Mr.コンティのRising JAPAN

マスコミの書かない&書きそうもない!スポーツ界の雑学・裏話を、サッカーを中心にコメントを掲載していきます。

日韓対決今度こそ……

2011-01-25 | Football Asia
昨年11月、商用先ではアジア大会で日本選手団の好結果が届くのを糧に仕事をこなしていた。云うまでも無く男女のサッカーの結果を知る度に力が湧いてきたが25日、驚きのニュースを朝鮮日報の日本語版で目にした。

ア大会ハンドボール:韓国女子、日本にまさかの敗北
広州アジア大会では25日、女子ハンドボールの準決勝が行われ、韓国は日本との準決勝で接戦の末、28-29の1点差で敗れ、大会6連覇を逃した。韓国が日本に敗れたのは、2007年の北京五輪アジア予選に続き2度目。韓国はハンドボールがアジア大会の正式種目に採用された1990年の北京大会以来、06年ドーハ大会まで22戦無敗だった。
韓国は前半10分、5-5から連続5得点を許し、前半を11-15で折り返し、後半18分には17-25と最大8点差をつけられた末に敗れた。韓国は後半にオ・ソンヒが4得点を挙げるなど猛追したが、及ばなかった。 韓国はこれまで五輪で金メダル2個、銀3個、銅2個を獲得するほど、世界トップクラスの実力を誇るが、この日は守備が崩壊し、攻撃もノーマークチャンスを何度も逃すなど、拙攻が目立った。
イ・ジェヨン監督は、「慢心してはいけないと戒めたが、ミスが多すぎた。責任を痛感する」と話した。

それまで日本女子ハンドボール代表は韓国代表に対して3勝しかしたことがなかった。(はずだけど…) その3勝のうちの1つが昨年8月カザフスタンで開催された北京五輪アジア予選。しかしこの勝利は “カザフスタンを勝たせる為の中東の笛が日本に有利に働いたもの” と日本協会関係者も認めている。

日韓女子ハンドの力関係は日本が韓国を苦手にしているというよりもソウル、バルセロナ五輪で金メダルを勝ち取り、欧州の列強と堂々と肩を並べる韓国とは完全に“格が違う”と言える関係だ。
その韓国を相手に勝利を収めた女子ハンド代表チームの快挙を相変わらずマスコミは取り上げない。
9得点の藤井紫緒、6得点の植垣、5得点の中村香理、東濱裕子に早船愛子姫、3年前の北京五輪予選で覚えた名前が…. 彼女達の快挙に私は“全ての球技に置いて恐韓症はもう取り除かれたのだ….”と勝手に自己宣言した……

      

Asian Cup の準決勝戦は日韓対決となった。この2年間で4回目の対戦となるが、そんなに立て続けに対戦するなんて有ったかなぁ….とまず思った。
イランとの準々決勝を見た時には両国ともちょっと調整、仕上がり具合が日本と違うなぁ…どちらが勝っても.苦戦するやろなぁ….と思った。
そして70年代からサッカーを見て来た私はあぁ韓国かぁ…(さっきの自己宣言は何じゃ? )とやや悲観的になった。
Asian Cup での直接対決は確か4回目。それまでは1勝( 2-1 1968年大会 )1敗 ( 2-0 1988年大会 ) 1分 ( 0-0 2007年大会 ) 以外に対戦が少ないのは日本がこの大会に積極的に代表を送らなかった時期が長かった事と日本が本格参加を始めた時は日韓両国シード国となり決勝トーナメントに入らないと対戦機会がなかったからだろう。

アジア杯サッカー:日本戦に向け課題山積み 朝鮮日報より (1)
終盤の体力と集中力韓国はイラン戦で、前半のゲームを支配した。中盤で強いプレスを掛け、主導権を握った。
だが、後半に入ると動きが目に見えて重くなった。体力が低下してプレスが甘くなり、イランに頻繁にカウンターを許した。シュート数は、前半は6本対1本で韓国が上回っていたが、後半は12本対13本でイランが優勢だった。
日本との準決勝は、体力が鍵となる。韓国は準々決勝で120分の死闘を繰り広げた上、試合スケジュールも不利だ。準決勝まで中3日の日本に対し、韓国は中2日しかない。趙監督は、23日には練習をせず、終日オフとすることを決めた。

