Mr.コンティのRising JAPAN

マスコミの書かない&書きそうもない!スポーツ界の雑学・裏話を、サッカーを中心にコメントを掲載していきます。

欧州でテレビ観戦 UEFA Champions League Final

2009-06-02 | EURO Football

ワールドカップ よりもレベルの高い戦いと言われている UEFA Champions League 。
その決勝戦が行われた5月27日。私は商用で西ドイツ時代の首都 Bonn にいた。 ドイツ人は有難い事に仕事は午後5時前にはさっと終わってくれる。 更にこの日の訪問先は長年付き合った代理店。 私の“事情を察して ”Arbendessen “ の招待は無かった。
ホテルまで送ってもらい、書類等を整理しこの日の Arbendessen を探しに街にでた。Bonn は仕事でも何度も来るが忘れられないのは前回の ワールドカップ。
当時、街はほぼワールドカップ一色。SAMURAI JAPAN の宿泊地となり多くの日本人と遭遇しドイツそして世界の football junky 達と触れ合った。 あれから3年か…… Wasser Mineral 等をスーパーで買い、“行きつけの” Sushi Take Away Shop に。 ここの Take Away を経営しているのは結構若くてきれいな長髪さらさらの韓国人女性。3年前丁度私が Nürnberg で行われた日本対クロアチア戦の帰りにここの前を通った時に大極旗がこの店の前に掲げられていた。寿司を買おうかと中に入ろうとしたらここの女性主人が申し訳なさそうに „ Ausverkauft  売り切れ “ と私に説明した。私が着ていた日本代表のレプリカを指差し、そして彼女が韓国人だと想像できたのでお互いの代表チームのワールドカップでの戦いを少し立ち話した.......

今回はその女性主人はいなかった。しかし親切なドイツ人の店員さんが “ Donburi の Take Away も始めました。” と教えてくれ、寿司と YAKITORI DON を勝って帰る事にした。でもこの日のドイツは前日の雨のせいか少し肌寒かった......

ホテルに戻ったのはキックオフのまだ1時間以上も前。しかし20:15 からテレビ中継が始まった。  Bayen München でも指揮を執った事のある Ottmar Hitzfeld 現スイス代表監督が解説している。 私は何故 DFB が彼を代表監督に迎えないのか未だに理解が出来ない。 一説には“彼はテレビ解説が好きだから。”との話があるらしいが.....

両チームのスタメンが紹介された。 Barcelona はDF のDaniel Alves が累積警告。
そして Eric Abidal が前節の Chelsea 戦で退場になり出場停止。 Puyol, Sylvinho がサイドバックに入る。 そして Henry がスタメンに戻って来た。

                               9 Eto’o

   14 Henry                                   10 Messi

               8 Iniesta                    6 Xavi

                        28 Busquets

   16 Sylvinho    3 Pique    24 Toure    5 Puyol

                       GK 1 Valdes Eto’o,

ただバルサの前線は試合中でも目まぐるしくポジションを変える。
Iniesta, Puyol, Valdes が3年前の Final の出場経験者。Henry は Arsenal のメンバーとして出場。
一方の Manchester は前節快勝した Arsenal 戦とほぼ同じメンバー。 Darren Fletcher に替って Ryan Giggs がスタメンに。 Gary Neville はベンチにも入っていなかった。 Neville は Champions League では準々決勝の 1st Leg の72分から途中出場して以来ピッチに登場する事はなかった。 Capello の代表では無くてはならない存在らしいが…. そしてかつて愛する京都サンガでプレーした朴智星が昨年はベンチ入り出来なかったがスタメンに名を連ねた。

                              7 Ronald

              10 Rooney                  13 朴 

        11 Giggs      16 Carrick      8 Anderson

     3 Evra    15 Vidic    5 Ferdinnand    22 O’shea

                          GK 1 Vander Sar

朴と Anderson を除く9人が昨年の決勝戦の出場経験者だ。
両チームの選手達が入場する。ゴール裏の Manchester United 側のサポーター席に違いない。  FOR SIR MATT の人文字が映し出される。試合前日1909年5月26日生まれの伝説の Sir Matt Busby の生誕100年を迎えたその祝賀イベントをここでサポーター達が行うと聞いていた。 1968年の European Cup, 1999年と昨年の UEFA Champions League に続いて4度目のタイトルを Sir Matt Busby に捧げられるだろうか。 

                   

