Mr.コンティのRising JAPAN

マスコミの書かない&書きそうもない!スポーツ界の雑学・裏話を、サッカーを中心にコメントを掲載していきます。

キックオフ 2時間前 Socceroos スタメンはこれだ!!….と思う

2011-01-29 | Football Asia
いよいよ…と云う感じがする…
日豪でアジアの覇権を争う舞台が来るなんてあのMCGの悲劇の時は考えられなかった。著名なオーストラリアのサッカージャーナリストがこう言っていた。
“オセアニアで優勝したってちっとも嬉しくない。ワールドカップは南米の強豪が立ちはだかり本当に遠かった….”

商用で頻繁に訪れるオーストラリア大陸ではサッカーの話をする顧客は皆無に等しい時期が長かった。欧州系の移民とは昔のサッカー談話が楽しめたけど…
わずか10年前,今のオーストラリアでのサッカー人気なんて誰も想像できなかった。 2005年 A-League の発足、そしてウルグアイとのプレーオフで勝利を収め、決定的な転機になったのはあのカイザースラウテルンでの日本戦だった。ラスト8分のあの夢の様な、日本にとっては悪夢の、逆転勝が無ければその後の興隆は絶対に起こらなかった。云ってみれば日本はサッカー人気そして Socceroos 人気の育ての親ともいえるだろう… 

 

地元サポーター達は代表チーム Socceroos が Oceania Nations Cup の様なレベルでは無く AFC に加盟した事から Asian Cup に出場し、ワールドカップ予選でアジアの列強と対戦する等ハイレベルな国際試合の激増に熱狂し、それにつれてSocceroos ファンも激増。 Qantas 航空がスポンサーになる等オーストラリア大陸でのサッカーを取り巻く環境は大いに改善されている。

しかし“育ての親”の役目はそれだけでは無い事を知る人は少ないか? 
オーストラリア、ニュージーランドのサッカーと言えば“サッカー識者”達は判で押したように“フィジカルの強さと高さ。”ばかり強調するが現実は異なる。 A-League を見ても上位常連のチームはきちんと中盤でボールを繋ぎ、ボールを直接やり取りしない選手はスペースを作る動きを怠らない。そしてバックアップも忘れない。まだ雑なプレーや試合展開に応じてフォーメーションを細かく替える様な戦術は頻繁に見られないがそこに高さと強さが交わり J-League とは異なった特徴がみられる。
その変化の表れは現地のサッカーフリークに云わせれば “ジャパンスタイルを取り入れたんだ。”との事らしい。
2006年のワールドカップ、翌年 Sydney FC と戦った浦和REDS そしてAsian Cup , ワールドカップ予選と日本サッカーとの関わりが急速に多くなり日本サッカーの長所を取り入れる傾向が有る様だ。
それは2008年ACL準々決勝で 試合終了時に地元テレビアナウンサーが “Historical !! “ と叫んだAdelaide United が鹿島アントラーズを破った試合が良い事例だった。
代表監督も前任の Pim Verbeek はかつて愛する京都サンガの指揮を執り(短期間だけど)そして今は浦和レッズで ACL タイトルを勝ち取った Holger Osiek が監督に就任してる…

スタメンはこれで決まり…?
ワールドカップ予選と異なり集中開催で約3週間で、6試合目となる Asian Cup の決勝戦ともなればスタメンは予想し易い。
唯一問題になるのは左サイドハーフであるが、これは準々決勝を累積警告で出場停止だった Brett Emerton の代役で出場した Matt McKay を使うと Osiek 監督は明言している。 だからスタメンは下記で決まりだろう…と思う。           