かつては韓国に90分間力で押し切られる事が常だった。
しかし1992年のダイナスティカップ以来、試合終盤になると韓国選手達ががっくりと運動量が落ちる試合が多く目に就く様になった。 日本の個人技術の高さと戦術が韓国の独特の強さをフェードアウトさせられるようになった。
しかしこれは対日本戦に限らずアジアの中でも80年代で既にイランやサウジアラビアそしてクウェートと云った西アジア、中東の列強を相手にした時に既に見られていた。さきのイランとの準々決勝もそうだった。
日韓共に日本が1日インターバルが長い事が日本有利なポイントと指摘しているがそれはどうだろうか…メンタルも大事なスポーツ。勝った後の疲労感は敗戦後のそれとはまったく違う。 韓国の疲労をあてにしている様では勝てないと思う。

(2)不正確なクロスと低い決定力 
「スペイン式のサッカー」を目指す趙監督は、速いテンポのパスゲームを強調する。イラン戦では精密なパスワークで休みなくイランのゴールを脅かした。クロスの数では韓国が37本で、イランの18本を上回り、コーナーキックも韓国の6本に対し、イランは2本にとどまった。左右サイドからの攻撃はイランより圧倒的に多かったが、ゴールに結び付くものはなかった。決勝ゴールは、ユン・ビッカラムの個人技から生まれたものだった。現代サッカーでプレッシングが強調されるのは、結局はゴール前でチャンスをつくるためだ。韓国は、ボールを持つ回数は多かったが、決定的なシュートチャンスをつくれなかった。
趙監督は「シュートのタイミングが少しずつずれており、シュートに対する欲が足りなかったのが残念」と語った。また、日本戦については「より速く緻密なサッカーをしなければならない。決定力も上がると信じている」と話した。

サイド攻撃は日本も課題だ。得点をみるとセットプレー(レバノン戦の吉田)やシリア戦の岡崎が貰ったPKやカタール戦の3得点の様に中盤からのワンタッチでの展開や長谷部のスルーパス等から創られたチャンスからだった。サイドの崩しが少なかったのは引いた相手が中を固めて来た為だ。 韓国は対等な相手。かえってサイド攻撃の機会が増えるかもしれない。それは韓国も日本をそう見ている事だろう。

(3)李正秀の抜けたセンターバック
韓国の「アキレスけん」といわれるセンターバックは、課題を抱えたままだ。最も信頼の厚いセンターバックの李正秀(イ・ジョンス)は、警告累積で日本戦に出場できない。李正秀はイラン戦終了後「仲間たちがよく戦ってくれるはずだ」と話したが、表情は暗かった。
センターバック二人の組み合わせは、いっそう難しくなった。イラン戦にフルタイムで出場した黄載元(ファン・ジェウォン)は、守備全体をリードするには力不足だ。郭泰輝(クァク・テフィ)は1次リーグの2試合で相手にPKを与えており、洪正好(ホン・ジョンホ)は大舞台での経験が足りない。ワールドカップ(W杯)南アフリカ大会で韓国のセンターバックを統率した趙容亨(チョ・ヨンヒョン)は、今大会では出場機会がない。
日本は、準々決勝のカタール戦で2ゴールを決めた香川真司らFW陣のスピードが優れている。センターバックの吉田麻也がカタール戦で退場処分を受け、準決勝には出場できないが、韓国も李正秀が出られないため、条件は同じだ。 これも日韓共に当てはまる課題。 

韓国は愛するサンガでプレーした李正秀が累積警告で出られない。
愛するサンガから唯一 Asian Cup に参戦している郭泰輝はどうも趙広来監督から信頼を得られていない様だ。趙容亨 と洪正好ではないかな…個人的には郭泰輝が観たいんだけど….
日本のCBは誰だろう。カタール戦で雪辱ゴールを決めた伊野波を吉田の替りに使っても面白くないかなぁ…

      