一方対戦相手の FC Barcelona は3年振りの決勝戦進出。1992年、2006年に続いて3度目のUEFA Champions League を狙う。 意外だったのは Europe Champions Cup 時代、Real Madrid が大会創設から5連覇を含む6度も優勝したのに Barcelona は1992年 Wembley での決勝戦、延長に入ってRonald Koeman の強烈な直接FKが Sampdoria Genoa ゴールネットに突き刺さり勝ち取ったのが最初の Europe Champions Cup であった。 この試合を私は商用先の Poland Warszawa でテレビ観戦していた。 初めて見るハイレベルの試合に文字通り手に汗握るテレビ観戦であった。 今回チームを指揮するのは Josep ( Pep ) Guardiola Sala 。この時のメンバーでもあった。 他にも GK Zubizeretta, Juan Carlos, Bakero, Laudrup そして Stoichikov がいた。 監督は Johan Cruyff だった。
Guardiola監督のキャリアーとしては対戦する Sir Alex Ferguson とはまだ比較しにくいだろうが Champions League となって史上初めての同一クラブ2連覇を阻止できるだろうか……

Barcelona のキックオフで始まった大一番。 立ち上がり直後から Manchester が文字通り怒涛の勢いで Barcelona ゴールに襲いかかる。48秒には Anderson のドリブル突破を Yaya Toure が倒してFKを献上する。キッカーは Ronald 。 狙い澄ました32mのショットはワンバウンドで GK Valdes が弾きそのこぼれ球に朴智星が詰め寄るがその前に Pique がコーナーに逃げる。 そのCKからこぼれ球を拾った Rooney が撃つがこれは枠を外れる。 4分45秒には Ronald が中央からミドルを放つ。しかし右サイドで手を上げた朴はフリーだった。 Ronald は8分6秒にも左からのボールをバウンドをうまく利用してシュートを放つがファーサイドの右側に外れて行った。この時点で Manchester のシュートは5本に対して Barcelona は 0 だった。
しかし先制ゴールは Barcelona 。中盤で Messi からボールを受けた Iniesta がドリブルで中央を突破。エリア付近で右サイドの Eto’o に出すと Eto’o がマークに着いていた Vidic をかわして Carrick がタックルに入る前に放ったショットはGK Van der Sar を破って United ゴールに突き刺さった。 自分の左腕を叩きながらコーナーフラッグに走り喜びを爆発させる Eto’o 。攻め続けていた United は初めてのピンチに失点を許した。

              

この失点に動揺したのかその直後 Van der Sar はバックパスの処理をあやまりCKを与えてしまったがこのピンチは失点を逃れた。
15分36秒、左サイド後方から右サイドに流れたRonald にロブが入り中に切れ込み突破をはかろうとしたところを Pique が倒してこの試合初めてのイエローが出る。 
そして左サイドから20mのFK を Giggs が直接狙うがここはクロスバーを越えて行った。 19分58秒にはダイレクトパスをつないで朴がゴール前に迫るがここは GK Valdes がクリアー。その直後に Ronald が Toure がマークに入る前に放ったショットはゴール枠を捉えられなかった。 21分50秒には Rooney のドリブルからCKのチャンスを作り、そこから Ronald の放ったヘッドはわずかにクロスバーを越えた。
開始直後の猛攻。そしてこの時間帯の攻勢を見ると United がいつ同点に追い付いてもおかしくないと思ったが、先制ゴール後から Barcelona は低い位置取りからボールを奪うと比較的ゆっくりと前線にボールを繋ぎその間に後方から次々と人が出て来きて数的優位を作ってしまう。 特に両サイドバックの Puyol, Sylvinho の上がりが良い。 国際映像(であろうとおもう。)は比較的カメラの位置が引き気味なのでそのへんのところが良く解かる。ただやはり観客席からでは無いので両サイドバックが上がった時に誰が埋めているかはよくわからなかった。数的優位を保たれると技術力の高い Barcelona の選手網からボールを奪うのは困難だ。時間が経つにつれて United をトップの Ronald にロングボールを放り込むばかりになって来た。 
そして Barcelona は Iniesta Messi のドリブル突破が目立ちはじめる。

            
     

26分53秒には右サイドをドリブル突破をはかる Iniesta を Anderson が倒してFKを得る。 その26mの FK を Xavi が狙うがポストのわずか左に外れる。 
その直後には Messi が中央からドリブル突破をはかると Rooney, Carrick そして Vidic の3人がかりで止めにかかるが最後は Messi が Vidic のシャツを掴んでファールを取られた。

              