           4 Cahill 178/65    10 Kewell 180/77      


      17 McKay 171/69             14 Holman 177/72


          16 Vareli 175/70    15Jedinak 189/88   


3 Carney 180/70  6 Ognenovski 195/95  2 Neil 185/80  8 Wilkshire 178/71


             GK 1 Schwarzer 194 / 85

ただ日本攻撃を警戒し右サイドバックに Brett Emerton を使うかもしれない。
左SB の Carney は本来は攻撃的な選手。Wilkshire はMFの選手で日本のSB長友、内田の攻撃力を考えれば Emerton の守備能力を置いておきたくなるかもしれない。 
GK Schwarzer はまさに鉄壁。
今大会のオーストラリアの決勝進出は Schwarzer のファインセーブ連発を無しに考えられない。それは今大会だけでなく前回、前々回のワールドカップ予選、多くの対戦相手がSchwarzer の軍門に下っている。アジアのレベルをはるかに超えているがもうアジアと云うよりも長年プレーする Premiership でも高い評価を受けている欧州でも屈指のGKからゴールを奪うのは容易ではない。
日本が勝つためには絶対に先制点を与えてはいけない。リードしたオーストラリアは逃げ切り方をしっている…



DFラインは両サイドバックの裏が狙い目か…

今大会オーストラリアが失点を許したのは1次リーグの韓国戦の1点のみ。
前回のワールドカップ最終予選でも失点は8試合でわずかに闘莉王のヘッド1発しかも予選通過を決めた後のメルボルンでの最終戦のみだった。
ワールドカップ終了後 Craig Moore が代表から引退し Lucas Neil とコンビを組むCB探しが急務だったが、大会直前のエジプト戦で召集された Sasa Ognenovski が今大会は定着している。
これまでのDFラインは高さというよりも Neil – Moore の絶妙のラインコントロールが特徴だった。( 確かに Moore も185cmあったけど ) 城南一和所属の Ognenovski は高さはあるが左右の動きに何があると韓国のマスコミに韓国戦の前に指摘されていた。両サイドバックの Carney , Wilkshire は元々中盤、攻撃的選手。 Wilkshire は2006年大会の日本戦ではMF ( ただあの試合は3バック ) 2010年大会では3試合ともスタメンで右SB だった。
Carney はもっと攻撃的な選手。 2007年ACL では Sydney FC の一員として浦和 REDSと戦ったがMFで起用されており攻撃に絡んでいた。特に左サイドの Carney と McKay は守備の面ではまだまだ難があるので対峙する岡崎、内田が積極的にがんがんついてくれば良いと思う。

      

2006年ワールドカップでの得点は中村俊輔の得点は本来はSchwarzer にぶつかった高原がキーパーチャージを取られてもおかしくなかった幸運な得点。
2009年ワールドカップ最終予選の最終戦での得点は CK からの闘莉王のヘッド。2007年 Asian Cup で高原が決めた様な流れの中でのゴールが観たいものだ…
出来れば2回以上..でもゴールならどんな形でもいいか

新ボランチは…
これまでは Jason Culina , Vincze Grella がボランチを組み、攻撃的なのが Culina , 1対1に強い Grella が守備的 MF と役割が決まっていた。
Carl Vareli はワールドカップで3試合ともスタメン出場。 劣勢の中攻撃にはよく絡んでいた。 しかし一緒に組んだのがドイツ戦こそ Grella だったが以降ガーナ戦、セルビア戦は Culina だったので役割が中途半端だった。ドイツ戦は Culina が左SHFで起用されると言うサプライズがあったのだけど…. Jedinak の特徴は 189cm の上背だ。 セットプレー、パワープレー時には前線に上がるだろうがその分守備を埋めるのは誰だろう? 

