Mr.コンティのRising JAPAN

マスコミの書かない&書きそうもない!スポーツ界の雑学・裏話を、サッカーを中心にコメントを掲載していきます。

近畿一丸の全国高校サッカー 準決勝第2試合から

2011-01-20 | 五輪 U-20, U-17

準決勝第2試合 滝川第二高校 0-0 ( PK 7-6 ) 立正大淞南

両チーム得点機は多かった。決定機第1試合よりもずっと多くあった。しかし第1試合では4ゴールも決まったのに第2試合は共に無得点のままPK戦に縺れ込んだ。

PK戦は共に譲らない。“先攻”の滝川第二は樋口君、濱田君、香川君、谷口君と4人連続で決める。
一方の立正大淞南は池田君、徳永君、加藤君が決めた後の4人目小田君が左上に外してしまう。1番手池田君のシュートがポストに当てて失敗したかに見えたがGK下出君が池田君が蹴る前に先に前に出たとのことで蹴りなおしとなった幸運があったのだけど…
次に蹴る土師君が決めると滝川第二が勝利を収め関西対決が実現する。そう胸算用しているとGK三上君が左に倒れ込んで土師君のショットをストップする。
こうなると次の滝川第二5人目中村君に多大なプレッシャーがかかるがその中を中村君は右上に決め、6人目、サドンデスに入る。 滝川第二 本城君、立正大淞南
竹内君、共に決めた後、白岩君のシュートは左ポストを直撃して滝川第二が一転大ピンチに陥る。 
しかし今度は滝川第二GK下出君が稲葉君のシュートを右に倒れ込んでナイスセーブでチームを救う。こうなって来るとPK戦で勝敗をつけるのは酷だなぁ…再試合…出来ないかぁ…と思いを巡らせる。
滝川第二8人目高原君が決め、続く福島君がボールをセットしている時、テレビ画面は急に“この番組は…”と何と中継終了を告げ出したではないか…

    おいおいこんな良いところで…

こういう経験、高校サッカーの中継では何度かあったなぁ…
昭和51年に開催された時の準決勝戦、浦和南対帝京….昭和55年に行われた1回戦の旭対北陽…. あの時は(何十年前や…)今の様にインターネット等無い時代。結果は夕方のスポーツニュースまで待たねばならなかった。
私は慌ててIモード(今はこう言わないか??)とPCのスイッチを入れた。 ネットを繋いで…. YAHOO に繋いで速報を見ると“滝川第二がPK戦を制す”という文字が… あぁこれで関西対決が決まった…と思った直後、今度はテレビ画面から最後のシーンが伝えられる。 椎屋君のシュートが入らんかったんやなぁ……

    

それにしても日本テレビ、( 関西に居た時は読売テレビ ) ええかげんにせぇよ….

と私は呟かざるを得なかった…

嫌韓流本が世間に出まわった頃韓国ではこれに対抗して反嫌韓流本が発行され日本語版も日本で発売された。
そこには当然竹島(獨島)問題の事も取り上げられており、“竹島”が自分の県に属していると主張する日本の島根県は 2005年に県議会が“竹島の日”条例を可決したのは日本の都道府県の中でも最も財政の苦しい県の一つである島根県が国から“竹島”絡みで補助を受ける為の一環である….てなとんでも解説が述べられていた。 

この本は他にも昭和天皇が極東軍事裁判に召喚され発言した等まったく出鱈目な事を並べている笑える本であり素人の私でもいくらでも論破できる事がつづられていた。そ

れにしても島根県の財政と竹島を結びつけるとは…こういう発想も必要なんかいな??? 
そして竹島問題に就いて静観を続けている日本政府にも領土奪還の“発想”をはやく持ってもしいものだけど…

   