前半はこのまま 1-0 で終わったが後半。United はどうやって同点ゴールを狙うのだろうと思った。 後半に入り United は Carlos Tevedz を Anderson に替えて投入し前線の右に入れ朴智星を2列目の右に下げる。私は朴が替えられるかと思ったけど….
最初のチャンスを Barcelona 。48分に Xavi からボールを受けたHenry が左サイドから Vidic をかわしてシュートに持ち込むがここは Van der Sar がブロック。以降も Barcelona の攻勢が続く。 49分59秒には Eto’o のスルーに Messi が走り込もうとするが倒されるもノーホイッスル。  51分46秒には Iniesta のドリブル突破を Tevedz が倒してFK. ポジションも正面で距離もわずか18m 。  Xavi が直接狙うがポストを直撃。 Barcelona がいつ追加点を挙げてもおかしくない展開になって来た。 
United は後方でしかボールが回せず、前線にボールが出ても両サイドを抑えられてしまっている。 スタンドからは口笛が飛ぶようになった。 55分39秒には Tevedz, Rooney で右サイドを突破し中に入れるも Ronald , 朴に合わない。 60分にはロナウドが左サイドをドリブルで上がり Carrick を経て右サイドの Rooney に送られるが繋がらない。 その直後にはスルーで抜け出した Rooney がシュートを放つが Puyol がブロック。 Ronald がオフサイドを取られて天を仰ぐシーンも。
67分遂に朴智星がベンチに下げられブルガリア人FWの Berbatov が投入される。アジア人として史上初めて Champions League そして Champions Cup の決勝戦をプレーした朴智星であったが良い処は見せられなかった。開始直後のチャンスを押し込んでいれば….と悔やまれる。 でも彼は愛するサンガの卒業生だ…..
Berbatov がトップの真ん中に入り、2列目に左から Ronald Tedez Rooney の3人が配置される。 こうして攻撃のタレントが揃ってきたが、 Barcelona に追加点が入る。 70分Puyol がドリブルで上がり右に開いた Eto’o に送る。 Eto’o は中に入れるがクリアーされる。しかしこのボールを拾った Xavi がドリブルであがりアーリークロスを入れるとそこには Ferdinand と O’Shea の間に走り込んだ Messi がフリーでいた。 Messiはやや後方にジャンプしそのクロスを頭で United ゴールに叩き込んだ。 

        

1999年の Bayern München との決勝戦では奇跡の逆転勝利を収めた Machester United だがこの試合展開で2点差がついては....と思った。それでも United は71分に Giggs からのクロスから Ronald がシュートを放つが GK Valdes がブロック。そのCKから Berbatov がボレーを放つがこれは枠を捉えられない。 Ronald は焦りが生じたか Barcelona が攻撃に転じた74分にマークに手を焼いた Puyol を倒してFKを与えてしまう。 Xavi が入れたクロスに Puyol がヘッドで狙うがここは GK Van der Sar の正面。スタンドからはバルササポーター達の  “バルサ ! バルサ!! バ~ルサッ !! ” の合唱が聞こえて来る。 Ronald は78分にも Puyol へのチャージがファールに取られイエローを出される。そして Xavi が何か Ronald に叫ぶ。そしてRonald と Rooney が左右のポジションを入れ替わった。 Rooney はこの試合3度目のポジションチェンジだ。  Puyol は難攻不落だったか。

       
       
そのPuyol は84分がフリーでシュートを放つが Van der Sar がファインセーブ。 この試合 Van der Sar は2失点を許したが敢闘賞ものパフォーマンスだった。 87分 United がCK のチャンスを得る。 Ronald がおとりになりボールがかぶり後方の Berbatov がフリーで放ったヘッドはクロスバーをわずかに越えてしまった。 
これが入っておれば試合展開はまだまだわからなかったのだが... 結局3分あったロスタイムの間にも United は得点を挙げられずにタイムアップ。 Barcelona が3年振りのタイトルを勝ち取った。そして Manchester United のUEFA Champions Leageu の不敗記録は25でストップした......

ベッドで寝転がってテレビ観戦していた私はまどろみ始め....... 約半時間近く寝入ってしまった。 でもテレビはまだ Roma の Stadio Olimpico の様子を映していた。 日本は何時だろう.......

翌日の欧州の新聞は MESSI の文字が一面を派手に飾っていた。
12月 UAE で開催される Club World Cup に Barcelona と J リーグのチームが戦う事が実現する事を祈りながら Frankfurut 空港に向かった........ あぁ時差が取れない。

   

      



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