  


攻撃時にはこの2人が上がって来てこぼれ球を拾ったり、数的優位を作ったりするだろう。 しかし守勢に回った時には上手く対応出来るだろうか? 格が落ちる相手では攻め続けられるが今回の対戦相手でアジアトップクラスの韓国戦では韓国MF陣にボールを回されるシーンも少なくなかった。 ウズベキスタン、イラク戦でも押し込まれるシーンも。
ワールドカップ予選そして今大会のオーストラリアの特徴は守備ブロックを構成し、バイタルエリアを狭める守備戦術だ。日本はこのブロックの外でばかりボールを回し決定機をなかなか造らせて貰えなかった。
前のワールドカップ予選のMF,FW陣はスピード系の選手ばかりで強引に中に割って入れる選手がいなかった。しかし今大会は当たり負けしない本田がいる。彼が中に割って入りボールキープをし次への起点になる事が出来るのではないか?そして空いているスペースにどんどん入りドリブルで切れ込む事だ。 
ワールドカップでドイツがオーストラリを切り刻んだ様に…

サイドハーフは好クロスを配球する…
イラク戦では Kewell の決勝点を演出した素晴らしいクロスを上げ、ウズベキスタン戦では何度もスルーパスを通しチャンスを作り、得点を導いた。決勝トーナメントに入り Matt McKay 無しに決勝進出は語れない。しかし対戦相手は彼へのマークはやや甘かった。( ウズベキスタン戦は相手がリードされリスクを追ってでも前線に人を送る必要があったけど。) だけどウズベキスタン戦でのスルーパスを通すそのセンスはこれまでの Socceroos にはあまりいないタイプだ。
Holman はワールドカップで2得点を上げ今や Cahill に続く Socceroos の得点源と言われている。ロングレンジからのシュートが得意だが最近はクロスも上げる。
そして2トップの動きばかり気に取られていると Kewell , Cahill が2列目に下がって来た時にはよく前に飛び出してくる。前線の2トップを生かす動き、配球をサイドハーフ2人はこなしている。反対に日本のMF陣がこの2人を抑えれば前線の攻撃力が低下すると思われる。 香川が出られない分細貝を入れてサイドハーフ2人をケアーさせると言う手もあるか….

好調の2トップ
こんなに生き生きとした Harry Kewell を見るのはいつ以来だろう…
2006年ワールドカップではクロアチア戦で起死回生の同点ゴールを決めて以来怪我で泣かされ続け、 Socceroos のユニフォームを着た Kewell がこれだけ縦横無尽に走り回るのは….昨年のワールドカップでは不運なレッドカードを突きつけられ…もしワールドカップで納得のいくプレーが出来ていたらきっと Asian Cup には参加しなかったのではないかな…
ワールドカップ南アフリカ大会でのオーストラリアは前線は1トップだった。その為に Scott McDonald まで最後はメンバーから外された. Kennedy が1トップに使われる事もあったがワールドカップでは初戦が Cahill のワントップ。Cahill を出場停止を失ったガーナ戦は Kewell 。その Kewell を失った最後のセルビア戦では遂に Kennedy の1トップに Cahill のシャドー。この戦術に Verbeek 監督は地元マスコミに“消極的な守備的。”と言われた。しかしオーストラリアとは言えワールドカップでは格上との対戦になる。前線を減らして守備を強化すると言う戦術が最優先で取り上げることは不思議ではないと思っていた。
だが Osiek 体制になり2トップを採用する事をいち早く“公言”。これはRugby Union, Rugby League , Aussie Football が盛んなオーストラリア大陸で歓迎された。彼らは 1-0 で逃げ切る事は誰も期待していない。何点取られても相手よりも多く点数を取ってくれる攻撃的な試合を期待しているのだ…
しかしおそらくOsiek 監督の描いていた2トップは Josh Kennedy と Kewell または Cahill の2トップでそのどちらかは中盤から…であったと思うが Kennedy の負傷で思惑は崩れたと思う。
それでも今大会はこの2人がポジションチェンジを繰り返しながら素晴らしい動きを見せている。対日本戦4試合4得点の Cahill は最も警戒すべき選手だけど、足首の調子が懸念されるらしいが、ウズベキスタン戦の試合内容がこの2トップを途中でベンチに下げて休ませる事が出来た。これも大きいと思う。
日本がリード、あるいは同点の場合、投入される前線は McDonald かそれとも193cm 長身DF浦和レッズ所属の Spiranovich が入れられて前線に高層建築を施すか….

