Mr.コンティのRising JAPAN

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我が代表堂々と退場す……

2010-07-13 | 夏季五輪

PK戦はパラグアイ3人、日本が遠藤、長谷部、全て決めて駒野がスポットに向かう。解説の金田氏が“駒野負けるなよぉ….” といった。その言葉は当然駒野には聞こえないが、不安を増大させられた視聴者は少なくなかったと思う。 そして駒野の蹴ったボールは GK Villar に弾かれた、と思ったらゴールポストを叩いた。



あぁぁっと天を仰ぐ。 しかしGK川島は今大会、いや England 戦からものすごく当たっている。このPK戦でも最初の2人は決められたがコースは読んでいた。
この守護神川島が何とかしてくれると本当にそう想った。しかし相手は百戦錬磨の南米代表パラグアイ。 4人目 Lucass Barios が決めて、本田が実にクールにPKを決めた後の途中出場の Oscar Cardozo に左角に決められ、我らが Blue Samurai の今大会の挑戦を終えた。  あぁぁ、終わってしまったなぁ…..

4年前完敗したブラジル戦の直後もそう思った。しかしその後に感じたものは全く違っていた。 デンマーク戦の数時間前に Group F から1次リーグ勝ち抜けを決めたのはパラグアイとスロヴァキア。E組の日本はどう頑張っても2位通過が最高と思っていたので決勝トーナメント1回戦は恐らくF組1位で勝ち上がるであろうイタリアとの対戦と思っていた。しかしイタリアは1次リーグで姿を消し対戦相手は南米代表のパラグアイとなった。

パラグアイのワールドカップに対する思いは日本と類似する部分があると思っていた。ワールドカップは今大会を含めて4大会連続で出場を果たしているが、1930年、1950年、1958年大会には出場経験はあったが南米大陸からの出場枠が3カ国か4カ国であった1978年大会まではブラジル、アルゼンチン、ウルグアイに独占されていた出場枠だったが1978年大会からウルグアイの力が落ちて来た事と3強に次ぐペルー、チリの力が落ちて来て事そして南米大陸からのワールドカップ出場枠が拡がった事からワールドカップ出場のチャンスが大きく拡がって来た。
そして今は南米大陸ではブラジル、アルゼンチンに続く位置づけと言っても過言ではないと思う。 
出場枠が広がったことによってワールドカップ出場機会が増えそれが強化につながったのは日本と同じか?

そして決勝トーナメント1回戦を前に、パラグアイはデンマークやカメルーンよりは力があるとも思っていた。
そして6月24日。日本のスタメンは1次リーグ3試合と同じメンバー。 中4日の1次リーグ3試合とは異なり中3日おいてのパラグアイ戦。 蓄積された疲労が気になる。 
試合中の選手交替のタイミングが大事だと思った。
一方のパラグアイは累積警告で出場停止の MF Victor Caceres を含め New Zealand 戦から選手を5人替えて来た。だがよく見ればその前のスロヴァキア戦でスタメン起用された選手が9人おり、従来のメンバーから出場停止の Caceres の替りに Ortigoza が起用され FW Valdez に替って New Zealand 戦途中出場のBenitez がスタメン起用された。 要するに引き分けても良い New Zealand 戦は守備を固めて主力を温存し決勝トーナメントに臨んできたと思われた。 