今年の選手権は関西勢もそうだけど島根県代表の立正大淞南の躍進も後世に語り継がれるのではと思う。
島根県はかつて西中国地区代表として山口県代表と選手権の代表を競っていた。だけどどちらかと言えば山口県の高校が優勢だった記憶がある。
1都道府県1代表制となった第62回大会以降、初戦の壁は厚くしかも大量得点差で敗れた年も何度かあった。そして第67回大会、ようやく大社高校が真岡高校(栃木県)を破り悲願の初戦突破を成し遂げた…
それだけに今大会は立正大淞南が勝つたびに、野洲高校を破り新潟西高校を破って島根県勢初のベスト8に残り更に準々決勝戦で西武台高校をPK戦で破り国立の舞台に勝ち進み、勝つたびに地元では大いに沸いたに違いない。

個人的には久御山高校が勝ったので関西対決実現の為に滝川第二に勝ってほしいと思っていたんだけど、ここ10年はここまで来たらどっちにも負けて欲しくないし、負けても国立のピッチに立てたから満足かなぁ…と思う様になった。そして今年も… この試合の見所は両チームの得点力。立正大淞南の加藤君は7得点。滝川第二の樋口君は6得点、浜口君が5得点。点の取り合いになれば面白いかなぁ….第一試合では合計4得点入ったのだからこの試合はもっと入るかな…と思った。スタメンを見ると立正大淞南は前の西武台戦と同じスタメン。 
滝川第二はDFを2人替えて左SBに島君CBに高橋君が左SHには恵君がそれぞれスタメンに起用された。そして樋口君と浜口君の強力2トップはこの日も健在だった。

立ち上がりは立正大淞南が攻勢に出てくる。
3分57秒には右から池田君が切れ込み入れたクロスにわずかに加藤君が届かない7分27秒には右SB椎名君がドリブルで上がり池田君に送りシュートを演出するがDFに当たる。9分40秒には加藤君がドリブルで切れ込み恵君と島君をマークに引きつけ中に入れると池田君と新里君がなだれ込むがシュートは打てない。
だが10分を過ぎたあたりから滝川第二はボランチの谷口、香川両君が高い位置に出て来る様になり前線へのボールが繋がるようになる。12分には椎屋君がヘッドでクリアーをしたところをボランチの谷口君が拾って放ったミドルが立正大淞南を襲うがGK 三山君がナイスセーブで防ぐ。
その直後にも後方からのロビングを浜口君が椎屋君と競りながら落としたところを竹内君を上手く抑えた香川君がシュートに持ち込むがここも三山君が好セーブ。
滝川第二は守っても左SHの恵君とボランチの谷口君が巧みな連携で相対する立正大淞南のこれまで7得点の加藤君をマークする。
それでも時折逆サイドの池田君がドリブルで突破を図る。だけどシュートになかなか持ち込めない。 37分恵君が左サイドを上がり入れたクロスにCB竹内君と競りながら樋口君がヘッドを放つがまたもGK三山君がナイスセーブを見せる。

“樋口君は右足首をねん挫している…プロ志望だけどまだ進路が決まっていない。”てなことをアナウンサーが云っていた。ならば是非京都サンガに….と思っていたけど大会後清水エスパルスと仮契約をかわしたとの記事を見つけた…あぁ残念。

滝川第二は35分から中盤を飛ばして一気に前線にボールを入れる様になって来た。しかしそのロング、ミドルのパスも正確だ。最近は本当にパスのレンジも長くなって来たなぁ…

45分17秒には左からの樋口君のクロスに香川君がフリーでヘッドを放ったがクロスバーを越えてしまった。そして2分あったロスタイムも終えて両チーム無得点のまま前半が終わった。立正大淞南の南監督は引き上げて来る選手達に向かって控室に入る前になにやらカツを入れていた。 
前半を終わってシュート数は滝川第二が9本に対して立正大淞南は4本、CKは滝川第二6に対して立正大淞南は1つも取れなかった。

   

専門誌を見てみると立正大淞南の選手達の前の所属先はほとんどが大阪を始め関西地区。2009年に野球部が全国大会に出場をした時も山陰地区出身の選手がいないと話題にされたけど山陰地方の私立高校はこういう事は今更珍しくないだろう。私は悪いとは思わない。高校生たちが充実した学園生活を送れるのであるならば…

