Mr.コンティのRising JAPAN

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終了直前 手痛い 失点そして敗戦…. Syria U-23 2-1 Japan U-23 5th Feb., 2011

2012-02-15 | 五輪 U-20, U-17

あと数分だった。数分凌げば勝点1が入りロンドン五輪に大きく前進するはずだった。
87分シリアベンチは FK の名手 Mohammed Fares を外して FW Mohamed Wael Alrefai が投入されてた。イラクベンチは11月の国立競技場での試合も終盤に Fares を“ベンチに下げてくれた“。 そしてこの時も相手の”飛び道具“がベンチに下がり安心をした。 87分54秒、左 SB Yasser Shahen が入れたロングスローを跳ね返し、88分30秒、今度は左SB の Mohamuad がロングスローを入れるとそのまま日本ゴール正面に抜けて来る。あっ..と思ったがここもクリアー。 そしてクリアーボールがシリアの選手に当たってからCB Al Salih Ahmed の前にこぼれる。 Al Salih はヘッドでトラップしてボールを前に押し出し、日本ゴール前に放り込む態勢をとる。あぁちょっと入れられたら危ない、誰か当たりに来ないと…と思うと山田があわててマークに入るがそれより一瞬早く Al Salih が蹴った弾道がそのまま吸い込まれる様に日本ゴールネットに突き刺さってしまった。
狂喜乱舞するシリア選手達。 スタンドからは“スゥリアァ !! スゥリアァ !! “ と国名を連呼するサポーター達の歓声が響く…
この試合でイエローカードを受け次の試合は累積警告で出場できない Al Salih の意地の一発だった。

これでまたシリアがリードをした事に….

テレビ画面では呆然とするGK権田が映し出される。しかしまだ時間は数分あるはずだ。同点に追い付くチャンスだって…
左サイドをドリブルで上がった永井が入れたクロスにファーサイドで大迫がヘッドで狙うがシリアDFがクリアー。 競り合いで交錯したのかボランチの Solaiman が倒れて起き上らない。 しかし本当に Thaer Krouma と替ってベンチに下がってしまった。 
92分50秒。東が倒されてFKを得る。最後のチャンスになるかもしれない。山田と扇原がボールに寄る。直接狙うには少し遠すぎる。山田が前線で張っていた比嘉にゴロのパスを送るが比嘉の手前でイレギュラーしシュートが撃てない。右サイドに走り込んだ鈴木に送りそこから送られたクロスに永井が飛び込むが GK Ibrahim Alma がしっかりとキャッチ。そのままゴールラインを踏んだかもしれないけど…. 今度は Alma がボールをタッチラインの外に出して倒れて立ち上がらない。 まだ時間はあるかな…..と思うもようやく試合が再開され、入れたスローインはシリア人選手に奪われそのまま大きく前に蹴りだされ、シンガポール人の Abdul Bashir 主審の試合終了のホイッスルが鳴り響いた。   あと少しだったのになぁ…..手痛い、失点そして敗戦となってしまった….



11月の国立で劇的な勝利を収めロンドン五輪に向けて一歩前進した日本五輪代表チームはこの予選最大の山場となる“アウェー”のシリア戦に臨んだ。 政情不安のシリアでは試合が出来ないのでシリアのホームゲームは全て隣国ヨルダンで行われる。
大一番と云っても東京で勝利を収めているので勝たねばならないのはシリアの方で、日本は引き分けでもロンドンへ大きく近づく事が出来たのだった。
11月のバーレーン戦、シリア戦で活躍した大津が招集できない。欧州組と云うよりもシーズン中の選手を呼べない事の方が厳しくは無かったか…しかも試合直前に清武が怪我で離脱。 この大事な一戦を前に…思えばこの時点で災難は始まっていたのだろう。勝たねばならないシリアは11月の日本戦のスタメンからメンバーを2人替えた。CB を Mohammed Dass からAbdu Al Nasek Hasan に。そして交替で出場した Mardek Mardkian が Nassouh Nakkdahli に替ってスタメン起用された。 11月の日本戦で途中から入ったMardkian はなかなか良い動きを見せていたので要注意だった。だけどあの時は FK 得意のMohammed Fares と交替で投入されてたので Fares と交替で下がった事の方を喜んだ。
日本はこの日は永井がワントップに入ってスタメン。大迫がベンチスタート。山口蛍と組んだもう一人のボランチは扇原ではなくて山村。 大津に替って山崎が2列目左でスタメン起用された。 大迫はいつ投入されるのだろう…とキックオフの前に思った。