アジア杯サッカー:準決勝を制すのは?=韓日戦 朝鮮日報より
似たスタイルの日本を破るには?優勝まであと2歩というところまで来たが、決して容易な戦いではない。韓国は25日午後10時25分から、カタール・ドーハのアル・ガラファ・スタジアムで、決勝への切符を懸けて日本と対戦する。
通算対戦成績は40勝12敗21分けで韓国が勝ち越しているが、韓日戦には常に張り詰めた緊張感が漂う。ライバルとの一戦に負ければ「逆賊」になるということは、選手たちも分かっている。だから日本戦は気持ちの戦いなのだ。
「憎む者同士は似ている」という言葉がある。今大会の韓国と日本は、似たようなチームカラーで優勝を目指している。ショートパスを重視する基本的なプレースタイルをはじめ、要となる選手、弱点などもそっくりだ。

■どちらが「バルサ」に似ているか基本フォーメーションは4-2-3-1だ。
韓国はチ・ドンウォン、具滋哲(ク・ジャチョル)が攻撃をリードし、日本はワントップの前田遼一をトップ下の本田圭佑が支えている。中盤で短いパスをつなぎながら、相手にプレッシャーを掛ける攻撃スタイルも似ている。
趙広来(チョ・グァンレ)監督は「日本はパスがいいため、より速く精密なプレーで相手を抑えたい」と語った。両チームとも、速く正確なパスを主体とした「スペイン型サッカー」を目指している。スペインのスポーツ紙「マルカ」は「韓国はアジア・カップで、FCバルセロナに近づいている。ショートパスと速いポジション移動を武器に、攻撃を展開している」と報じた。
一方の日本も、同様の称賛を浴びている。カタールのブルーノ・メツ監督は「日本は『アジアのバルセロナ』といえるほど、組織力が優れている」と評価した。

日本の勝利数を12としていたのは意外だ。 
“私の記録”では11勝だ。1992年と 1995年のダイナスティカップでの勝利はPK勝。公式記録では引分けとされるところ。また 1995年のダイナスティカップで派遣されたのは韓国五輪候補チームだった。先述した 1968年の Asian Cup 予選での勝利を入れたら12勝になるけど。
まぁ2005年の東アジア選手権以来日本は韓国に勝っていないんだけど…

ワントップの池東元は19歳。先のAFC U-19 で日本 U-19 は彼に翻弄された。
今大会2得点だけど共に格下のインド戦。しかし怪我で合流出来なかった朴主永の代役と云うよりもこれからも充分に起用されるのではないか?
今大会3得点の具滋哲はイラン戦ではアジア大会では“ライバル”尹比家林 ( ユンピッカラム ) にポジションを奪われた感じだったがこの Asian Cup では起用に応えていた。イラン戦までは。
そのイラン戦で決勝ゴールを決めたのが尹比家林。このどちらがスタメンだろう? 具滋哲がスタメンか…
韓国は4試合で8得点。日本は11得点。しかしインド戦と無気力だったサウジアラビア戦は割り引いた方がいいだろう。そうすると韓国が4得点、日本が6得点。韓国がオーストラリアと対戦した事も考慮すれば互角の実績か…
日本が気をつけたいのは立ち上がり。サウジアラビア戦では開始数十秒であわや失点のピンチがありカタール戦でも立ち上がりに失点を喫した。
中2日の韓国は全力で先制を奪い、あとは守りを固めるか….

■中盤を守るベテラン対決 
ベテランMFが攻守の要となっている点でも、両チームは似ている。韓国は、国際Aマッチ100試合目となる朴智星(パク・チソン)、日本は、すでに代表100試合を超える遠藤保仁が戦術の核となる。背番号は二人とも「7」だ。 朴智星は左サイドのMF、遠藤は中央の守備的MFとポジションは異なるが、中盤で攻守のラインの間隔やプレスを統率する点では似ている。遠藤は「京都でチームメートだった朴智星との対決が待ち遠しい」と話した。 両チームの得点源となっているのは、共に21歳の具滋哲(ク・ジャチョル)と香川真司。具滋哲は今大会4ゴールで得点王争いに絡んでおり、一方の香川も準々決勝のカタール戦で2ゴールを決めている。二人ともアシストも2本決めており、チャンスメークの能力も高い。