後半に入っても早々に滝川第二が攻勢に出る。
21秒には浜口がミドルを放つが弾道はクロスバーを越え、46分25秒には左SB島君がゴール前に入れたハイボールを浜口君が頭で落とし拾った本城君が中央から左に寄りながらドリブルシュートを放つが中村謙吾君がクリアー。
後半立ち上がりはロングボールをどんどん入れて来る。

劣勢の立正大淞南ベンチは現状打破を図る為に52分新里君を下げて福島君を準々決勝同様投入し、右SHに入り加藤君をFWに置き池田君と2トップを組む。
そしてそれが功を奏したか一気に立正大淞南が攻勢に出て来る。52分51秒には左サイドを上がった加藤君がスルーパスを送ると池田君が相手CBの間に走り込んで放ったシュートはわずかに左に外れる。 56分22秒には再び加藤君が相手のパスをカットし左の小田君に送ると小田君はドリブルで持ち込みクロスを入れるとそこに走り込んだ加藤君がダイレクトでショットを放つ。しかしここは相手DFに当たりゴールには至らない。
58分34秒にはサインプレーを見せる。池田君のCKから徳永君に送るが徳永君はスルーして後方で受けた小田君がヒールで戻したところを中村謙吾君がシュートを放つここは相手DFに当たりこぼれ球を前線に上がっていた右SB濱田君が中に入れる竹内君を走らせるがその前にGK下出君が掴む。立正大淞南のサインプレーというよりもトリックプレーは定評があるらしい。
滝川第二とは練習試合をした事があったらしいがそこで見せなければよかったなぁ…と南監督は試合前に報道陣に語っていたらしい…

今度は劣勢続きになった滝川第二は60分過ぎから本城君(右)と谷口君(左)両サイドいっぱいに開く様になった。62分49秒には本城君福島君からボールを奪ってドリブルで上がり相手選手3人に囲まれながら谷口君に戻してシュートを撃たせるがポストを叩く。66分には浜口君がヘッドで落としたところを谷口君が拾って放ったシュートはバーを越えた。谷口君は紫光クラブでプレーしていたらしい。
ならば将来はサンガに入ってくれぃ。 

67分スローンを受けた浜口君が右サイドから入れたクロスに樋口君がGK三山君と競りながらヘッドで落としたところを浜口君がフォローに入るがここも決まらない。
71分竹内君が浜口君を倒したプレーにイエローカードが出される。そして得たFKに樋口君が胸でトラップをして放ったシュートは相手DFに当たりリバウンドを浜口君が撃つが決まらない。 75分には右サイド本城君が上がり後方から走り込んだ濱田君に戻し上げられたクロスに樋口君が椎屋君と競りながらヘッドを放つがゴールをとらえられない。78分30秒にはセットプレーから樋口君が中央をドリブルで上がり右サイドの本城君に送りファーサイドの恵君に送るがそこから放たれたショットはGK三山君がファインセーブでストップ。 今日の三山君は何失点防いだのだろう…

再び攻勢に出て来た滝川第二ベンチは80分にFW浜口君を下げて常峰君を投入し83分には恵君に替って鹿島学園戦でゴールを決めた白岩君をピッチに送る。浜口君は怪我の状態が心配だ…
だが残り時間10分を切ってから立正大淞南が猛攻を見せる。対戦相手のストライカー浜口君が下がった事が選手達に勇気を与えたのだろうか…
85分加藤君が中央でボールを奪い左前方の小田君に送る。そして上げられたクロスにドンピシャのタイミングでFW池田君がヘッドで合わせるが僅かにクロスバーを越える。 フリーだったのに….
しかし2分後更に決定的なシーンが立正大淞南に訪れる。白石君のシュートが相手DFに当たって跳ね返ったところを池田君が拾ってドリブルで中央突破をはかる。 そして滝川第二DF陣の裏に走り込んだ加藤君に絶妙のスルーが通る。そして左サイドからドリブルで滝川第二ゴールに迫る加藤君はGK下出君も振り切り無人のゴールに左足でボールを流し込む….が、無情にもボールはポストの左を通過していく。

