Mr.コンティのRising JAPAN

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Kellerduell HSV vs Takahara その2

2007-03-04 | EURO Football
HSVが低迷しているとはいえこの日の入場者数は公式発表でも57,000 人。昨年6月のワールドカップ観戦以来の AOL アリーナ。AOLはドイツから撤退したらしいけど来年はどういう名前を使うのか?AOLは世紀のトンでも本 Rape in the Naking を題材にしたありもしない日本軍の南京虐殺事件を映画化するそのメインスポンサーとなるらしい。競技場敷地内では Frankfurt の移設ファンショップを探すが見当たらない。いつもならアウェーチームのファンショップカーもあるのだけど.... 当初アウェー側の座席をと、現地に住むGさんにお願いしたのだが“アウェー側はフランクフルトに行って買ってください。”と言われたらしく、そこに近い席を入手してくれた。そこは何とEintracht のサポーター達とフェンスをへだてた直ぐ横の席。彼らの何人かは私を見つけてなにやら言っている。私の方から“TAKAHARA wie gaefellt ?“ と声をフェンス越しに掛けるとなにやら叫んでいるがそれは賞賛の声である事は間違いなさそうだ。第22節までリーガで7得点はチームの稼ぎ頭。アウェーのUEFA CUP フェネルバフチェ戦でも2ゴール。完全にワントップのポジションを自分の物としている。ただチームは第15節の Aachen 戦(ここで高原が3得点!! ) 以降3分4敗と勝ち星が無い。この負けられないHSV戦で高原は存在価値をさらに見せつけたいだろう。特にHSVの元チームメイト、サポーター達に。 試合前の練習を見ていても彼がチーム内でのどういう立場にいるかが良くわかる。Frankfurt はギリシャ代表のFWアマナテディス、そして 左サイドバックのラインハルトを怪我で欠いているが,昨年までのアマナテディスのポジションは高原が埋めている。だがラインハルトの離脱が失点続出の原因でもある。一方のHSVは攻撃的MFデヨング、攻撃的MFベンジャミンが離脱、ファン・デル・ファールト、ソリン、ゲレーロ、ラインハルト、ヴィッキー怪我を抱えている。またヤローリン、ゲレーロ、サノゴは警告をもらえば次の試合は出場停止となる。いつものHSVのテーマ音楽に乗って両チームの選手が入場してくる。高原がこの曲を聴きながら入場するのは何度目だろう。だがこの試合が一番誇らしげに入場しているのではないか?フランクフルトからのサポーター達も飛び上がって声援を送る。キックオフに先駆け、HSVのイラン人MFマハダヴィキアが HSV でのBundesliga 200試合出場を達成したとの紹介があり、拍手が送られる。HSVのスタメンはGKにシーズン途中に Shcalke から移籍して来たロスト、DFは右から カメルーン人のAtouba, オランダ人Mathijsen, そしてReinhardt, Abel の4バックAbel も今シーズン途中から Schalke より移籍して来た。ボランチは 左にLaas, 右にはチェコ代表のJaroslin。ワールドカップでのイタリア戦はここAOLアリーナで後半から出場した。2列目にアルゼンチン人のソリン、オランダ代表のファンデルファールト、そしてイラン代表のマハダビキアと多国籍軍で構成。トップは前節の Olic に替えてコートダジュール人FW Sanogo。上位を行く Bremen 戦に快勝した前節とは戦術を替えてきた。4バックの前にはDemel, van der Vaart そして Jarolin を配し、ワントップには Olic を起用しその後ろには右に Trochowski 左に Laas を置いたやや守備的な布陣。しかし Frankfurt 戦はあきらかに攻撃的な布陣を敷いて来た。
一方の Frankfurt 、前節4失点で惨敗したStuttgart 戦にスタメンから6人を替えた。GKはベテランの Nikolov , 今季のGKは Proell との併用になっておりここ3試合は Nikolov がスタメンだ。DF はこちらも4バック。右から Preuss, ギリシア代表の Kyrgiakos は193cm の長身DF,そして Russ , Ochus, 。Russ , Preuss らは前節起用されなかったDF。ボランチは2人とも替えて、右に Fink 左に Koehler 。ただ Koehler は昨シーズンまで2列目で起用されていた。ワントップの高原の後ろには右から Streit, オーストリア代表の Weissenberger そして 21歳の Heller が並ぶ。ここも Streit 以外は替えられている。
試合は開始からホームのHSVが押してくる。開始1分53秒には早くも右からのクロスにあわやゴールと思われるがGK Nikolovがセーブ。3分にも中央突破をファールで止めざる得なく与えたFKからピンチを招くが最後は Mathijsen がトラップミスをして助かる。さらに7分にはサノゴの中央突破をまたもファールで止めてゴール真正面でのFKを与えてしまう。 マハダヴィキアとファンデルファールトがセットされたボールの後ろに立ち結局ファンデルファールトに直接あっさりとゴールに蹴りこまれて先制点を許した。確かにサノゴのボールキープは強いがあっさりと突破を許しすぎる。その後もHSVの攻勢が続く。マハダヴィキアは右に左にサイドに現れる。19分には左に現れたマハダヴィキアからソリン、ファンデルファールトと繋がれピンチを招く。そうかと思えば26分にはカウンターからサノゴに抜けられ、何とかGK Nikolov がセーブ。 Frankfurt は10分に高原が右に流れたところにいいボールが出てチャンスを掴んだ以外は見せ場を作れない。30分頃になると長身のDFキルギアコスが上がり始め、何度かトップの高原にボールが出るようになる。こうなるとHSVは2列目の3人が下がる様になり、時折効果的なカウンター攻撃を見せ、ファンデルファールトが何度かシュートに持ち込むシーンが何とか前半は1失点に抑えられた。得点も無かったけど。まだこのチームも高原の特徴を生かしていない様に見えた。彼のブンデスリーガでの試合を見ると足元よりも前に、横に流れながらボールをもらいそこからスピードを生かした突破でチャンスや得点を生み出してきたが前半を見る限りそういうシーンは1度あったきりだった。後半両チームはメンバーチェンジを含めた戦術等を替えて来るのだろうか?