何と言っても朴智星。
かつては愛する京都サンガでプレーし天皇杯優勝を置き土産に渡欧したアジア屈指の選手。今大会の彼を見ているとやはり役者が一枚上手。ポジショニング、局面を好転させるワンタッチパス、強いドリブル、早い攻守の切り替え。イラン、オーストラリアの選手達は誰も彼を止められなかった。彼を止める事よりも、彼の仕事量を最小限に食い止めねば。 どうすればよいのだろうか…
イラン戦では具滋哲が無得点だった。 尹比家林の個人技で決勝点を奪ったけどサイド攻撃なくして大会制覇は考えられない。( もっとも日本に勝ってほしくないけど。) 香川がようやくゴールを挙げられる様になった。これで彼への警戒が強まり他の選手のマークが薄くなれば更に得点のチャンスが生まれる。日本は韓国戦3試合無得点。5年ぶりの勝利に繋がる得点をここで見せて欲しい。 

  

■センターバック、サブGKが弱点 日本の弱点はセンターバック。アジア・カップを前に、DFの要だった田中マルクス闘莉王、中沢佑二がけがで離脱した。準々決勝ではセンターバックの吉田麻也が退場処分を受け、韓国戦には出場できない。世宗大のイ・ヨンス教授(KBS放送・解説委員)は「チ・ドンウォンがDFの間でスペースをつくり、李青竜(イ・チョンヨン)や朴智星のスピードでサイドを揺さぶる『陽動作戦』に出れば、日本のDF陣の組織力を崩せる」と語る。
韓国も、李正秀(イ・ジョンス)が警告累積で出場できないため、センターバックのコンビに頭を悩ませている。また、ゴールを守る守護神が、共にW杯南アフリカ大会で正GKに昇格したという点でも共通している。
日本は、正GKの川島永嗣を除くサブGK2人に、国際Aマッチの出場経験がほとんどない。韓国も、鄭成竜(チョン・ソンリョン)の代役を務められるGKの人材が不足している。


日本DF陣が感じる脅威は朴智星もそうだけど平均身長で4cm日本を上回る高さ。キムシンウォクの様に 190cmを越える選手もいる。 それにしても韓国の若手はタレント揃いだ。 李青龍 ( Bolton ) 寄誠庸 ( Celtic ) 、池東元 洪正好  HSV ハンブルグのソンフンミン( 孫興民 )。だけど 2002年組も朴智星 ( Manchester United ) と車ドゥリ ( Celtic ) 李栄杓 が残っている。 バランス結構取れていると思う。 
それにしても本当に欧州のクラブはよく選手達を放してくれたと思う。
それが無ければ大会の面白さは半減しただろうし、中東、西アジア勢が上位を占めていただろう。

 

私の予想するスタメンは下記の通り

                        10 池東元

  7 朴智星          13 具滋哲      17 李青龍
                       ( 尹比家林 )

             16寄誠庸         6李容来

 12李栄杓    4 趙容亨      3 黄載源    22車ドゥリ
                ( 5 郭泰輝 )

                       GK 1 鄭成龍 

    

何人当たるか解らないけど、結果は我々の希望通りになって頂きたい…..

そして決勝戦は日豪対決になることを祈る。

伊野波、雪辱の逆転ゴール Japan 3-2 Qatar 22 Jan. 2011

2011-01-25 | Football Asia

70分日本は香川のゴールで 2-2 の同点に追い付いたが以降も相手ゴールに迫るのは大歓声に後押しされる地元カタール。 この日のNHKの解説をしていた福西氏は何度も “日本は1人少ないので延長戦には持ち込まれたくない…”と云っていた。

こういう大会では勝ち抜くたびに総合力、それは選手層だけでなく怪我、体力の温存が大事になってくる。 87分攻撃参加した長谷部が中央を上がると Hasid Ismael, Wesam Rizik が挟むようにタックルをいれファールを貰う。
ほぼ正面距離もそれほど遠くない。セットしたボールに遠藤と本田が寄る。 どちらでも良いから決めてくれ…と思う。しかし本田の蹴った弾道は落ち切れずにクロスバーを越えて行く。あぁそんなに思い通りにならないか… 
1人足らない日本は長谷部が上がると言う事はそれだけリスクを負うと言う事だった。89分、今度は長谷部が中盤から前線に送るが相手MFに当たり CB Bial Mihamed が足元に納める。しかしそれを本田がかっさらいドリブルで中に切れ込むが Khaled Muftah がタックルでブロック。そのこぼれ球を遠藤が拾うが Hamid Ismael が遠藤を倒してクリアー、その左を上がった長友も相手MFに倒されているが笛は鳴らない。しかしクリアーボールを拾ったのは長谷部、前線にグランダーのスルーパスが香川に通りゴール前にフリーで抜け出す。 Ali Am Alhamad が後ろからタックルに入るが香川は倒れない。続いて Khaled Muftah が後ろからタックルに入り香川は転倒する。笛は鳴らないのかよ…と思うとこぼれ球を拾ったのは右SBで起用されている伊野波。 伊野波は落ち着いてそのこぼれ球をカタールゴールに蹴り込みついに日本が終了間際にこの試合初めてリードを奪った。 

