Mr.コンティのRising JAPAN

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Asian Cup に向けて 経済大国シンガポール

2007-07-01 | Asian Cup

Asian Cup の開幕を来週に控える中、シンガポールが大会出場国にとってなかなか便利な役割を果たしている。この地域では経済状態がダントツによく、インフラ、宿泊設備も先進国並みに揃い、練習施設まで不自由しない。はっきり言ってここでアジアカップを単独で開催しても良いくらい(1984年に開催されたけど)の立地条件。更に泣かせるのは6月24日から Singapore Invitation Tournament を開催し大会ホスト国と類似した気象条件で格好の“スパーリンク”の機会を施している。その日程は下記の通り。
24.June シンガポール vs 北朝鮮  2-1 でシンガポールの勝
27.June シンガポール vs サウジアラビア  2-1 でサウジアラビアの勝
28.June オマーン vs 北朝鮮 2-2 PK戦 4-3 でオマーンの勝
 1.July サウジアラビア vs オマーン 

上記の他にも6月27日にサウジアラビアがUAE とシンガポールで試合を行い 2-1 で勝利を収めているが、シンガポールで試合を行うサウジアラビアはレギュラークラスで無くむしろ代表入りへのサバイバルシリーズとなっているのか?サウジは北朝鮮とも試合を行う予定らしい。

シンガポールは FIFA ランク131位。2010年のワールトカップ出場を目指して Young Lions と呼ばれる U-23 世代を中心に強化プログラムを始めている。その効果は徐々に表れ始め、昨年末から開催された ASEAN Football Championships では決勝に進出。常勝タイを破り見事優勝を収めている。 ただTiger Cup と呼ばれていた前回 2004年大会でも決勝戦でインドネシアを破り1998年大会以来3大会振りの優勝を果たしタイの3連覇を阻止している。 そしてこの Invitation Tournament でもサウジには敗れたが北朝鮮には勝っている。今回、アジアカップ出場国との試合ではサウジアラビア(2軍主体だけど)に 1-3 で敗れたが北朝鮮には 2-1で勝利を収めている。そのメンバーは下記の通り。

シンガポール: Lionel Lewis, Noh Rahman (Hafiz Osman 78), Aide Iskandar (Baihakki Khaizan 21), Precious Emuejeraye, Daniel Bennett, Ridhuan Muhammad (Masrezwan Masturi 64), Mustafic Fahrudin, Shahril Ishak (Hariss Harun 62), Fazrul Nawaz (John Wilkinson 46), Agu Casmir (Ashrin Shariff 88), Indra Sahdan.

北朝鮮: Ri Myong Guk, Pak Chol Jin (Pak Yong Chol 39), Ri Kwang Chon, Jang Myong Il, Cha Jong Hyok (Kim Yu Chol 76), Jong Su Hyok, An Jong Ho, Ryang Myong Il (Ri Jun Il 63), Pak Nam Chol (Jon Chol 38 (Kim Kwang Hyok 59)), Kang Jin Hyok (Choe Chol Man 50), An Chol Hyok.

得点者:40分 Ridhuan Muhammad  57分 An Chol Hyok 74分 Indra Sahdan 


1997年東南アジアを襲った通貨危機でインドネシア、タイ程では無いが経済打撃を受けたシンガポール。しかし、2002年頃から経済回復が軌道に乗り今は好景気だ。その原因の一つとして日本でも村上ファンド事件で話題になった海外法人の誘致。法人税が20%(一律ではないけど)と安く(日本だと40%くらいだそうだ)ここに色々な意味で邦人を開設する企業が絶えないらしい。
昔からシンガポールは中継港、東南アジアの金融(というよりも両替事業)として栄えたが、最近は航空貨物のハブはバンコックに取られ気味、金融の方もキャッシュレスの時代。しかし時代の流れに逆らわず次々と国の存続をかけて新たな国策を練るのはさすがだ。反対に小国だから出来るのかもしれない。
シンガポールの国内サッカーリーグ、通称 Sリーグは 1996年に発足したがそれまではマレーシアの国内リーグに参加し、特に1994年にはナショナルA代表チームが同リーグ戦に参加して優勝したが、八百長疑惑が持たれた影響で1995年以後はマレーシアサッカーリーグに参加させない方針を決定。これをきっかけに自国のサッカーリーグ結成に動き、Jリーグをモデルに1996年に8チームでSリーグが開幕した。当初は2ステージ制で始まったが、翌1997年は10チームに拡大。通年制(1シーズン)に移行する。その後最大で12チームにまで膨れ上がったが、経営難からいくつかのチームが解散する窮地に立たされたことがあった。またナショナルチーム強化策の一環として2003年からはシンガポールの23歳以下ナショナルチーム Young Lionsを参加させたほか、中国系のチーム"シンチFC ( 2005年のシーズンを以て解散 ) そして2004年からは日系チームアルビレックス新潟シンガポールも加わった。また今シーズンから韓国人選手で創られた Korean Super REDS が加わり現在は12チームでリーグが構成されている。
シンガポールでもサッカーは人気ナンバーワンのスポーツ。しかし、それは England の Premiership を指すもので自国の S League となると

“日本人の貴方が何故興味を持つのですか?シンガポール人でさえ興味無いのに。それよりナカタ、ナカムラの話をしてよ。”と何度言われた事か…..

その状況も代表チームがアジアの大会で、またはU-23,U-20,U-17 いずれかの世代がアジアの壁を超えて世界の舞台に立てば劇的に変わるかもしれない。 6月30日、オーストラリア代表がシンガポール代表をアジアカップ前の“調整試合”を行った。この試合には45,000 人の観衆が集まったらしい。ワールトカップでベスト16に進んだオーストラリアくらいが相手ならこれくらい人が集まるのか….しかしその目的は自国の代表で無く Viduka や Kewell なのだろうか….. しかし、彼らの気持ちもわかる。それは70年代の我々の状況と同じだからだ。あの時日本がアジア王者に戴冠しワールトカップで連続出場を果たし、数人の日本人選手が欧州のクラブシーンに出て来る….誰もが願ったが実現するには何十年かかるだろう…. と思っていた時代。だが1980年代シンガポールにはアジアを代表する選手がいた。ファンディ=アーマドと言う攻撃的MFの選手でアヤックスにスカウトされ練習にも参加、しかし結局契約したのは同じ EREDIVISIES のフロニンヘン。UEFA CUP のバルセロナ戦で2ゴールを決めるなどシンガポールでは伝説の選手として知られる。日本代表とは1981年のシンガポール遠征、1982年のジャパンカップ(今のキリンカップ)そして1987年のソウル五輪予選の試合に出場している。再びアーマドの様な選手が現れるのはいつだろうか… 第二のアーマドが現れた時、シンガポールは脅威となるだろう….



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