Mr.コンティのRising JAPAN

マスコミの書かない&書きそうもない!スポーツ界の雑学・裏話を、サッカーを中心にコメントを掲載していきます。

三連敗の男子サッカー ワールドカップは,次の五輪は大丈夫か…….

2008-08-30 | 夏季五輪

8月18日、準々決勝で中国を破ったなでしこジャパン達が北京の工人体育場に登場した。ここは思い出の競技場だ。(とは言うものの実際に行った事はないけど)  1992年8月、第二回ダイナスティカップに出場した日本代表はここ工人体育場で中国、北朝鮮を連破、決勝戦では韓国をPK戦の末に降してAFC発足以降初めての代表チームがアジアのタイトルを勝ち取った。アジアの列強を倒し続ける日が来るのはいつだろう、いつか来ないかと願いながらなかなか来なかった日がやっと来た、思い出の大会が開催された競技場であった………….

なでしこ達が準決勝のアメリカ戦に臨む8日前の8月10日、男子五輪チームはナイジェリアに敗れ1次リーグ敗退が決まってしまった。しかし1次リーグ最終戦のオランダ戦は是非とも意地を見せて欲しかった。オランダはそれまで2戦2分。最後の日本戦に勝たねば準々決勝進出は断たれる。日本の状況は4年前と同じ。あの時は最後のガーナ戦に勝ちガーナの決勝トーナメント進出を阻み意地を見せてくれた。その翌々年ワールドカップ観戦に出かけた私はケルンで行われたチェコ対ガーナ戦を観戦した。競技場に向かうトラムの中でガーナのサポーター達と話をする機会があった。皆五輪での日本戦をよく憶えており、私は少し嬉しかった。 もしオランの決勝トーナメント進出を阻む事が出来ればオランダ人に日本サッカーの存在価値を示せると期待していたのだった。

   

8月13日瀋陽五輪スポーツセンター競技場に登場した“最後の反町ジャパン”はついに豊田をスタメンワントプに据える。しかし安田、内田の両サイドバックが負傷、本田拓也が累積警告で出場停止の苦しい台所事情。左サイドバックには安田にはCBの森重が入り、右サイドには内田に替って長友が、CBには吉田が初登場で水本と組む。ボランチには本田拓也に替り梶山。2列目は右から本田圭祐、真ん中トップ下に谷口、左に岡崎が入った。GKは山本海人の初起用を予想するマスコミもあったが西川が3戦連続でゴールを守る事に。

一方ナイジェリア、アメリカと苦戦が続き本来ならこの2試合で既にベスト8を決めていたかっただろうオランダは2トップに  Sibon, Makaay の Over Age 選手をスタメンで起用。この試合が“背水の陣”である事が容易に想像できる。

 

 

GK Vermeer, MF Babel , Maduro, の3人は2005年地元開催の FIFA U-20 大会の日本戦に出場。 Babel にはゴールを許しており、EURO2008を怪我で辞退した為五輪に出場を決心したらしい。

 

所属クラブを見ても Ajax ( GK : Vermeer, Emanuelson, ) PSV Eindvohen ( Marcellis , Pieters, Bakkal, ) Feyenoord ( De Guzman, Makaay ) Real Madrid ( Drenthe ) Liverpool ( Babel ) と名前負けしそうなクラブ名が並ぶ。

しかしそんな相手に対しても反町ジャパンのメンバーは勇敢に戦い、ゴールを挙げられそうな期待をさせてくれた。前半にはあわやのシーンも見せてくれた。
オランダは左から Jaliens, Marcelis, Jong-A-Pin の3バック。両サイドバックを右はDe Guzman 左を Drenthe のMFがカバー。日本も本田、岡崎が積極的に上がってくるのでどちらかのサイドのMFが下げられる。そのせいかオランダはロングボールが多かった様な気がした。
65分を過ぎても無失点に抑えて 0-0 。このまま勝点1を拾えるかもと期待をした。
しかし70分 De Guzman からボールが出て右サイドを上がった Babel がボールを受けると前線に侵入。森重を振り切りエリア内に入った所を本田圭祐がマークに入る。そして Babel が倒れるとアルゼンチン人の Baldassi 主審はホイッスルを吹き、ペナルティースポットを指した。本田の方が身体が前に入っていたのでこれをPKととられるのは厳しい判定だと思った。それとも本田が Babel のシャツを引っ張ったのが悪かったか….. Babelは担架で運び出される“入念な演技”。

 


日本選手達は執拗に抗議をするが判定は覆らない。そして Sibon のセットしたPKの位置に就いてしつこく抗議した豊田にイエローカードが出されてしまった。それでもEURO2000 の準決勝戦では Frank de Boer, Kluviert が連続してPKを失敗しているオランダ選手はPKに弱いと勝手に思い込んでいる私はGK西川に期待をした。 
しかし Sibon は西川の動きをみたのか冷静に真正面にPKを蹴り込みまたも日本はビハインドを背負う事となった。安堵と喜びを隠さないオランダベンチ。そして Sibon に替えて Zuiverloon を投入し右サイドバックに入れて4バックにして日本のサイド攻撃を抑え逃げ切りを図る。

 

 