さすがに中立開催地。観客は少ない。熱心な日本からのサポーターと在留邦人は何人くらい来ていたのだろう….
そしてこちらも在留だろう。シリア人も100人くらいいたのかなぁ….大きな声でそして Asaad 大統領の顔写真の入ったシリア国旗を打ち振る人達も….わざわざシリアから応援に….とは考えにくいなぁ…

観客が少ないとかえって試合への集中に時間が掛かるらしい…とこの日のNHKの解説をした宮本元代表主将は話していた。
コイントスで勝った日本は太陽の角度を考えたらしくコートの方を選択した。 そしてシリアのキックオフで始まった試合は立ち上がりから“ホーム”のシリアが早くそして強い当たりで前に出て来る。勝たねばならないのはシリアの方だからそれは当然だった。
開始56秒最も警戒するべくエース Omar Al Suma から Mohamad Al Mawasにスルーパスが入る。比嘉が追掛けるがその前に Al Mawas が転倒しPKが与えられるのではと案じられたが、ここは Al Mawas が足をとられたとの事でホイッスルは鳴らない。
4分6秒には相手ゴールキックを酒井がヘッドで落とすがこれがシリアの Mardkina の前に転がりそのまま拾われシュート体勢に入られる。酒井が後方から追掛けシュートに入る前に Mardkina は転倒するがここもノーホイッスル。酒井のプッシングを取られても…と云うシーンだった。 シリアは12分50秒にも Al Suma が浮球を上手くコントロールしてシュートを放つなど序盤ピッチコンディションとなかなか試合に“入れない”日本イレブンを圧倒するかのような積極性が目立った。
そして14分26秒。スローインを受けた鈴木が前線の山崎にロングフィードを送ると山崎は Yasser Shahen と競り合って落ちた時に腕を傷めてそのまま立ち上がれない。 結局そのままベンチに下がりこの時点で早々と大迫の登場となった。

  

ちょっといやな事が続くなぁ…と思うと試合再開後に Al Suma が力強いドリブルで上がる。そこを山口と比嘉が挟み込むように倒してFKを与える。 距離はあるので直接は狙わないだろう。 Al Suma, Mardokian らのマークは…と思っていると Mohammed Fares が蹴ったFKはそのまま日本ゴールに入ってしまった。 クリアー仕様とした大迫の頭にかすって僅かにコースが変わり、悪いゴール前のピッチで変に弾んでGK権田が抑えきれなかった。
スタンドからが“スゥリアァ ! スゥリアァ ! “ とシリア人達からの歓声が飛ぶ。 不運と云えば不運だけど、開始からシリアの2列目は高い位置を取り中盤でも日本はなかなかボールがおさまらず試合に入りきれない日本イレブン達の隙を突かれた様な失点だった。
失点で目が覚めたか日本選手達も動きが早くなって来た。そしてなかなか上がれなかった東が前に出てこられる様になった。それは相対する MF Fares と SB Mohammed Zbida が出てこなくなったからだ。 そして酒井も前に出て来るようになった。
それでもシリアは Zakairia Al Omari, Solaiman と云ったボランチが攻守に良く動き中盤でのパス交換に絡み日本のマークを外して来る。また日本がシーズンオフと云う事もあって一歩の出だしがシリアの方が早い。 酒井や東が上がった後ろのスペースにボールを入れて来るようにも思えた。
31分には Al Suma と Mardkian の2人で一気に日本ゴールに迫る。 39分にはカウンターから左サイドに流れた Mardkian に
ボールが入りいれたクロスに Al Suma がオーバーヘッドで狙うがここはGK権田の正面に。 シリアのFW  Mardkian と Al Suma の2人でやられ過ぎだなぁ…と思う。
特に Al Suma 止めるのにマークが2,3人は必要だ。 この試合の後に行われた Kuwait Permiershipではゴールを決めて所属先の Al Qadsia に勝利をもたらしている。

