Mr.コンティのRising JAPAN

マスコミの書かない&書きそうもない!スポーツ界の雑学・裏話を、サッカーを中心にコメントを掲載していきます。

箱根駅伝 あぁ自堕落な私....

2007-01-04 | 陸上競技
1月3日。目が醒めた時はもう復路の号砲が鳴っていた。先頭の順大、清野純一君は既に11km付近を通過。もうスタートしてから半時間は経過していた。“あらら、正月からご苦労なこっちゃな。”と呟きながら着替える。選手達はこの日の為に1年間、いや中には4年間必死に練習を積み重ねてきたのだ。かつて陸上競技に身を置いた私が自堕落しているに過ぎない。 外は昨日よりかは気温が高そう。そして何より無風状態。“これなら汗をたっぷりかけるぞ”とウィンドブレーカーの下には長袖のトレーナーを着込む。これで年末休暇は31日を除いて毎日走る事に。しかし、中々外に出られない。“1区の中継を見てから走ろう”と。現役時代は他人の走りなんてどうでも良かったのに。前日5区今井君の劇走で往路優勝を果たした順大。私の学生時代は全盛期。それはトラック種目も同じであったが、筑波大学にインカレで総合優勝をさらわれ連覇が途切れたのを思い出す。往路優勝は17年ぶりとの事、それは意外だった。この日の見所は2位以下の東海大、日体大、早稲田、日大あたりがどう追いすがるかと今年は10位まで拡大されたシード権争い。 6区を走り終えた小田原中継所では1位順大と2位東海大、皆倉一馬君との差は1分53秒。この区間で11秒離された。この山下り区間は今、順大の監督を務める仲村明氏が得意とした区間。確か1年生の時から走っていたと思う。彼は小柄だが市立船橋高校時代は5000mでインターハイ優勝をし、しかも全国高校駅伝では1区で区間賞も取っている。そして順大に進学し箱根駅伝4連覇のメンバー(4年の時は大東大が優勝)その後は富士通に入社しバルセロナ五輪では3000m障害に出場すると言う本当に羨ましい戦歴を持つ。(よく他人の戦績を覚えているなぁ、俺も)。彼が1年の時インカレの10000m走に出場したのを観た。(関西大や京産大の親しい奴等が出場したのでそいつらを応援していた。) 

勇みよく公園に駆け出したが、今日は気温が高く汗の出が早い。こりゃ、エンジンも早く掛かって昨日よりも走れそう。と思ったのが甘かった。5kmも過ぎれてもペースは上がらず、逆にばてが出てきた。結局昨日と同じ距離を走るのがやっと。汗だけはかいたからよしとしようと勝手に自分を納得させた。