後半になってもメンバー交代は無かった。マハダビキアの運動量がやや落ちてきたせいか、Frankfurt のボール回しが繋がるようになりやや優勢となる。56分に先に Frankfurt ベンチが動く。今季第20節以来の Bundesligaスタメンに抜擢された2列目右の Heller に替わって前節ではスタメン起用されたThurk が投入される。これで高原と2トップ気味になる。 Heller は前半相対するマハダビキアの動きに惑わされたか?左からの攻撃はあまり見られなかった。それが功を奏したのか3分後の59分高原が中盤でボールを受けるとすぐに高速ドリブルで切れ込む、そして van der Vaast のタックルをかいくぐりペナルティーエリアのすぐ外からドリブルシュートは放ちそのままGK Rost を破り同点ゴールを叩き出した。Frankfurt サポーター達は躍り上がって喜ぶ、そこに高原が脱兎のごとく駆け寄る。“Na o hi ro Takahara Takaha~ra !! “ と大合唱が始まる。高原自身、渡独以来一番うれしいゴールでは無かったか?こうなると引分けでは降格圏内から脱せ無いHSV ベンチは動いてくる。62分にはワントップの Sonogo を Olic と入れ替え、65分には Sorin に替えて Trochowski を投入する。Olic はワールドカップのクロアチア代表メンバーだ。その2分後 Frankfurt はWeissenberger を下げて196cm の長身MF Meier を 投入する。この Meier が左サイドを突破し、また長身を生かしたポストプレーから HSV が押し込まれる時間が続く、たまらず76分にマハダヴィキアに替えて昨年まで高原が着けていた32番のユニフォーム、Ben-Hatira が投入された。この直後 Ben-Hatira が右サイドを上がり中の van der Vaart に繋ぎさらに左の Torchowski に送りそのまま放たれたショットがHSV追加点となった。交替選手自身が投入された直後に得点に絡むのはStevens 新監督の手腕か?しかし、 Frankfurt もサイド攻撃からチャンスを掴んでいたので残り時間を考えればまだチャンスはあると思えた。80分には長身DF Kyrgiakos が攻撃参加し頭で落としたところに高原が走りこみフリーの Fink に流すがシュートはクロスバーを越えてしまった。 Frankfurt はもう Kyrgiakos を上げてパワープレー。そしてHSV は守備を固めて完全にカウンター狙い。83分 van der Vaart, 85分 Olic がカウンターからフリーで撃つが外してくれる。86分には Fink に替えてブラジル人 Chris を入れる。88分、Frankfurt FKのチャンスからゴール前の混戦で最後は Preuss が倒されるがノーファール。 Frankfurt のUltras からはすごい野次と口笛が飛ぶ。しかし、まだロスタイムが3分と表示される。高原を含めて Frankfurt 攻撃陣がゴールに何度も迫るが、93分に Olic にカウンターから右サイドを突破され3点目を決められ、そのままタイムアップ。この時点で HSV と Frankfurt の順位が入れ替わり Frankfurt は降格圏の17位に落ちてしまい、 監督が替わるとチームがこんなに変わるのか?3連勝の HSV は一気に13位に浮上した。一方の Frankfurt はまだ11試合残っているが、早く安全圏内に逃れる為に何か方策はあるのだろうか? ボール支配率では Frankfurt が 54% と上回っていた。シュート数も HSV 12 に対しFrankfurt 10 と見劣りしない。ただ1対1の局面では Frankfurt 48% と HSV を下回った。やはり1対で競り勝つことが大切なのだろう。日本では高原のゴールだけが報道されているだろうなぁ..... 


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