劣勢の日本は41分にようやく永井から右サイドに上がった山村にフォードが入りヘッドで中に折り返したところを大迫が CB Al Salih を背負いながらシュートを放つがポストの右に外れて行った。この試合初めて見せた攻撃だった。
まぁこれ以上失点してくれなければいいか….と思った45分中盤でボールを受けた大迫が前線に走り込んだ永井にスルーパスを送るとフルスピードで走り込んだ永井が CB Abd Al Naser Hassan のマークを振り切り逆サイドを狙ったシュートがそのままシリアゴールに決まりロスタイムに入って同点ゴールを決まった。 大迫の見事なスルーパスそして永井の走り込みであったが、それよりも同点にした時間帯が最高であった。 
そして前半は 1-1のまま終える事ができた。内容はともかく、日本にとってはこの時点で最高の前半だった。だけど同点にしてから1度ピンチも迎えた…



日本のキックオフで始まった後半も立ち上がりは49分にカウンター攻撃から大迫、永井と繋いでシリアゴールに迫った以外はシリアが攻勢に出る。 51分には Solaiman から Al Mawas にパスが繋がり比嘉がかわされシュートに持ち込まれるが山口がクリアー。そしてそこには Mardkian が詰めていた。その直後のCKも一旦はクリアーするがスルーパスを通され Al Suma にシュートを撃たれるがGK権田がストップ。60分にはPAのすぐ外しかも正面で濱田が Al Suma に入れたチャージがファールに取られてFKを与えてしまう。 シリア選手達が日本ゴールに迫る度にスゥリアァ、スゥリアァと歓声を送っていたシリア人達の歓声がひときわ高くなる。彼らの家族は無事なのだろうか…
この危ない位置からのMohammed Fares のFKは日本選手の壁に当たり事無きを得た。 
69分久々 CK のチャンスを得た日本はファーサイドに鈴木がヘディングで狙うが叩きつけたヘッドはやや弾み過ぎて惜しくもポストの左に外れて行く。 55分過ぎから日本もボールが回る様になったがなかなかラストパスが通らない。こういう時はセットプレーで…と期待はするのだけど…
72分。勝たねばならないシリアは FW Mardkian を下げて 11月の日本戦ではスタメンだったNassouh Nakkdahli を投入すると75分に日本ベンチはボランチの山村に替えて扇原を投入した。 これで日本にボールのおさまりどころができた様で次第にペースを掴み出す。78分には山田から永井にスルーパスが通るがここは Yasser Shahen がクリアー。80分には扇原からパスを受けた山口が中央の山田にボールを送る。壁パスの様に山田が右に走り込んだ大迫に送り大迫はファーサイドを狙ってシュートを放つが惜しくもゴールポストの僅かに左に外れて行った。 これで決まれば大きくロンドン五輪に近づいたのだけど….
82分には永井がドリブルシュートを見せるが惜しくもクロスバーを越える。 それでも終盤になって日本のペースとなり、得点は入らなくても良いからこのままシリアを抑えてくれれば。勝点1が入れば予選突破が大きく開けてくる…そう思いだした…..

ショックの残る負け方だった。これでシリアが蘇生してしまった。
前回、北京五輪でも確か4試合目はアウェーのカタール戦で終了直前にPKを与えて敗戦を喫した。しかし続くベトナム戦では 4-0 で快勝を収め最終戦のサウジアラビア戦を引き分けて五輪出場を決めた。
幸いなことにシリアが次に対戦するバーレーンはマレーシアを破り勝点6となった。これでバーレーンのモチベーションが上がる中、次節はホームにシリアを迎える事となる。 
またこの試合には敗れたがシリアとの直接対決は1勝1敗得点、失点が3ずつなので当該同士以外の対戦成績が結果を左右する事になった。 こうなると次のマレーシア戦はアウェーとはいえシリアがアウェーのマレーシア戦での戦績 2-0 以上の勝利が要求される。 山田が怪我で離脱の報道が入って来た。 欧州組は招集できるのだろうか….清武は起用できるのか….

心配は尽きないが結果を出してくれる事を願う。でもマレーシアは昔はと良かったんだよなぁ….( また云ってしまった。)

だけどシリア国内の情勢はどうなるのだろう?国連の制裁決議案は中国、ロシアが拒否権を発動し、英国をはじめ西側の報道は連日政府軍の砲撃で何人の死者が出た...と報じられている。こういう国だからこそ五輪出場は必要なのだろう...だけでプレーオフで勝ってくれよ。






そして私はシリア戦の翌々日39度の熱が出た。1日で回復し、医者にはインフルエンザではなく風邪と診断された。

あぁ良かった


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