選手入場に続き国歌が演奏される。この大会でもっと君が代が聞きたいと思った。日本のキックオフで始まった試合は開始40秒大久保がシュートに持ち込む。
パラグアイ相手では先に失点すると守備を固められると追い付くのは厳しいので先制ゴールをと願う。 しかしすぐに落ち着きを取り戻したパラグアイがボール支配率を高めて行き15分の時点ではその割合はパラグアイ60日本は40だった。
そして19分50秒日本列島に最初の震撼が走った。Riveros のスルーパスを受けた Barrios が阿部をかわして闘莉王と縺れながら至近距離からシュートを放つが川島がファインセーブ。
Lucas Barrios は Bundelsiga の Dortmund 所属。元々はアルゼンチン国籍で南米予選は出場しておらず大会前に帰化が認められ代表入りした選手。 
その直後、今度は攻撃に転じた日本が大久保が右から切れ込んだところをパラグアイDFに囲まれ CB Da Silva の足に当たったこぼれ球を拾った松井がミドルを放つがクロスバーを直撃。 両チームに連続して決定機が見られた。 
パラグアイは右サイドバックのベテラン Bonnet の上がりが良く、また日本はマイボールとなっても本田へのサポートが少なくパラグアイゴールに迫れない。 29分にはCKからこぼれ球を拾った Sanda Cruz に中央から本田がマークに入る前に撃たれるがポストの右に外れて行ったがこれは松井から本田へのパスをカットされてカウンターからCKを奪われたもの。パラグアイはこれまでと異なりトップには Sanda Cruz ではなく Barrios が入り、右に Sanda Cruz そして Benitez が左に張る。
すると日本も25分あたりから遠藤が前線へのサポートの為に比較的高い位置を取るようになった。これによって相手陣内でプレーする時間が長くなった。 35分Alcaraz が本田を倒してFKを得る。日本のFKのチャンスを解っているのかブブゼラの音が増大する。そのFKは遠藤が逆サイドに走り込んだ闘莉王を目指して入れるがその前に Sanda Cruz にヘッドでクリアーされた。 39分には見事なカウンターを見せる。 右サイド松井がパス交換から抜け出し Morel がマークに入るが中に入れると Ortigoza の前で本田がダイレクトで放った強烈なミドルは惜しくもポストの左に外れた。41分にはまたも本田が Da Silva に倒され右サイドで得たFKも遠藤が中に入れるがヘッドでクリアーされた。遠藤が高い位置に上がった事で日本がパラグアイゴールまでまでボールを運べる様になりそこでFKを得る等チャンスは増えて来た。 
しかし前半終了近くになるとパラグアイも Santa Cruz を最前線に上げ Barrios と2トップにしプレッシャーを。 だが前半は無得点のまま終了のホイッスルが吹かれた。 控室に戻る前に円陣を組みパラグアイイレブンが印象的だった。



後半は両チームとも選手交替は無くパラグイアのキックオフで始まった。 
日本は48分19秒に松井の切り返しからチャンスを掴むが主導権を握っていたのはパラグアイ。日本はマイボールになってもボールを失ったりパスを読まれるシーンが目立ち出す。全選手が4連戦目になる日本は少し疲れが残っているのかパラグアイ選手達の方の一歩が早い。そしてやはりデンマーク、カメルーンより力が上だと言う事を再認識させられる。ボランチの長谷部、阿部の守備力が無ければとっくに失点していただろう。
49分には今大会初出場の Ortigoza のドリブル突破を許し、55分にはカウンターからVera からボールを受けた逆サイドの Benitez がシュートを放つが中澤がブロックでCKに逃れる。58分には スローインから Bentize が入れたクロスに Santa Cruz のヘッドが日本ゴールを襲うがGK川島がキャッチ。
59分には攻勢だったパラグアイが Benitez を下げて Dortmund の Valdez を入れる。 この Valdez と帰化人選手 Barrios は今年から加入する香川と共に黄色のユニフォームを着て同じピッチでプレーするのか…と思った。 
62分久々パラグアイ陣内に攻め込んだ日本はCKを得る。遠藤が入れると闘莉王が Santa Cruz と競りながらヘッドを放つがポストの右に。その直後今度はパラグアイがCKを得る。 Morel が蹴ったCKに Barrios がフリーでヘッドを放つがその前に長谷部を倒したのをベルギー人のFrank De Bleeckere 主審に見られておりホイッスルが鳴った。
64分今度は日本ベンチが動く。 疲労が目立ち始めボールを取られる様になった松井を下げて岡崎が投入され2列目右に入る。パラグアイも前線を Barrios , Valdez のドルトムントコンビの2トップに。 70分右サイドで遠藤からボールを受けた本田がスルーを出し岡崎が走り込みクロスを入れるがCKに逃れられる。この時間帯から日本が前線にボールを持ちこめるようになった。 
75分アンカーのポジションにいた今大会初出場の Ortigoza に替って Serie A Atalanta 所属の Barretto を入れて2列目を厚くする。残り時間が少なくなるにつれて交替選手の選択が難しくなるとも思ったが80分に日本ベンチは阿部を下げて中村憲剛を投入する。これで岡崎を1トップに上げ2列目には左から憲剛、大久保、本田 を配置する事に。そして遠藤をボランチに戻し長谷部と組む事に。これはワールドカップ予選で何度も見られた布陣。ここは1点を取りにいくのか….と思うも後半もこのまま終わり延長戦に突入する事となった。 