このシーン、しばらく両校の選手達の脳裏に残るだろうなぁ…
今大会7得点の加藤君、8得点目を決めていれば立正大淞南が今大会優勝していたかもなぁ…

その後4分あったロスタイムに両校1度ずつチャンスを掴んだが得点は生まれず勝敗はPK戦で決められる事になった… PK 戦は8人目まで縺れ込んだ….

エースの加藤君は卒業後プロには進まず大学に進学してから自分に足らないものを身に付けてからプロを目指すらしい…ならば京都に来てくれ。

大学も関西方面らしいから…       決勝戦に続く 

  


近畿一丸の全国高校サッカー 準決勝第一試合から

2011-01-20 | 五輪 U-20, U-17
後半は47分になっていた。1点差とされた滝川第二高校は坂本君がドリブルで左サイドを上がり倒され得たFKを足立君が中に入れる久御山ゴール前に上がったCB山本君のヘッドはGK中尾君の正面に。ロスタイムは5分と表示されたが滝川第二GK中尾君が89分に久御山MF坂本君と交錯した際に負った負傷を治療していた時間があったのでもっと時間があると思った。久御山が同点に追い付くチャンスも時間もまだまだある、同点になれば歴史的な試合になるぞ…と思った。
51分に滝川第二ベンチは本城君を下げて3年生の田中君が投入される。最後に一瞬でも卒業前に決勝のピッチに立てて良かったなぁ…とおもっていると滝川第二が攻撃に転じ、久御山CB松下君がクリアーをしたボールが樋口君にあたりそのまま大きく久御山ゴール前に弾む。そのボールに追い付いた樋口君が久御山ゴールに流し込み滝川第二がリードを広げた。そして主審の試合終了のホイッスルが鳴り激闘に終止符が打たれた。 時計は51分56秒を示していた…

準決勝第1試合 久御山高校 2-2 ( PK 3-2 ) 流通経済大柏

今年の選手権は関西勢がなかなか調子よく、準々決勝には3校が関西から残りその中からに久御山高校(京都 ) と滝川第二高校(兵庫)の2校が準決勝に残った。
昨年は大阪代表の関大一高が準決勝まで残り私を初め多くのファンを沸かせた。 その関大一高は準々決勝で敗れたが、その相手が京都府代表の久御山高校。
3年振り5回目の選手権出場だ。1980年に創設された京都府立高校、所謂公立高校だ。そう紹介されるのを聞いて自分の記憶を手繰り寄せてみた。
久御山高校が創設された時、私はまだ高校生だった。当時サッカー部には友人が多く確かインターハイ予選だったと思うけど友人から
“1回戦で当たるところは出来たばかりの学校で1年生ばかりだからうちが勝てそうや。観にきぃへんか?(観に来ないか?:解説しなくても解るか??) ”
こう誘われどこかの高校のグランドで行われたこの試合を観に出掛けた。
そして確か母校が勝ったと記憶している….あれから30年、母校のサッカー部はまだ選手権出場は無いが久御山は既に5回目の出場となっている。