2007年10月17日。 北京五輪予選で日本はカタールと同組になり9月12日に国立で行われたホームゲームでは 1-0 で勝ったものの試合内容はカタールに押されていた。そしてドーハ Al Saad Stadium で行われたアウェーゲームでは43分青山直晃のゴールで先制するも77分に追い付かれ、ロスタイムに入り献上したPKを決められ勝点を逃したがその痛恨のハンドを犯したのが伊野波だった。 
結局日本は北京五輪出場権を勝ち取ったが、五輪メンバーには伊野波の名前は無かった。 最終予選6試合中5試合フル出場を果たしていたのだけど……
その伊野波が決めた勝ち越しゴールだった。
それにしてもこのシーン、何度も日本選手が倒され、特にPA内で香川に入れられたタックルはその時点で笛が吹かれても良かったと思ったけど、マレーシア人のSUBKHIDDIN MOHD SALLEH 主審はアドヴァンテージでも見ていたのかな…

これでスタジアムの雰囲気は完全に変わった。大歓声は消え日本人サポーター達からの声が目立つ。 しかしロスタイム4分と表示され再び地元サポーター達から歓声が上がる。 日本は92分香川が下がりDF永田が投入され逃げ切り態勢に入る。 
93分, ロスタイムに入って Alhamad に替って投入されたFW Al Marri からのパスを受けた右SB Al Ghanim が放ったシュートは GK 川島がパンチで弾きカタールのCKに。 そのCKを本田がヘッドでクリアーし再び Fabio Cesar がショートコーナーのパス交換から左足で入れたクロスに Sebastian Quintana がシュートを放つがサイドネット。 川島のGKから大きく前線の本田に送られるがカタールも最後の力を振り絞りそこからカウンターに転ずるが日本ゴール前に入れられたロングボールは永田がクリアー。そして91分40秒試合終了を告げるホイッスルが鳴り日本が4大会連続の準決勝進出を決めた…. 最後まではらはらしたけど、日本の底力を見せつけた試合でもあった……

  

無気力のサウジアラビアを撃破して準々決勝進出を決めた日本の対戦相手はカタール。私の希望は日本がGroup B を首位で勝ち抜き、 Group A はカタールに1位で抜けて貰い、中国が2位で抜けて準々決勝で対戦し、中国を殲滅してくれる事だった。しかし初戦でカタールがウズベキスタンに敗れたので“思惑”がすっかり狂ってしまった…
ホスト国のカタール相手に主審の“ホームアドヴァンテージ”な判定をされたり、PK 戦に持ち込まれそうな気がしてなるべく当たって欲しくなかった。
ワールドカップや五輪予選と異なり何試合もの試合結果で勝点数を競う試合の1つではなく、トーナメント戦の1発勝負。負けても残り試合で取り返しましょう…なんて事は出来ない。

カタールと言えば私にとってはワールドカップへの出場経験こそないがイラン、イラク、サウジアラビアに並んで中東の強豪国と云う印象が消えない。ロス五輪、バルセロナ五輪にはアジア地区予選を勝ち抜き出場権を獲得している。 U-17 U-20 となると日本がメキシコ五輪以来初めてアジア地区予選を勝ち抜いた1994年の AFC U-16, U-19 の前に何度もFIFAの大会に進出している。
確かにロス五輪予選以外の年齢制限のある大会では常に“年齢詐称”疑惑が点いて回ったけど… ただバルセロナ五輪予選は圧倒的な強さでアジア地区最終予選を1位で通過し五輪でもベスト8に進出した。