  


何度も云うが勝つためには先制ゴール. これさえ決まれば今回はかなり主導権を握れると思う。
前の試合で日本は120分+PK戦、オーストラリアは最後は余裕のあった90分。 共にインターバルは中三日だけど、3日あればかなり回復しているのではないかな…

キックオフまであと2時間。 明日はすがすがしい朝を迎えられる事を祈るよ。

決勝戦は日豪対決

2011-01-29 | Football Asia
Asian Cup もいよいよ大詰め。最後まで日本が残っていると言う非常に喜ばしい大会経過だ。そして迎える日豪対決の決勝戦は1次リーグを終えた時点で最も望んでいた決勝戦のカードとなった。こういう日が来るなんて Socceroos フリークとしてはたまらない、というか信じられないと言うのが正直気持だ。

終了直前エースの一発。Australia 1-0 Iraq 23. Jan.

2大会連続で準々決勝進出を決めた Socceroos の対戦相手は前回1次リーグで 1-3 で完敗した相手で大会覇者のイラク。今大会では初戦のイラン戦では逆転負けを喫したが UAE, 北朝鮮を連破して実力を示し1次リーグを勝ち上がってきた。
オーストラリア戦はメンバーを3人替えて来た。前大会の重鎮 Younus Mahmood Khalaf 得点者の MF Nashat Akram Abid Ali Hawar Taher Zeebari らがスタメンに名を連ねた。

一方のオーストラリアは怪我で離脱していた Wilkshire と Carney が戻って来たが、Jason Culina は怪我の為に戦列を離れ Emerton が累積警告で出場停止だった。
Jedinak と Valeri が前の試合に続いてボランチを組むこととなった。

試合は Socceroosが支配率ではリードしながらも90分を経ても勝敗は決まらず無得点のまま時間は過ぎてもうPK戦突入かと思われた118分、左サイドの Matthew Graham McKay が素晴らしいライナーのクロスを送り Basem Abbas と Ahmed Ibrahim の間に割って入った Harry Kewell がドンピシャのタイミングで頭で合わせて GK Mohammed Kassid の守るゴールを破り劇的な決勝ゴールを決めた。
Kewell は2008年6月に Brisbane で行われたワールドカップ予選のイラク戦でもヘッドで決勝ゴールを決めている。

上半身裸でユニフォームを振り回す Kewell を見ていると25分の出場で終わった不本意なワールドカップの無念さを少しばかり晴らす事が出来たのではないだろうか…と思わずにいられなかった。
オーストラリアの立ち上がりは素晴らしく開始から4分間イラクはハーフウェィラインを越える事が出来なかった。
それは地元紙の表現を借りれば  “あたかもイラクに試合開始から前回バンコックでの 3-1 の勝利は今は何の役にも立たない、今夜新たな歴史を描くのは前回王者ではなく我々であると言う事を知らしめてやろうと決めた様な” スタートだった。
そして明らかに1次リーグ最終戦のバーレーン戦の時と試合の入り方は違っていた。 
Lucas Neil から Kewellに入れられたロビングは Ali Ethaima が何とかクリアー、Holman はあわやのシーンを引き出した。
しかし対戦相手は前回王者。次第に落ち着きを取り戻し Nashat Akram を中心に中盤でボールを回し始めた。彼がボールに近づく度に Valeri または Jedinak がマークに入る。序盤この二人のマークが無ければオーストラリアはもっと苦戦していただろう。そして McKay が前線に上がって来る回数が増え、放ったボレーシュートを何とか戻った Saeed Mejbel がヘッドでクリアーするシーンも。 
そして CB Sasa Ognenovski が Carney の FK に飛び込むがそのヘッドはサイドに外れて行った。前半終了直前には連続でチャンスを作る。 McKay が Holman のスルーパスに走り込んでフリーでシュートを放つが GK Mohammed Kassid の正面に。 Kewell が Erhaima Al-Kaabi を振り切りGKと1対1になり GK Kassid の頭越えを狙ったループはゴール上に外れた。 そしてSchwarzer のゴールキックを受けた Cahill が Kewellにボールを送り決定機を演出するが Kewell のシュートはまたもポストの右に外れてしまった。