日本のキックオフで始まった延長戦。かつての様にVゴール方式ではないが先に点を取った方が勝者になると思われた。開始早々憲剛がドリブルシュートを見せれば93分Sanda Cruz から受けた Cardozo がシュートを撃つ。94分には左のクロスから Barrios のヘッドがGK川島の正面に。その直後には Morel が左サイドを突破し入れたクロスに Valdez が撃つがここは川島がセーブ。 
97分には日本がFKを得る。 今度は本田がボールをセットする。 ここでパラグアイゴールネットを揺らしてくれればと思うが、サインプレーを使ったのかゴール前に走り込んだ憲剛にわずかに合わなかった。 惜しいチャンスだった。日本は交代枠がまだ1人残っている。 交替させるとしたら誰を入れるのだろう。 森本?俊輔?しかし106分に大久保に替って投入されたのは玉田だった。 

延長前半はパラグアイが押すシーンが多かったが後半は日本の方がよく相手ゴールを脅かしていたと思う。 111分には Alcaraz の岡崎へのチャージが反則に取られ FK を得る。その右からのFKに逆サイドに走り込んだ闘莉王が飛び込むがポストの左に外れる。闘莉王、中に折り返そうと思ったか。中盤でもパラグアイ選手に競り勝つシーンが出て来たが、両軍リスクを負ってまで攻撃に転じる意図は感じられなかった。それは見ていてるこちらも同じ。 出来れば相手ゴール前で反則を貰ってFKを得てそこから…と願っていた。そして時間が経つにつれて負けるにしてもPK戦で負けるののかその前に攻めて行って裏を取られるのか…と自分の中で葛藤が大きくなった。
112分、遠藤が Vera へのスライディングタックルにイエローが出される。 これで遠藤は累積2枚目。 次の試合は遠藤と長友抜きで戦わねばならないが、その替りに俊輔と内田がスタメンか?と勝手に胸算用していた。 
116分左サイドを突破した長友が玉田に繋ぎ、一旦は Alcaraz にクリアーされるが岡崎が拾って中に戻す。しかし走り込んだ憲剛に僅かに合わなかった。先程のFKと同様本当に惜しいチャンスだった。
そして119分、反撃に転じ、本田が後ろからチャージを受けFK を得る。よし最後のチャンス。全員が上がって….と思ったが119分58秒に Frank De Bleeckre主審は試合終了のホイッスルを吹いてしまった。日本ボールなのに、まだ時間が残っていたのに…. この判定はちょっと恨めしく思った….

PK戦はクジ引きの様なもの。だれもがそういうが、敗れてしまってはやはり…..



試合後多くの“専門家”が“攻撃力の欠乏”を指摘するが、今日本が世界の列強を相手にした時はこういう戦い以外は出来ないと思う。それは日本だけでは無いアジアの全ての国がそうだろう。 
世界の8強に残れれば本当に日本の存在を世界に憶えて貰える良い機会だと思った。 例え“次のスペイン戦”でボロ負けしてもスペインとワールドカップで戦える事がどれだけ夢だったか、と思うと勿体ない試合だったかもしれない。 
しかし反対に既にベスト16まで3度進出しているパラグアイが相手では岡田監督ではないが“そんなに簡単には行かないよ。”と教えられているのかもしれない。 
次のワールドカップに向けて今大会の経験を土台に更なる前進を望む。 

次のビッグイベントは来年1月の Asian Cup だけど、どこまで本気になってくれるかな…

少なくともテレビ中継はしてくれよ………



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