…..



Player limit is not the number that matters

日本がマレーシアとのアウェー戦に臨んだ2月20日、オーストラリア紙にあるコラムを見つけた。 当地ではにわかに Olyroo の苦戦の原因が一般で話題になっていたらしい。
その中心は欧州組を召集出来ない事と A-League から1チーム3人迄と言う制約が設けられている事。 それらの事は予選が始まる前から解りきっていいたことでそれがなぜオーストラリア協会 FFA は事前に対応策を練っていなかったのか….と言う事らしい。
Tommy Oar, Brent McGrath そしてMatthew Leckie, と言った欧州組のFW選手が召集出来ておればこの時点で4試合連続無得点と言う得点力不足は改善されていたと思うのは当然であろう。

また最終予選の第4戦タシュケント、第5戦ドバイのアウェーの連戦の17日の期間チームはUAE のドバイを本拠地にし連戦に備えたが何故 UAE なのであろうか….という論議もあるらしい。 ウズベキスタンは極寒の地。UAEは ”灼熱の砂漠” それが試合結果に影響しなかったか?と思われるのも自然であろう。
Vidmar 監督はタシュケントへのアクセスを考えて。との事であったらしいがそれならフランクフルトか旧ソ連邦のどこか(ビザの問題はあるが )でも良かったのではないかと思われれる。設備や生活環境そして練習時の気候を考えれば旧ソ連邦は疑問だがウズベキスタン戦前の合宿地はフランクフルトでも良くは無かったか….
ウズベキスタン戦後はドバイに戻りそこをホームにするUAE戦に備える事となったが丁寧に練習試合 ( フィリピン戦 ) まで行った事により UAE のスカウティングを楽にしなかったか…..

全ての批判はUAE戦の勝利に掛かっていた、と言うよりもまずゴールを決める事が必要であったか…..


Vidmar’s charges maintain optimism

Qantas Australian Under 23 のAurelio Vidmar 監督は予選突破に向けて厳しい任務を突きつけられていながらまだ悲壮感を漂わせていない。
“我々は目の前に何があるか解っている。 まだやらねばならない事はたくさんあるがこの試合で勝てなければ全てが終わりだ。ファイティングスピリットは我々の中にも対戦相手に対してもまだ多くある。


Vidmar 監督は16日のフィリピン戦には前後半でそれぞれ選手を入れ替えて臨み 1-0 の勝利を収め良い感触を得たと語っていた。
“我々はウズベキスタン戦では非常に不運であった”極寒のアウェーの地で2度のゴールがオフサイド、ファールで取り消された事を示唆した。
しかし最後まで望みを託した Mathew Leckie に就いては結局所属先のBorussia Mönchengladbach が召集を承諾しなかった。 ( 大津もそうだった。)

日本がマレーシアを破った数時間後、UAE 対 Olyroos の試合結果を調べるべくAFC の Web Siteにアクセスした…

 

                  続く


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