準決勝の組み合わせが決まった時、真っ先に“関西対決が決勝で実現しないかなぁ….”と思った。高校野球では関西勢が上位を占める年は何度もあったが首都圏開催となった高校サッカーはまだまだ関東勢に押されっぱなし…そういう印象が残っている。
関西対決が実現するためには準決勝戦を勝ち抜かねばならないが(当たり前か…) どちらかと云うと準々決勝で昨年覇者山梨学院大付属を破った流通経済大柏高校を相手にする久御山の方が苦戦するのでは…逆に久御山が勝てば大きく一歩関西対決に前進する…と思った。
流通経済大柏高校は3年前に全国制覇を果たした強豪。激戦の千葉県大会をインターハイ王者の市立船橋高校を決勝戦で破り全国選手権に進出して来た。今年は公式戦37勝4敗。そのうち高校サッカー部に敗れたのは1度だけ。この年齢で日本国内最高の大会と言われている全日本ユース大会ではベスト8に残った。
そして全国制覇した年に初戦で対戦したのが久御山高校だった。そして久御山を 2-1 で破った。 久御山としては雪辱戦ともいえる準決勝戦だった。だけど本当に苦戦するだろうなぁ….と不安に思った(俺が不安になってどうする?)

久御山はCB山本君が累積警告で出場出来ずスタンドからの観戦。1年生の東松君がCBに入った。だけど流経大柏は大会に入って怪我をしてしまった右SBの中西君だけでなくCB増田君そしてMF吉田君を怪我で欠く。ボランチだった熊田君をCBに入れアンカー古波津君の前には富田君の1ボランチにし、前の試合では途中出場だった田宮君がFWに入り宮本君と2トップを組んだ。選手権も日程が深まるとレギュラー選手だけでなく総合力が問われて来る。

試合開始から劣勢が危惧された久御山が攻勢に出てくる。流経大柏のマンツーマンマークを上手く外すシーンが続いた。そして11分、東松君のスルーパスに上手く相手DF陣の間に走り込んだ安川君がドリブルシュートを決めて久御山が先制点を挙げた。安川君のボールの受け方というよりもDFラインの間には入り込む走り方も素晴らしかったが1年生CB東松君のスルーパスも見事だった。

    

先制を許した流経大柏ベンチは早くも右SB鈴木君に替えて2年生の竹原君を投入する。久御山にDFラインとボランチの間の両サイドに侵入を許していたせいかMF川本君をボランチに下げ古波津君と組ませた。そして富田君が2列目右に入りゾーンでプレスを掛ける様にした。流経大柏の本田監督は準決勝戦でも先制を許すと21分、31分に選手を入れ替え、逆転勝利を呼び込んだ。そしてこの試合もこの選手交替を機に序盤の劣勢を挽回して行った。
25分には古波津君が右サイドを上がり川本君に出しそこからクロスが上がる。一旦はCBがクリアーするもその跳ね返りをFW宮本君がボレーで叩き相手DFに当たってCKを得る。そのCKには本橋君と竹原君が上がって来る。そして竹原君の放ったヘッドは僅かに右に外れた。
31分12秒には宮本君にドリブルを右SB山田君がファールで止めてイエローが出され、与えられたFKをから富田君がシュートに持ち込むがクロスバーを越えた。
中盤での支配権を奪われた久御山はそれでも坂本君、林君のドリブル突破が顕著であるがトップの安川君になかなかボールが回らない。37分には宮本君が左サイドをドリブルで上がり真ん中で富田君が囮となりDFを引きつけ逆サイドに走り込んだ新藤君がヘッドを放つがGK絹傘君の正面だった。 
同点ゴールがなかなか訪れない流経大柏ベンチは41分、名古屋入りが決まっている吉田君を川本君に替えて右サイドハーフに投入する。早くも2人目の交替だ。
吉田君は千葉県大会の決勝戦では決勝ゴールを決めた選手。選手権では左足小指を骨折したが前の試合に続いて前半から途中投入された。トーナメント方式そして準決勝ならではの選手交替だろう。前半は終了間際に進藤君がミドルを放つなどしたが久御山リードのまま終えた。

   