試合の前日FW HUSSAIN YASER M ABDULRAHMAN が監督の起用方法に不服を唱えたのでチームから追放された事が報道された。
しかし Sebastian Quintana とコンビを組む2トップは中国戦でスタメン起用され2ゴールを上げた Yusef Ahmed Aliだと思っていたのでそれほど“吉報”でもないと思った。一方の日本はGK 川島が復帰するが松井が怪我で離脱し内田が累積警告で出場停止。前線は岡崎を起用、内田のポジションはサウジアラビア戦で途中出場した伊野波 だった。
サウジアラビア戦で出て来た時にあの北京五輪予選のカタール戦を思い出した。 その試合に出場したメンバーで再びこのカタール戦に出場を果たしたのは他に本田圭祐がいた。李忠成、柏木が五輪予選ではスタメン起用され内田とGK西川は控え選手だった。
また前回大会のカタール戦に出場した選手は遠藤1人だった、というよりも今大会のメンバー自体、2007年大会経験者は他に今野、伊野波そしてGK川島の4人のみ。
それだけ世代交代が進んでいるのか?

一方のカタールは前のクウェート戦からメンバーとほぼ同じスタメン。試合終了2分前に投入された 本来DFのMesaad Ali Alhamad が起用され2列目右に入った。
これは香川、長友対策か?
GK は不動のQasem Abdullhamed Burhan 。左SB Hamid Ismaeil Khaleefa はと CB BilalMohammed Rajab左SB Ibrahim Abdulla Al Ghanim らは北京五輪日本戦に出場。そしてもう1人のCB Ibrahim Majed は前回の Asian Cup 日本戦のスタメン。DFラインはみな“日本戦” 経験者。ボランチにガーナからの帰化人選手 Lawrence Awuley Quayne が前大会の日本戦にも出場した Wesam Rizik Abdulmajid と組む。
2列目右は上述した Hamid Ismaeil 左にはMohamed Elsayed AM Sayed 。
そして2トップはお馴染みの Sebastine Quintana と中国戦2ゴールのYusef Ahmed M Ali 。 Bruno Metsu 監督が日本と相対するのは確か4度目。どういう対策を講じて来たのだろう…

  

選手入場の際にまず審判団が映し出されマレーシア人の Subkhiddin Mohad Salleh 主審とわかりちょっと安心した。
2004年 Asian Cup のヨルダン戦で宮本の抗議を聞き入れてPKのゴールを替えてくれた主審だ。他にもACL等の国際試合で何度か主審を務めたのを見た事がある。この Asian Cup を最後に国際試合の審判から身を引くとの記事を見た。

  

日本のキックオフで始まった試合はまず日本が攻め込む。2分36秒には本田のパスを受けた香川がシュート体勢に入るが Hamid Ismael がCKマークに入りCKに。その前にマークに入った Mesaad Al Hamad の手に当たった様に見えたが.. 4分41秒には岡崎が本田とのパス交換で抜け出すが倒される。しかしここも笛はならない。 Salleh 主審ここは笛を吹いてくれても…と思った。
8分に今度はカタールがチャンスを作る。 Quintana のシュートが今野の足にあたりこぼれたところを Al Hamad がシュートを撃つが川島がナイスセーブで防ぐ。
11分、CB Ibrahim Majed が岡崎と交錯して倒れて動けずピッチの外に運び出される。 かなり傷んでいるらしいがなかなか交替選手が出てこない、と云うよりも準備が出来ていなかった様だ。 
しかしその1人少ない間にカタールが先制ゴールを挙げた。 中盤で吉田から岡崎のへのパスを拾った Al Hamad が前の Sebastian にフィード。そしてそのままドリブルで持ち込み最後は吉田をかわして中に切り返して日本ゴールにシュートを蹴り込んだ。今大会 Sebastian の初ゴールだった。
リプレーが何度か出たがSebastian にボールが出る時に逆サイドの伊野波が上がり切れておらずオフサイドにならなかった。 元々CBの伊野波にとっていきなり厳しい場場面に遭遇してしまった。

  

地元サポーター達の大歓声が上がる。その歓声の中、失点を許した川島の表情が映し出されるが唇が異様に紫色だったのが気になった。前の試合に出場停止だったので試合勘がちょっともどっていないと自身がかんじているのか…

日本はサウジアラビア戦でも開始早々あわや失点..という場面があった。この時期 Jリーガー達はシーズンオフ中。まだ試合モードに入るには時間が掛かるか??