後半に入ると今度はイラクが攻勢に出る。55分にYounis Mahmoud が右サイドを上がった Emad Mohammed に絶妙のスルーパスを送り GK Schwarzer と 1対1になるが逆サイドを狙ったシュートはわずかにポスト左に外れていった。 60分を過ぎて相手へのプレスに拍車をかけたのはオーストラリア。 Jedinak のロングシュートは GK Kassid がナイスセーブでストップ。 Cahill のクロスに Ognenovski がヘッドで狙うがここは GK Kassid の腕に収まる。延長戦に入り両チーム決定機を掴むが オーストラリア Schwarzer, イラク Kassid の両GKがファインセーブを連発し得点を許さないまま試合はPK戦の様相を呈していた…. PK戦になったら面白そうだなぁ….と思っていたら McKay のクロスが上がった………

やはりベテラン頼りか…
Vince Grella, Craig Moore, Mark Bresciano そして Scott Chipperfield 昨年のワールドカップまで10年以上に亘って Socceroos,を支え続けていたベテラン達の名前は今大会のメンバーリストにはなかった。 
ワールドカップでの成績を見てオーストラリアのジャーナリストたちは世代交代を急ぐ論調が強い。ワールドカップ 大会期間中はベテラン選手達は地元紙に“ use-by-date : 賞味期限切れ “ と比喩された。 
だが Neil, Kewell, Schwarzer , Cahill , Holman, Wilkshire怪我で大会途中離脱した Jason Culina …何人かの2006年組はまだ中心選手。今大会の結果次第では平均年齢の高い人選が問題視されただろう。
しかし Kewell の決勝ゴールはベテラン選手の存在感を示した。 “ゴールを決める事が重要だった。何が起こるか分からないPK戦だけは避けたかった。アジアでは楽なゲームが無い事が今日証明された。 ”試合後 Kewell が語った。

”ベテラン選手達は懐疑主義者達の多くが間違っていたと証明できただろう。
私は今日の選手達のパファーマンスには大変満足している試合は延長戦に入ったが90分間でももっとやれたと思う。もし私が間違っていなければイラクの決定機は1度だけだった。他は決定的なチャンスでは無かったと思う。90分間で終えられるべき試合だったと思う。
“ ウズベキスタン戦に就いては“最初に我々はエネルギーをリチャージせねばならない。次の試合までの休息と準備の時間は対戦相手より1日短い。 そして今、選手達は適切な治療を受けてよく睡眠をとり適切な回復を施す事である。” 試合後こう語った。 

 

次のウズベキスタン戦では Emreton が戻って来るがイラク戦では Neil, Kewell そしてCarney が警告を受けてしまった。
代表デビューとなったOgnenovski だけど31歳。2年前はマケドニア代表のオファーもあった選手。 Emerton の累積警告で出番の回って来た Brisbane Roar の Matt McKay は28歳。初代表キャップは2006年8月の Asian Cup 予選のクウェート戦だった。  ( 鍼灸さんの情報では Hiddink 政権前の Frank Farina 政権下で招集歴があるそうです。)

ベテラン頼りは変わらないか?しかしGK Schwarzer を脅かす若手GKがまだ現れてこない現状もある…

 

ウズベク倒して決勝は日豪対決 25. Jan Australia 6-0 Australia

日本が激戦の末に韓国を降して先に決勝進出を決めた次の準決勝戦で Socceroos はウズベキスタンを 6-0 で粉砕し決勝進出を決めた。
オーストラリアはイラク戦と同じスタメン。Osiek 監督は出場停止明けの Emerton は起用せず McKay をこの試合もスタメンで左SHでスタメン起用した。
一方のウズベキスタンは GK を含めて5人も選手を入れ替えて来たけど GK まで替えた Abramov Vadim 監督の意図はなんだったのだろうか…