帰ってテレビを点けると平塚中継所付近。順大、井野洋君がトップで現れる。だが追う東海大は7区で植木崇行君が区間2位の力走で差を1分25秒差まで縮める。10000m のタイムでは植木君の方が1分近く遅いのになかなかの力走。しかし順大は9区、10区に万全の信頼をおける選手を配置しているらしい。この区間にそういう選手を起用出来るのは本当に優勝を狙えるオーダーだ。だから8区で東海大は何とかしたい所。しかし順大との差は開くばかり。結局戸塚中継所では逆に差が2分8秒と開いてしまった。この時点でアクシデントでもない限り順大の優勝はほぼ決定的に。こうなってくると興味はシード権争いに向いてくる。6区を終えた時点では専修、中央学院、明治が10位以内におり、山梨学院大、神奈川大といった優勝経験のある大学や大東文化大、そして中央大の古豪が苦戦していた。前年11秒差でシード権を獲れなかった城西大も12位。そして前年王者の亜細亜大は順位を2つ下げ15位と大苦戦。7区に入ると、中央学院、専修、東洋大が7位グループを形成し、それを明治大が追う展開。平塚中継所では東洋大が少し抜け出し7位、以下中央学院、専修が争いながらなだれこみ、1分23秒置いて10位に中央大が浮上してきた。その後ろに城西、明治、山梨学院、亜細亜、大東大が1分以内に数珠繋ぎで入ってきた。8区に入ると中央大の森君、城西大の五十嵐君が並走。しかし五十嵐真吾君が区間2位の快走で森君を振り切り、中央学院、そして駒沢までかわして一気に8位に上がる。8区の区間賞は東洋大の北島寿典君で5位に押し上げる。この区間は先頭よりも中位争いが面白かった。9区に入ると城西、専修、駒沢が7位グループを形成。そして中央学院を抜いて亜細亜大が10位に浮上してきた。駒沢はここで順位争いをする様なチームじゃ無いと思ったんだけど。この区間は4年連続でここを走った順大の長門俊介君が区間賞。我が愛する母校、京都西高校の後輩、東海大の前川雄君もがんばったが差は3分20秒に。もう1000m 以上の差が開いているだろう。前川君は3年生ながら駅伝主将。来年もがんばってくれぃ。シード権争いでは亜細亜大の菊池昌寿君が区間2位の快走でチームを8位に押し上げる。そして中央大の徳地悠一君も区間3位の力走でチームを10位に押し上げシード圏内に入ってくる。そして城西が11位、中央学院が12位と順位を下げ。13位に山梨学院が続く。先頭を行く順大の松瀬元太君も快走に次ぐ快走で東海大の吉田憲正君をどんどん引き離す。そして日大の阿久津君が吉田君に迫る。吉田君の順大を追う力がなくなりつつあるのが目に見えてかわいそうになってくる。そしてシード権争い。中央、亜細亜、専修が8位グループを作り、それを11位で城西大が追う展開。まず専修大の木下君が抜け出る。これで専修は久々のシード権をほぼ手中に。そして一時は8位集団に30秒差に着けていた城西大の福岡功君がじりじりと後退しとうとう1分半の差に。表情を見ていても苦しそうだ。亜細亜大は“優勝校が翌年(アクシデント以外で)シード落ちする”というこれまでにない不名誉な事象は避けられそうだ。大手町のゴールには5区を走った主将の今井君をはじめ、順大の面々が揃う。女の子もいる、マネージャーかな?そして肩を組んで順大の校歌が始まった。そして松瀬君が優勝のテープを切り、歓喜の胴上げが始まった。仲村監督も映るが、老けたなぁ、と言うのが印象。2位には東海大を抜いた日本大学。そして東海大は3位。佐藤悠基君をはじめ、多くの選手が残るので来年は優勝を狙えるだろう。次々とゴールする選手達。城西大の福岡君は本当に申し訳なさそうにやってくる。そしてゴールイン後は座り込んでしまった。土下座をして謝っているみたいであった。挫折感を持って競技を辞めた自分はどうしても、歓喜をしている選手達よりも無念の表情を浮かべる選手達に目が行ってしまう。関西学連出身の私にとって箱根駅伝は完全な部外者。感動したのは80回大会オープン参加した日本学連選抜。5番目でゴールをしたが、アンカーの北海道大の片岡祐介選手が“日本学連選抜”と刺繍された襷を掲げてゴールインした時だけ。次に日本学連選抜がオープン参加したら何か差し入れに行こうと考えている。願わくは我が母校からだれか出てくれればいいのだけれど。

1年の時から毎年箱根に出場出来た選手もいれば、4年になって初めて箱根を走った選手もいる。そして4年間箱根を走れなかった選手。自らの選手能力を見限って裏方に徹したり、学連の方に転身したり。自分は学生の時はインカレや様々な大会に出場する機会に恵まれたが、実業団では裏方に回った。両方経験出来た事は今となっては素晴らしい経験と思い出だ。箱根駅伝だけでなく、同じ思いをしている学生やOB、OGもいるだろう。それが社会に出て役に立つとは思わない。しかし、それはかけがえの無い思い出に違いない。

最後に言わせてくれ。 がんばれ関西学連。高校生諸君。関西にいらっしゃぁぃ。


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3 コメント

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Unknown (tahi)
2007-01-07 22:16:52
こんばんはMr.コンティ様 友人に陸上競技(三段跳びと走り幅跳び)でオリンピック出場を断念、教師になったり、サッカー選手でJ1からJ2へそして今FCで頑張っている人たちがいます。サポーターとしてエールを送っています。実力が物言うのはわかっておりますが『幸運の女神の手』もありますよね。輝く人たちは裏方があってこそですよね。
記事とっても面白いです。それではまた。
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コメントありがとうございます (Mr.コンティ)
2007-01-07 01:13:58
tahi 様  コメントありがとうございました。陸上経験者らしくもっと突っ込んだ事を書くべきでしたが、なかなか表現が... 襷を繋げなかった選手やシード権を取れなかった選手、そして裏方の人達にどうしても目がいってしまいます。それもスポーツ観戦の一つと思っています。これからもよろしくお願いします。
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箱根がまた楽しい (tahi)
2007-01-05 20:27:47
はじめまして。詳しい解説に「そーなんだ、もっともだ」なんて感激が再び!!先日の2日間に渡ってLIVEに釘付けだったそれがよみがえりました。また訪問させて頂きたく、スポーツ情報の楽しみをくださいね。
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