後半、開始早々に久御山のボランチ足立君がドリブルで持ち込み竹原君をかわして放ったショットは僅かに外れる。そしてその後はまた流経大柏が主導権を握る。特に左サイドハーフの進藤君の突破からチャンスが生まれる。そして富田君の攻撃参加が顕著になり、熊田君も中盤まで押し上げ数的優位を作る。
古波津君もよく前線にからむ。そして何より縦パスが繋がりだす。それだけ前線に張り出す選手が増えたのだろう。
それでもゴールが生まれない流経大柏ベンチは53分にFW宮本君を下げてFW杉山君を入れる。これで流経大柏の布陣は田宮君のワントップに杉山君がトップ下。
2列目左に進藤君。右に吉田君が入りボランチに富田君と古波津君が組む。

劣勢の久御山は56分に右サイドハーフの鍋野君を下げて177cmの塩田君を投入し彼を前線入れターゲットとするのか..と思うもポジションはそのままの様だった。今時177cmじゃそれほど長身とは云わないか??
だが流経大柏の攻勢は続き72分遂に同点ゴールが生まれる。
交替出場の吉田君がドリブルでPA付近に迫る塚本君と松下君がマークに入ったところを左にはたくとそこに杉山君が走り込み東松君がマークに入る前に久御山ゴールに流し込んだ。
それにしても吉田君のドリブルとパスは素晴らしかった。グランパスが狙ったその片鱗を見せつけた。

これで一気に流経大柏が勢いに乗り逆転ゴールも….と思うも同点ゴール直後、CKを得た久御山は一旦はクリアーされるが二上君がこぼれ球を中にゴール前に入れそれを受けた坂本君が八角君をかわして放ったシュートが流経大柏ゴールに突き刺さり再びリードを奪った。
八角君は一瞬塚本君の動きに惑わされマークを僅かに外してしまった。流経大柏は再びリードを許したが失点前同様攻撃に転ずるシーンを演出する。
82分には富田君からスルーパスが進藤君に亘るがCB塚本君がシュートを撃たせない。86分熊田君の放ったミドルはGK絹傘君の正面に。87分には杉山君から右サイドに開いた吉田君を経由して中央の田宮君に渡りシュートを撃つがここもGK正面に。
久御山は81分に途中出場の塩田君を下げて準々決勝戦でも途中から投入された沼田君を入れたがこれは中盤の運動量を高める為か?そして88分古波津君がスルーパスを送るとこの日流経大柏で最も活躍していた進藤君が走り込みそのまま同点ゴールを叩きこんだ。 
さすが3年前の覇者だ。 こういう流れになると一気に逆転されそうな気がした。
89分ナイスクロスが杉山君に入るが叩きつけ過ぎたか大きくワンバウンドして弾んでクロスバーを越えた。 
そしてロスタイム4分と表示された。観客席からはどよめきが沸き上がったが共にゴールは挙げられず勝負はPK戦に委ねられる事になった。

流経大柏の“先攻”で始まったPK戦は共に1人目の吉田君、山田君のPKを緒方、絹傘両GKがストップするスタート。その後流経大柏は富田君、杉山君が、久御山は足立君、坂本君が決め流経大柏4人目田宮君のショットはきに絹傘君が再びセーブ。 絹傘君は中学時代空手で活躍したらしいがそこで培われた反射神経が準々決勝戦に続いて威力を発揮しているのか。

            

久御山4人目二上が右下隅に決め、外せば万事休すの流経大柏5人目田宮君のPKは左ポストを直撃し京都府勢としては第72回大会の山城高校以来の決勝進出を決めた。

試合後のインタビューでは松本悟久御山高校が部員達に感謝をしたい…と答えていた。 京都商業高校出身らしい。おそらく元日本代表の柱谷幸一の先輩として一緒にプレーしたのではないかな… あの時は京商が強かったんとちゃうかなぁ….

スタンドではメンバー入り出来なかった流経大柏の3年生部員達が涙にくれている。 君達も MF 富田君同様流通経済大に進学するのか?だったら競技を続けろよ、そうでなくても続けられるなら続けろよ…、18歳で辞める理由なんてどこにもない高校で頑張ったんだからこれからもがんばれるはずだ….

そんな事を思いながら彼らを眺めていた…..

そして何とか関西対決が実現する事を祈った….