そして試合再開のキックオフ時に交替選手 18歳のKhaled Muftah がピッチに入った。 先制点を挙げたカタールは攻撃に転ずるとボランチの2人の押し上げが早く前線の Sebastian と Ahmed M Ali の2人にどんどんボールを入れて来る。そして Sebastian はDFを背負いながらうまく相手を抑えたり転んでファールを取ろうとしたり。ドリブルの速さと力強さはやはりアジアでもトップクラスだ。
また両SB も高い位置をキープし攻撃に絡んでくる。そして日本選手がボールを拾うと早くに守備態勢にはいり攻守の切り替えが早い。こういうときにはDFの裏にボールを放り込んでラインを下げさせるなどすれば良いと思うのだけどパスは足元ばかりに。 その足元への縦パスが何度もカットされた。
24分24秒、右サイドで得たFKからカタールゴール前にボールが入るがクリアーされる。そのこぼれ球を拾った長友がミドルを放つがポストの右に外れて行った。これが日本が撃ったこの試合最初のシュートだった。だがようやく落ち着きを取り戻したのか前線でもボールが回る様になった。 
そして日本に同点ゴールが生まれる。前線で香川からのボールを中央で受けた本田が相手DFの裏に飛び出した右の岡崎にボールを送るとフリーで抜け出す。 そして逆サイドにループ気味にボールを上げるとそこに香川が Al Hamad に後ろから押されながらも身体ごとボールと一緒にカタールゴールに飛び込んだ。 

  

バイタルエリアでの見事なボール回しと岡崎、香川の裏への飛び出しだった。
大会前 AFC のホームページで Goal Machine と比喩された香川の大会初得点でった。
25分あたりから相手コート内に入ってワンタッチでボールを回す攻撃が非常に効果的だった。中東では天候のせいもあってかショートパスを速く回されたりワンタッチ、ツータッチのパスを回す動きに対応するのは苦手とするチームが多い。同点にしてからも試合の主導権は日本が握り本田が相手ゴールに御迫るシーン等何度かあったチャンスは得点に結びつかずに前半を終えた。 
それにしても日本サポーターの数も少なくない、あぁ見に行きたかったなぁ....

    

後に調べた公式記録では気温は17度だった。後半は日本の運動量が更に勝り優位に試合を進めるだろう..と思った。雨が降ってくれればカタールに不利になるのに…と思うもこの日は降雨の気配は無かった。

後半開始直後 Sebastian と吉田が交錯して転倒し吉田にイエローが出される。 ちょっといやなスタートだったが思えばこれが災難の始まりだったかもしれない。 Sebastian は前半にもまして日本DF陣に身体を預け何度も倒れる様になった。そして Yusef Ahmed とのコンビネーションも徐々に時間が経つにつれて脅威となる。 50分には Yusef Ahmed が右から中に切れ込んでシュートを撃つが川島の正面に。 52分には Sebastine がYusef Ahmed からのパスを受けフリーで日本ゴールに迫るが伊野波が必死に戻ってシュートを撃たせない。 開始からこの2トップめがけて放り込まれるロングボールを警戒してDF陣が押し上げられず中盤との間が空いてきていた。 そしてボランチ遠藤、長谷部が相手ボールになった時に入るマークがやや後手になっておりその分DFがマークに腐心する時間が続く。 ただこういう状況で攻守に渡って…と云うのは酷だろう。まずは相手の攻撃を抑えて…と思った。

  

57分に長友がサイドを上がりいれたクロスに岡崎が飛び込み CB Ibrahim Majed の前でヘッドを放つが惜しくもポストの右に。60分にはようやく前田にボールが入り左に振り走り込んだ長友がミドルを撃つがGK Qasem Abdull の正面に。
これで日本もペースを掴むか…と思った63分、とんでも無い事が起こる。 
カウンターから Yusef Ahmed がドリブルで上がったところに吉田がスライディングでストップ。両者ともに脚をぶつけた様で立てないところに Salleh 主審が歩み寄り胸ポケットからカードを取り出そうとする…あぁ吉田退場か。厳しいなぁ…と思うと案の定この日吉田に対して2枚目のイエローカードを提示しすぐにレッドカードを出した。 
大歓声が沸き上がる厳しい判定に見えたがリプレーを見るとスライディングで倒した Yusef Ahmed が起き上ろうとした時に吉田の脚に再びカニばさみの様に脚がはさまり吉田が故意に行く手を阻んだと取られたのだろう。日本はこれでシリア戦に続いて1人少ない状況になりカタールは絶好の位置でFKを得た。しかも4分前にブラジルからの帰化人選手 Fabio Cesar Montesin が投入されたばかりだった。
左足得意の Montesin がボールをセットする。上げられると吉田がいないのでちょっと...と思うと直接日本ゴール目がけて蹴り込まれた弾道は両選手の間を縫う様にそのままゴールネットを揺らした。

