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チャンピオンズリーグ 準決勝 ミラン vs バルサ

2006-04-15 | EURO Football
ベスト4が出揃った Champions League 。先週末、それぞれのチームが戻った国内リーグでは激戦の疲れかあまり芳しくない成績であった。勝利を収めたのはミランのみ。ホームで AC Chievo Verona を Kaka の後半3得点と前半その Kaka のお膳立てでネスタが先制を決め快勝した。翌週はミラノダービーだ。バルサとの準決勝戦もサン・シーロで迎える。ここしばらく地元ミラノに居座れる事はシーズン終盤の疲労が蓄積する上でのハイレベルな連戦続きにはありがたい日程であろう。 そのバルセロナは Real Racing Club Santander と 2-2 と引分た。2位バレンシア、3位レアルマドリード(勝点はバレンシアと同じ59。得失点差で3位)に11勝点差をつけているが翌週は同じく Champions League の4強に残った Villareal をホームに迎える。 バルサはロナウジーニョを Villareal はリケルメ、ソリン、タッキナルディーそしてディエゴ=フォルランをバルセロナ戦から外し Champions League に備えるらしい。バルセロナはデコこそ Villareal 戦には出場予定だが、アルゼンチン代表の新鋭メッシがハムストリングの負傷が癒えず、またベレッティもアキレス腱の故障が完治しない。プヨルは復帰の目処が立ったが、ふくらはぎを痛めたマルケスと膝を怪我したエルナンデスはまだ練習メニューを完全にこなせていない。Liga de Espanola は残り6試合。もうバルサのタイトルは揺るがないとおもわれるのだが。今季台風の目となっている Villareal は La Coruna と 1-1 で引分けた。 現在Champions League 出場圏にある4位オサスナは勝点58。 Villareal は8位で49点。 La Coruna は7位で50点だ。最後に苦しいのはレアルマドリード、ユーベントスを連破しながら前節はマンチェスター・ユナイテッドに 0-2 と完敗し4位 Tottenham Hotspurs に4点差をつけられ今季の Champions League で優勝しないと来シーズンの同大会出場が危うい Arsenal。4月22日はスパーズをホームに迎えた直接対決が待っているがそれまでに勝点差とチーム状態がどうなっているだろう?だが Arsenal と共に熾烈な4位争いをしている Spurs と Blackburn のサポーターは Gunners の欧州タイトルを違う意味で熱望しているのかもしれない。

Champions League 注目は上記した4月18日にサン・シーロで行われるACミラン対FCバルセロナの1戦だ。しかし過去の実績を見るとミランにやや分がありそうだ。まずミランはChampions League では準決勝で敗退した事が無い。今季はグループリーグ以降ホームではバイエルンに 4-1 リヨンに 3-1 と連勝しており、他のセミファイナリストとの違いを見せている。今季、サン・シーロでは5試合行い13得点。3試合で3得点そしてバイエルン戦で4得点とインザーギ、シャフチェンコの攻撃力が数字に現れている。グループリーグでは PSV アイントフォーフェンとスコアレスドローであったが、サン・シーロで勝てなかったのは 2003/04 のグループリーグ依頼13試合中この試合のみ。残りの12試合は全て勝利を収めている。ミランとバルサの直接対決は1959年 Champions Cup の1回戦。その時はサン・シーロでバルサが 2-0 でミランを降した。しかし以降、バルセロナはサン・シーロでは4戦しているが、昨季 Champions League のグループリーグでシャフチェンコのゴールでミランに 0-1 で敗れ、他の年にはインテルにも敗れている。最近のサン・シーロでの対決は、2000/01 の第一グループリーグではサン・シーロでは 3-3 の引分だ。まだバルサはサン・シーロでは勝利が無い。両者の欧州カップ戦での戦績はミランの4勝3敗6分けだ。 そして、最も印象に残っているのが1994年5月18日 アテネ五輪競技場で行われた Champions League の決勝戦だ。 下馬評ではロマーリオ、ストイチコフを擁するバルセロナがやや有利。この年の1月にカンプ・ノウで私達夫妻はバルサ対レアルを観戦したがバルサがロマーリオ、クーマンらの得点で 5-0 と歴史的な勝利。リーガでもシーズン初めにこそ、ベベートを擁するラ・コルーニャに独走を許したが終盤に猛追。最終戦のロスタイムでPKを得ながらそれを決められず勝利を逃したラ・コルーニャをひっくり返しリーガ連覇を果たし以降4連覇まで伸ばす事になる。クライフ体制の全盛期にあった。しかも決勝戦はミランの重鎮フランコ=バレジが怪我で出場出来ないハンディを背負わされた。しかし、蓋を開ければミランが終始バルサを圧倒。後にJリーグ入りしたダニエル=マッサーロが22分に先制すると前半終了直前にもマッサーロが追加点。後半開始早々の47分にはサビチェビッチが3点目を決め、その11分後の58分にはデサイーが4点目。尚も主導権はミランが握り続け4点差で終わったのがバルサにとって幸運なくらいであった。自慢のロマーリオ、ストイチコフの攻撃陣もデサイーを中心にしたミラン守備陣に子供扱いされゴールの臭いも感じさせられず。試合後蒼白のバルサのクライフ監督は“あんなサッカーをされてはこの地球上でどこのチームも太刀打ち出来ない。例え国家代表チームであっても。”と言うのがやっと。当時ミランの指揮を振るったカペッロ監督とは対照的であった。 その決勝戦の両チームのメンバーは下記の通り。

AC Milan
ロッシ、タソッティ、ガリ、マルディーニ(ノヴァ)、パヌッチ、ボバン、アルベルディーニ、デサイー、ドナドーニ、サヴィチェヴィッチ、マッサーロ  監督 ファビオ=カペッロ

FC Barcelona
スピサレッタ、フェレール、クーマン、ナダル、ベギリスタイン(エウゼビオ) バケーロ グラウディオーラ、アモール、セルジ (キケ) ストイチコフ ロマーリオ 監督 ヨハン=クライフ

ミランは翌年の Champions League でも決勝戦に進出し延長戦で Ajax に敗れたが3大会連続決勝進出の偉業を遂げる、文字通りグランデ・ミランの全盛期であった。当時この強すぎるACミランは対戦相手のサポーターには激しい羨望と嫉妬の目で見られ、アウェーゲームでは試合中に応援に駆けつけたミラニスタ達に向けて “ Milan ! Milan ! Go Home Milan !!” とよく罵声が浴びせるが、それでもミランの勝利で試合を終え、警官隊に保護されながら帰途につくミラニスタ達をよく見かけた。 最近のミラニスタ達はその10年前当時とは表情も変わった。 一時低迷し人気の面でもユーベントス、マンチェスターユナイテッドそしてレアル・マドリードの後塵を拝するようになり、勝利に飢えた時期が続いた事が彼らをやや謙虚にさせた気がする。 今年もまた後世に語り継がれる名勝負を演じてくれるだろう。


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