80分、日本ベンチは本田圭祐、谷口を下げて香川、森本を入れる。気になったのは下げられた2人がともに森本とタッチをしなかったことだけど……..
日本はこれで豊田、森本、岡崎を前線に置く。豊田はこの試合でもオランダDF陣にはしばしば競り勝っていたので特に空中戦で競り勝ったこぼれ球になんとか絡んでくれればと思った。しかしオランダも厳しい。前を向いてボールを持たせてくれない。
86分に岡崎が下がり李忠成が入る。その直後カウンターから Emanuelson の縦パスを受けた Makaay が滑り込みながら放ったミドルが日本ゴールを襲うがここは西川がナイスセーブ。それにしても Makaay のシュートはワールドクラスだった。
90分、細貝がバックラインからロングフィードを入れる。長友が飛び込むが頭に当たらずそのまま前に流れ1分前に投入された Pieters の前にうまく入り込んだ森本が倒れ込んでシュート体勢に入るがわずかに合わない。そして右から走り込んだ香川が Bakkal と競り合いながら足を出しつま先にボールが当たるがゴール内には押し込めなかった。惜しいシーンだった。

  

アメリカ戦の李、ナイジェリア戦の谷口そしてこのシーン、ロスタイムに入って数十センチ、数センチに泣かされた。これが“壁”なのかもしれない……..

反町ジャパンの五輪での戦績は3戦全敗、得点1に終わった…………..

試合後審判の判定、監督の“指示に背いた”発言をした本田圭祐のバッシングがすごかった。 期待が高堅田家に失望やその怒りの大きさもわからなくはないが、私は70年代~90年代の中頃までアジアの壁に跳ね返され続けた時代からサッカーを見続けていたのでまだ“五輪に出られるだけで幸福”となってしまう。
しかしなぜ日本男子サッカーは五輪で最悪の結果に終わってしまったのだろう…

メンバー構成は…
女子サッカーの澤穂希が言っていた。“代表は家族の様なもの”  
これを年齢制限のある五輪チームに求めるのは酷だろうが、結果論になるがメンバー18人中予選に出場していない選手が6人、出場歴のある選手でも長友と谷口は最終予選での召集歴はなかった。豊田,安田の様に召集歴は全くなくても“スタメンで使っていたらなぁ….” と言う選手もいるが、水野晃樹の様に移籍先 ( Celtic ) での出場機会問題のあった選手はともかく伊野波、柏木、青山敏弘、青山直晃らが相次いで選考から漏れるとは…….今シーズンは所属先でもほぼフル出場を果たしていた選手達なのだが….. 五輪直前に柏木が岡田ジャパンの代表候補合宿に招集された時はおいおいとも思ったけど。

 
 

グループ分け
日本のグループは確かに厳しかった。中国、韓国の入ったグループなら何とかなっていたのではとも思う。しかし初戦のアメリカ戦がすべてだった。それにしてもアジア勢には厳しい大会結果だった。アジアでの五輪だったのに……

これからの五輪
次回はロンドンでの開催。欧州勢にはより有利となる大会。それでなくても世界の列強が五輪に力を入れてきたように思えてならない北京五輪だった。次回はワールドカップ並みの準備が要求されると思う。しかしその前にアジアの壁を越えねばならない。今回は開催国の中国分を含めて4カ国あったアジア枠は次回は従来通りワールドカップよりも出場枠が少ない3カ国となる事は必至。(ソウル五輪のときは韓国を入れても3カ国だった。) オーストラリアが入って来たアジアの中で勝ち抜けるかが心配だ。

残念な結果に終わった五輪だったが今後一人でも多くフル代表のメンバーに定着し次のワールドカップ予選で活躍してくれることを願う。 

  

  



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2 コメント

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五輪チームこれから.... (Mr)
2008-08-30 12:49:30
尋ね人様

五輪サッカーは残念な結果に終わりましたがすぐにワールドカップ予選が始まります。五輪選手達も悔しさをプレーで取り返してほしいものです。
だけど3連敗は想定外でした.......
選手選考を含めてすべてが結果論となるかもしれないけれど大会開催前からというよりも五輪予選終了後から問題が多かったのかもしれませんね。
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Unknown (尋ね人)
2008-08-30 19:59:46
Mr.コンティ様


返信有難う御座います。
ロンドン五輪よりも4年後に主力となる世代の現在のU-19の方が心配です。
それなりの面子で期待は持てますが如何せんアジアユースの組み合わせがとても厳しいです。
ライバルのオーストラリアも参加した最近の静岡での大会も内容が芳しくないので不安です。
また北京では日本はアジア4ヶ国の中で最低の成績なのでロンドン五輪アジア予選が北京と同じ方式の場合は日本は第1シードから外れる見込みとのニュースを見ました。
これが本当なら今回の惨敗の代償は甚大です。
指導力不足の反町を選んだ協会の責任も厳しく問われるべきです。
野球の話になり恐縮ですが、コンティ様の仰るように星野ジャパンもサッカーと同様に五輪予選終了後からの準備が問題だったと思います。
来春のWBCの監督人事は今後議論の的になりますがスポンサー集めを目的に指導力が皆無なビッグネームを監督に据えるのだけは勘弁願いたいです。
私は若松勉を監督にして古田敦也をコーチの陣容が見たいです。
少なくとも日本シリーズを制した経験があって星野よりも指導力が下の人間なんて球界には皆無ですから。
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