ベンチ裏に引き上げる道中だった吉田の表情がアップになる。
Montesin の見事なFKだった。そしてナイスタイミングの投入だった。でも壁が香川1枚だけというのも…人数が減ったから仕方なかったか… Montesin はワールドカップ予選にも出て来た選手なので特徴は解っていたと思うんだけど…

スタンドはもう大歓声にお祭り騒ぎ。 流れは完全にカタールだ。 こんなに苦戦するとは…やはりホームゲームは特別な力が備わるのか…
試合再開直前にCBに岩政を入れてトップの前田を下げ、岡崎の1トップに。この劣勢はどう挽回するのか… 再びリードを奪ったカタールは日本が攻撃に転じてもファールでプレーを止めて守備を整える。 Sebastian も前線からプレスに入る。それにしてもこの大会の Sebastian は必要なことなのだけど攻守に献身的だ。
2006年アジア大会で“衝撃のデビュー”を飾って以来こんな Sebastian は前のワールドカップ予選ではお目にかかれなかった。
まさか 2022 年の地元開催のワールドカップに出場しようとは思っていないだろうが次のワールドカップ予選も本当に要注意だ。
このまま負けてしまうとは思わなかったけど、相手もなかなか研究しているかなぁ…と思った。ワールドカップ予選でも2試合対戦しているし….

しかし次のゴールを奪ったのは日本。70分香川が相手から奪ったボールを本田に送り、本田は前線に出す。そこには岡崎、香川、Bilal Rajab 、Muftah が犇めいているがボールはピンボールの様に選手間に当たって最後は右前方にこぼれ、香川が抜け出しフリーでコントロール。最後は左足で振り抜いたシュートがカタールゴールに突き刺さり、日本は再び同点に追い付いた。 
   

フリーで抜け出たとはいえ香川の落ち着いて放った見事なシュートだった。
再び追い付かれたカタールは3点目を狙いボランチのドリブル得意の Lawrence が前に出てくる。そしてその度に大歓声が後押しをする。82分Montesin がドルブルでPA内に切れ込んでくるが伊野波がクリアーでCKに。そのCK に Bial Rajab が岩政と今野の間に割り込んでヘッドを放つが外れて行く。
Sebastian はサイドによってチャンスメークを試みる。これも彼のプレースタイルが変わった一面。前はそういうプレーが見られなかった。83分には Montesin がシュートコーナーを Bial Rajab に送り、そのままシュートを撃つが川島がキャッチ。 Lawrence がしっかと詰めていた。 85分には Montesin から右サイドでボールを受けた Sebastian が岩政がマークに入る前に放ったミドルはサイドネットを直撃。一瞬ひやりとさせられた。 1人少ない日本は前線に人がいない。香川が中盤より後ろに下がって来ている。延長戦に入るとさらに劣勢を強いられる。こうなるとワールドカップで見せた良い位置でのFKに期待するしかないか…
87分長谷部が倒され絶好に位置でFKを得た………

何とかカタールを振り切った日本だった。
この3年半で3回日本と対戦している Metsu 監督はかなり研究をして試合に臨んだのではないかな….

Semi-Finalist は他にウズベキスタン、オーストラリア、韓国。 中東、西アジア勢は全滅となった。この結果をみて湾岸諸国そして西アジア諸国は五輪、ワールドカップ予選に向けてどう巻き返して来るだろう..

  

日本は準決勝で韓国との対戦が決まった。 
韓国はカタールよりの力があると思う。苦戦は免れない。昨年は2敗1分。

今はでも韓国戦よりもカタール戦の勝利の余韻に浸りたい…

そして睡眠不足はどこで穴埋めしようか…

そして一言云わせてくれぃ。 伊野波 ナイス雪辱ゴールだったぞぉぉ…