試合は開始からオーストラリアが攻勢に出てくる。3分 Holman が右サイドでこぼれ球を拾い前の Cahill に預けそのまま逆サイドに走り込むと Cahill がぴたりと Holman にクロスを上げる。フリーの Holman はそのままボレーを放つがGK Juraev が右に倒れ込んでストップ。攻撃シュートも見事だっだけど Juraev もファインセーブだった。その1分後左サイドで Valeri からボールを受けた McKay が上手くターンをしてDFをかわして左から走り込んだ Kewell に絶妙のスルーパスを送ると Kewell は Ismailovがマークに入る前に左足を振り抜き先制ゴールを決めた。
Kewell のドリブルも早かったが Valeri からボールを受けた McKay の相手DFのかわし方 Kewell へのスルーパスを出すタイミング、素晴らしい一連の動きだった。

Osiek 監督の起用に応えたプレーだった。
16分Wilkshire がUlugbek Bakaev をPA付近左サイドで引き倒したプレーにイエローカードが出されてFKを献上する。そのFKを Djeparov が蹴ると見せかけ Shatskikh が直接狙ったがポストの右に外れて行った。, Kewell とCahill は頻繁にポジションチェンジを行い2列目の Holman, McKay らはナイスパスを終始供給し続けた。 そしてサイドバックの Carney ( 左 ) と Wilkshire のオーバーラップが効果的。
ボランチのJedinak, Vareli は攻守に良く動いていた。しかしウズべキスタンもショートパスを繋いでビルドアップをはかる。21分にはビルドアップから左から右にボールを繋いで Djeparov がゴロのミドルシュートを放つがGK Schwarzer が右に倒れてキャッチ。多くのサポーター達が“ウズベッキスタン !! “ と何度も声援を送る。それに後押しされる様に26分に Ahmedov のミドルが炸裂するがクロスンバーを大き
く越えた。 ウズベキスタンはしきりにオーストラリアの右サイドを突いてきた。 しばらくウズベキスタンの攻勢が続いたが左サイドで35分 McKay がShatskikh に倒されて得た FK をCarney が中にいれるとファーサイドに送ると Cahill が中に折り返したところを Ognenovski が左足でウズベキスタンゴールに蹴り込み追加点を挙げた。
代表初ゴールを決めた Ognenovski は天に視線を挙げ無くなった父親にゴールを捧げた。上腕にキスをしたがそこには子供の名前が書かれていたらしい。

     

何とか1点を返したいウズベキスタンは時折 Shatskikh がトップ下に入る等Djeparov とポジションチェンジを行い得点機を狙うがオーストラリアはしっかりとブロックを形成し得点を許さなかった。
オーストラリアベンチは53分 Kewell を下げて Robbie Kruse を投入し前線に置く。準々決勝は延長戦120分戦っているので決勝戦の為に消耗を短くする為だった。
後半に入ってもウズベキスタンがよくボールを回す、と云うよりも早い時間からリードを奪ったのでしっかりと守備ブロックを形成し無理に前線からプレスを掛けずある程度ウズベキスタンにボールを持たせていたので“ボール支配率”は高くなっていた。 そして64分この試合を決めるオーストラリアの3点目が決まるがこの得点も McKay から。中盤でボールを持つと相手DFを引きつけ左サイドを上がった Carney にスルーパスを通し Carney がフリーで放ったシュートがウズベキスタンゴールに突き刺さった。

そしてこの直後相手DFの厳しいマークに手を焼いていたヨルダン戦2ゴールの Bakaev が Wilkshire を引き倒したプレーに UAE 国籍の Albadwawi 主審からこの日2枚目のイエローカードが出され退場になってしまった。

      

1人少ない人数で3点のビハインドを残り20分足らずで追わざるを得なくなったウズベキスタンにはもう勝ち目はなく堤防が決壊した様に失点が重ねられるのは目に見えていた。
それでもこの日起用されたGK Juraev Temur は懸命に相手の決定機をファインセーブで防ぐ。Cahill のスルーパスを受けた Kruse そしてその直後の Emerton のフリーでのシュートをストップしたが73分に Emerton, 82分に Vareli 最後は Kruse に83分に連続してゴールを割られ終わってみれば6点差がついてしまった。

    

ウズベキスタンの Abramov 監督はこの試合結果に“競技場にまで来て声援を送ってくれたサポータ達に申し訳ない。この日の我々の試合内容は言い表せない。我々は準備をしてきたがこの日のプレーは悪かった。多くのミスをしてしまった。”とサポーター達に謝罪を表明。
そして“今までオーストラリアとの差はそれ程あるとは思えなかった。我々も攻撃に転じようとしたがこの日は守備面でのミスが多く、それが問題となった。“と試合ぶりを総括した。

オーストラリア代表の Osiek 監督は“ファンタスティックであった。勝利の秘訣はピッチ上で自分達の力を発揮できた事だ。調整も上手く行き多くのチャンスを作る事が出来た。” と結果に満足していた。 そしてこの大勝を国民に贈る、と語った。

ウズベキスタンとは前回のワールドカップ最終予選で同じ組となりアウェー ( 1-0 ) ホーム ( 2-0 ) 共にオーストラリアの勝利に終わったが共に接戦だった。

決勝戦の日本戦を前に…
日本戦通算3ゴールの Tim Cahill は決勝進出を決めた後に 
“次の日本戦は選手達のキャリアーにとって最も偉大なゲームの一つとなるだろう。 日本戦には良い思い出がある。我々は決勝に進出する事を期待されていた。 そしてファイナリストになる為に努力を惜しまなかった。 我々にはゴールライン(フィニッシュライン ) が見えているが、日本戦に向けてやらねばならない事がたくさんある。” と語りOsiek 監督は Premiership でプレーするBrett Holman ではなく A-League の Matt McKay を起用した事に就き“経験は考慮しないパファオーマンスが大事だ。” と答えた。 

Japan intimidated by us, says Socceroos defender Sasa Ognenovski 

2010年 Asian player of the year を受賞した Sasa Ognenovski は日本を知らないわけではない。 代表経験は無かったが A-League Adelaide United の一員として、また現在は城南一和のメンバーとして ACL でJ-League 勢と戦った経験がある。 
“私は日本が我々の試合のやり方を見て我々を恐れいてる事を良く解っている。 我々が出場した ACL の試合でさえ我々の体格とオーストラリア選手がみせる攻撃的な当たりに恐れをなしていた。だから同じやり方を決勝戦で取り入れ勝利を得たい。 我々は準決勝戦のウズベキスタン戦よりもプレーの質を上げようとしている、日本は運動量も多くパス回しの優れたチームだからだ。

 


Ognenovski は昨年の AFC 最優秀選手賞だけどその選考理由が“表彰式に参加出来る人。”が条件の一つ。当然本田圭祐か遠藤、または李正秀か朴智星といったワールドカップや所属先の欧州で活躍した選手に送られるべきだと思っている。

確か大きなオーストラリア選手達のフィジカルの強さはアジアの域を大きく越えている。 Ognenovski 自身Adelaide 時代は鹿島と城南時代は川崎Fとそれぞれ相対し好成績を残している。特に2008年ACL準々決勝ではマルキーニョスをストップしチームの勝利に貢献した。
しかし1次リーグでの韓国戦を前に韓国の地元紙は彼のスピードを問題視していた...
まぁ恐れているかどうかは別にして、これからじっくり Socceroos を分析してみようと思う。(誰も頼んでいないか??)